Black Swan -overload- 27

「おーし、待たせたなみんな!安心しろ、もう大丈夫だ!」ゼクは、大声で叫ぶ。仮設の聖壇が作られたサモン・ジェネレーターに、ゼクとソクロ、それにヘムの村発掘現場に駐留している聖コノン騎士団からの応援二個小隊が到着した。これで、ヘムの村駐留の聖…

Black Swan -overload- 26

ゼクは、今日は非番だった。 発掘現場の宿舎で目を覚ますと、もう大分陽が高くなっている。 ゼクは、あくびをかみ殺しながらベッドから起き上がり、着替えを済ます。 Tシャツは特にこだわりはない。 普通に、Dickiesで購入した蹄鉄のロゴの入った赤い無難な…

Black Swan -overload- 25

悪鬼は、必要以上には近づいて来ない。槍のリーチを活かして、遠間から突いて来た。ゼクは刀身で受け流し、接近を試みる。その間に壮年の騎士は脇に回り込み、攻撃を仕掛けた。「こっちだ、行くぞ!」壮年の騎士は、剣で力強く打ち込む。悪鬼は槍の柄の根元…

Black Swan -overload- 24

「ゼクさん、大変です…!」あれからしばらく経って、若い騎士は慌てて駆け戻ってきた。「どーした?何があった。」若い騎士はゼク達の所まで来ると、ゼイゼイと荒く息をして報告した。「この先で、サモン・ジェネレーターを発見しました!」ゼクとソクロは、…

Black Swan -overload- 23

ブラック・スワンとハウシンカ、トルカは、ヘムの村のザハイム研究所発掘現場に戻った。そこでブラック・スワンは聖コノン騎士団と共に、狗香炉率いる黒き騎士達との戦いに明け暮れる日々を送っていた。オルト山の山道で、ゼクとソクロ、それに二人の騎士は…

Black Swan -overload- 22

ハウシンカは、ザハイム研究所の所長室で報告をしていた。 「…結論としては、あの遺跡は人間を別な次元、或いは別な世界に送り込む為の装置の様です。」 ザハイムは自分のデスクのソファ・チェアに、体を沈み込ませた。 細い目の、穏やかな表情の人物だ。 年…

Bkack Swan -overload- 21

ブラック・スワンとハウシンカ、トルカの五人は首都シュメクに到着した。街の入り口、門の所に迎えの者が来ている。騎士、それも将軍直属の者だ。「ハウシンカ様ですね。ガウェイン様がお呼びです…。」ハウシンカは静かに頷き、迎えの騎士の馬に乗り込む。「…

Black Swan -overload- 20

ゼクは、記憶の海を漂っている。 昔、小さな村があった。 そこには、聖なる槍の欠片が安置されていて、村の人々に愛されていた。 それを、影の国の蛇が嗅ぎつけたのである。 村は度々、黒き騎士達の襲撃を受ける様になり、人々は冒険者を雇った。 やって来た…

Black Swan -overload- 19

五人を乗せた船は、港街オクトパス・ガーデンに入港した。 船を降りた五人は、宿を取り荷物を下ろす。 話し合いの結果、ゼクは非番になった。 もう夕方だ…。 夕飯を食べに、街へ出る。 港街オクトパス・ガーデンは巨大な港街だ。 何隻もの商船や旅客船が港に…

Black Swan -overload- 18

ラルゴは、主ストーム・ライダーせんさんの、砕けた聖なる槍から復活したバイクに乗って、存在の本質に迫った。 そこは宇宙の果てであり、同時に宇宙の中心でもある。 レミロはそこで、「宇宙の意思」を名乗っていた。 ラルゴと主ストーム・ライダーせんさん…

Black Swan -overload- 17

ここは影の国。影の国の中心は、古きエデンにある城「黒き子宮」である。「黒き子宮」の主は、クリングゾール。影の国の王だ。クリングゾールは、奇怪な呪文を唱えている。内容は、普通の人間には理解できない。不服、怨嗟、嫉妬、そういう感情の集合体なの…

Black Swan -overload- 16

夜、ブラック・スワンは夕食を食べた後、甲板で酒を飲んでいた。ゼクとローランドは、船に積んであるラム酒。ソクロは、自分の持っているカルヴァドスだ。雑誌「東洋経済」を眺めながら、チビリチビリと舐める様に飲んでいる。「今回の任務は、最初こそ大変…

Black Swan -overload- 15

ブラック・スワンとハウシンカとトルカの五人は、船に乗っている。大陸と大陸を結ぶ商船で、客室もあった。ゼクは甲板で、風に当たっていた。…海はいい。ゼクが物思いに耽っていると、甲板にローランドの声が響き渡る。「ゼク、俺と勝負しろ!」訳がわからな…

Black Swan -overload- 14

五人はキャンプをたたんで、出発した。先頭はゼクとローランド。その後ろにハウシンカとトルカが続き、最後尾はソクロだ。五人は黙々と進んでいく。「今日中には、港に着くかしら?」ハウシンカがゼクに尋ねた。「昼迄には着くだろう。でも船は夕方にならな…

Black Swan -overioad- 13

ブラック・スワンの三人は、首都シュメクのザハイム研究所本部に向かって出発するハウシンカとトルカと共に、ヘムの村を発った。ヘムの村からオルト山の麓の港まで、徒歩での移動だ。ブラック・スワンの三人は自分で荷物を担いで歩くが、ハウシンカとトルカ…

Black Swan -overload- 12

今は、聖コノン騎士団の作戦会議が行われている。砦の会議室に隊長クラスの騎士達が集まり、テーブルを囲んでいた。指揮官の騎士が、テーブル上の地図を指揮棒で指し示しながら、隊長達に現状を説明する。「今回の、ザハイム研究所発掘現場への二個中隊の派…

Black Swan -overload- 11

聖コノン騎士団の駐屯する砦は、ヘムの村から見てオルト山の反対側にあった。港町ミルムと隣り合っていて、物資などはそこから運んでいる。セトは砦の最上階の団長室で、事務仕事に追われていた。目を通さなければならない書類の山に囲まれて、頭を掻く。「…

Black Swan -overload- 10

「何よ、あなた!ついて来ないでったら。」ハウシンカはプリプリ怒りながら、山道をヘムの村に向かって歩いて行く。「しょうがねーだろ、これも任務なんだよ。」ゼクはその少し後を、離れてハウシンカに着いて行く。ハウシンカは、今日は非番だ。ふわっとし…

Black Swan -overload- 9

「ん、ここはどこだ…?」ゼクが目を覚ますと、トルカが甲高い声を上げた。「気が付いたんですね、ゼクさん!よかった…。」ゼクが周りを見渡すと、部屋には幾つかのベッドが設えられていて、薬の匂いが充満している。ゼクの他に二人、ベッドに横たわっていた…

Black Swan -overload- 8

ゼクは、恐怖した。彼にはわかるのだ。奴には勝てない。しかし、退くことは出来なかった。…まあ、やれるだけのことをやるだけだな。狗香炉は、圧倒的な闘志を放ちながら、ゼクの前に立ちはだかっている。ゼクは、自分から仕掛ける。浅い間合いで、二、三刃を…

Black Swan -overload- 7

ゼクは、登山道の脇の茂みに潜んでいた。 みんなを配置してから、約一時間…。 馬の蹄が地面を蹴る音が響いてきた。 「来たな。」 針金のトラップは、成功だ。 目の前で二騎落馬した。 ゼクは飛び出そうとするが、再び蹄の音が聞こえてくる。 ゼクが茂みの中…

Black Swan -overload- 6

ハウシンカは再び横になり、毛布を体にかけようとした。「主任、主任!開けて下さい、緊急事態です!」声から察するに、トルカ研究員だろう。ハウシンカは、ゾッとした。遺跡が、何かを起こしてしまったのでは?急いでドアを開けた。「あの…その…、大変なん…

Black Swan -overload- 5

ハウシンカは、夢を見ている。あの日、転送機の試運転を行った時、先ず自分が乗った。その時に見えたビジョンが、繰り返し夢となって現れる。夜、どこかの土手沿いを青年が歩いている。青年は右手で大きな杭を肩に担ぎ、左手は胸の辺りで光り輝く「何か」を…

Black Swan -overload- 4

ブラック・スワンの三人は船を降りた後、徒歩でオルト山を登っていた。ヘムの村は、このオルト山の中腹にある。案内人は、慣れない山道を登るブラック・スワンを気遣いながら、ゆっくりとしたペースで進んでいた。「しんどい…。俺は反対したはずだ、初めから…

Black Swan -overload- 3

ブラック・スワンは、旅の途上である。 駅馬車に揺られながら、ヘムの村を目指していた。 他に乗客はいない、乗っているのは三人だけだ。 カトラナズの首都シュレクから、辺境の地にあるヘムの村までは、先ず駅馬車を乗り継いで港街オクトパス・ガーデンまで…

Black Swan -overload- 2

ゼク達は、カトラナズの国の王都シュメクに住居を構えていた。 カトラナズは平和な国ではあったが、様々な人々が住んでいたし、どこもかしこも清潔で清浄であった訳ではない。 やはり雑多な繁華街があり、冒険者の多くはそこに出入りしていた。 繁華街の外れ…

Black Swan -overload- 1

オープニング・テーマ…「イカリを揚げよう」 明和電機http://youtu.be/ce1xmzKAYPAここは、王ダヴィドの治めるカトラナズの国。人々の記憶の中にある、もう一つの現実である。その国で、彼らは冒険者と呼ばれていた。依頼主から任務を引き受け、その達成と共…

寸劇 最高のプレゼント

以前勤めていた施設の友人に頼まれて、クリスマス会の演劇用の脚本を書いてみました。ついでなので、アップしときますhttps://instagram.com/p/7msqRxO5Rf/シーン1今夜はクリスマス。サンタのおじいさんは、トナカイの引くそりに乗って、夜空を忙しく駆け巡…

「手の中の麦、彼方の星、…そしてここで流れる涙」〜Around Over Sea〜 目次

だから「罪」とは何か…? "ガッカリ…"、であろう。 つまり「義」とは、なんであるか? "サイッコ〜"な気分に決まってるじゃん!!! なので運命とは、ファンタジーだ。 退屈させなければ、退屈なんて存在しない。 怒りの反対は、迷惑です。 男の助け手は、女…

再臨物語(Song About Distance) 後編

「A Message To You Rudy」 Specials The Specials - A Message To You Rudy - YouTube 良太は、旅路の果てに、介護の仕事に就いた。 彼は、自分の性格上の長所それは才能なのかもしれないが、そういうものがあるならそれは、人からよく言われた「優しさ」し…