シーン4 お春と新三の生活
こうして、お春と新三は結婚し、二人の生活は始まりました。しかし新三は、腹黒い男。誠意なんて、これっぽっちもありません。すぐに邪悪な本性をあらわし、お春をいじめました。
お春と新三、ちゃぶ台の前に座っている。新三、ちゃぶ台をひっくり返しながら。
新三「こんなまずい飯が、食えるか!こんな物、豚の餌だ!」
新三、お春を打ち。
新三「ちっ、面白くもない。てめぇは黙って、その豚の餌を片付けておけ。おれは、一杯飲んでくる。もし、戻ってくるまでに、きれいに片付いていなかったら、どうなるか見ておけよ。」
お春、寝ている。新三が、酔って帰ってくる。
新三「う〜い、いい気分だ。おうてめぇ、何をのんきに寝てやがるんだ!」
新三、お春の布団を引っぺがし、胸倉を掴んで。
新三「俺が家に帰るまで、起きて待っていろと言っただろう!ご主人様より、先に寝ちまうなんて、てめぇは番犬以下だ、このあばずれ!」
新三、お春を打つ。
お春、一人で泣いている。
お春「新三は、とんだ悪い男だった。こんな筈では、なかったのに…。私はもう、生きて呼吸するだけでも、苦しい。来る日も来る日も、こんな目にあうのだったら、もういっそ死んでしまいたい。」
荒々しく、戸を叩く音がする。
お春「また、私の憂鬱の種が、戻って来た。少しでも心が安らぐのは、あの男がいない間だけ。それでも、私の夫なのだから、愛想よく出迎えなければならない。はい、はい、お前さん、やっと帰ってきたのね。」
お春、驚いてたじろぐ。新三、見知らね女の肩を抱いている。
お春「誰だい、この小さい女の子は。もしかして、お前さんの隠し子かい?」
女「(アドリブ)」
お春「そうじゃないなら、まさかロリコン?」
女「(アドリブ)」
新三、荒々しく。
新三「誰が、俺に物を尋ねていいと言った?いいか、よく聞けよ。おれは、これからこの女と、一晩と言わず、二晩三晩、いや一週間でも、楽しい事をして過ごすんだ!」
新三、好色そうに女の方を見る。女、目を伏せる。
新三「だから、お前はそれが終わるまで、黙って家の外で待っていろ。それが嫌なら、とっとと出て行け!」
お春、泣きながら飛び出し。
お春「私には、もう耐えられない!」