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帰ってきた男達 まとめ

申し訳ありませんでした。

力尽きてしまい…、物語を書ききれませんでした。
構想は存在しているので、ここに粗筋として掲載させてもらい、続編の代わりとさせて頂きます。
楽しみにして下さった方々には、本当に申し訳ありませんでした。
元ネタは「駅馬車」です。
 
赤き竜を味方に付けた、ルシファー率いる連合軍は、バァル・ゼバブ率いる地獄の軍団と激突した。
浦島太郎の作戦により、地獄の軍団を地の果てに引きずり出した連合軍は、これを打ち破る。
生き残った軍団の兵達、凡そ三分の一と悪魔アスモダイは、連合軍に降った。
アスモダイは、坂田金時と酒を酌み交わし、その志に共感する。
しかし、天国はこの動きに、当然気が付いていた。
キリストは、かつて自らが裏切り者と呼び、天国に幽閉していた天才的な頭脳の持ち主「イスカリオテのユダ」を、軍師として迎えた。
天国の軍隊の、総大将はモーゼである。
コノンは、未だ戻っていない。
パウロ、ペトロ、それに伝次郎らも武装し、連合軍に備えていた。
勿論、ミカエル、ガブリエルら、天使の意気も盛んである。
ここに、最後の大戦が幕を開けようとしていた…。
 
コピン…コピンは、浦島太郎の独断により、赤き竜に捧げるという約束を、取り決められてしまいます。
ルシファーは、それを顧みない。
それはコピンには、未だ受け入れられる事でした。
しかし彼女は、ユダが妻として望み、天国がそれを飲んでしまった時、キリストの元を去ります。
やがて、同じ様に天国を去った坂田金時の生き方に、心惹かれた彼女は足柄山に身を寄せ、熊八と三人で暮らして行くのです。
 
イスカリオテのユダ…登場予定のキャラでした。
彼は、天国に協力する代わりに、コピンを妻として要求します。
しかしユダは、結局何も手に入らなかった。
そして彼は、戦いが終わり平和が戻った天国から、再び旅に出ようとするコノンと共に、旅に出ます。
何も求めず、自分の信じる正義に殉じていくコノンの生き方が、バカバカしくもあり興味深くもあったのです。
 
コノン…コノンは、連合軍との戦いの最後に、全てを懸けて坂田金時との、一騎打ちに臨みます。
その戦いは激しく、天地はおろか神さえも戦慄する死闘でした。
コノンは、渾身の力を振り絞り、金時と合一するルシファーの霊=物言う石を、メギドの丘で打砕きます。
しかし、金時も最後の力で、コノンの右眼「神の笑顔を覗く瞳」を、切り裂くのです。
そして戦いは終わり、「自らの信念を懸けた者は、皆天国に迎え入れる。」というキリストの裁きが下りました。
後にコノンは、再び旅路に就きます。
それは、もはや神の望みではなく、彼自身の発意でした。
 
坂田金時…彼は、天国で療養に務めました。その内に、古い記憶が蘇ります。
彼は、「始まりの人アダム」の生まれ変わりだったのです。
彼はアダムであった時、彼の愛する妻イヴを、憎き蛇の誘惑から護れなかった。
その、激しい自らへの悔恨が、彼に超人とも呼べる生き方を課していたのです。
金時は天国で、夕焼けの向こうに、子供達を引き連れている聖母マリアの横顔を眺めました。
そして熊八の待つ、足柄山に帰ることを決意するのです。
 
浦島太郎…彼もまた、異論はありましたが、エリヤの独断で天国に迎え入れられました。
しかし、天国での暮らしは、浦島太郎には退屈すぎました。
そんな時、犬に追われているルカに出会います。
全ての思考パターンを読み取ってしまう彼にとっても、ルカのバカさ加減は、理解不能です。
二人でゲームに興じると、何と互角!
浦島太郎は大喜びで、ルカと大親友になるのでした。
 
マルド・グム…マルド・グムは、悲しい存在なのです。
彼は、不幸だった。しかし、その不幸は神からもたらされたものだったのです。
マルド・グムの正体は、アブラハムの人格です。
アブラハムは、イエス・キリストとして生まれ変わった。
しかしそこには、キリストの神格が宿っている。
彼の人間性は、キリストの神聖さに否定され、やがて行き場がなくなります。
そして彼は、神への怨嗟の声を上げ、地獄の底に辿り着くのです。
マルド・グムを、最後に救ったのは、あの幼子カインでした。
カインは、問います。「何故、おじちゃんは不幸なの?」この問いによって、マルド・グムは解き放たれ、崩壊していたカインの人格を、自らで補う守護者となるのです。
 
抗いし巫女エレナ…エレナは、神が始めにアダムと共に土から造った女性でした。
彼女は聡明であり、圧倒的に美しかった。
そして、何よりも勝気だったのです。
それは、優しく穏やかな神ヤハウェにも、その本性は大人しく内気なアダムにも、手に負えませんでした。
エレナは、自らエデンを飛び出し、世界を周ります。
しかし、彼女を充たす「何か」は、存在しなかった。
やがて、エレナは地獄の底に辿り着き、そこでマルド・グムを見出します。
マルド・グムが失われてからの彼女は、体を再起不能にされ霊を打ち砕かれても、まだ戦いを望むルシファーに、「男らしさ」を感じ取り、彼に寄り添う事を決意します。
それは、新たな火種か?それとも…。
 
マグダレーナ…天国と地上との間に戦争が起きる少し前、伝次郎とアリスの間に赤子が産まれた。
取り上げたのは、既に天国に召されていたお春である。
赤子は、天国の言葉で「神々の顕在」を意味する、ラルゴと名付けられた。
お春は、取り上げた赤子を、マグダレーナに抱かせた。
マグダレーナは指であやすと、「まあ、何て可愛らしいんでしょう…。」と語った。
お春とマグダレーナは、仲が良かった。
マグダレーナは、お春の生きた知恵を心から尊敬していたし、お春はマグダレーナの慎ましさを女性の鑑だと、感じ入っていた。
そんな中、天国と地上の戦いは終わりを告げ、天国には、怪我をした天使や聖人、人間や天人、悪魔や悪鬼まで…、次々と担ぎ込まれた。
マグダレーナはお春と共に、侍女達の長として、彼女達を指揮し懸命な看護に当たった。
…最も重症であったのは、坂田金時である。
彼は、その事について口にした事はなかったが、医師は彼の容態を目にした時、ペンを取り落とした。
呼吸して生存している事が、信じられなかったからである。
彼が助かるかどうかは、もはや神ですらわからなかった。
一方のコノンはそれ程でもなく、確かに神の力の宿った右眼を失った事は悲劇であろうが、命に別状はなく、食欲も充分にあり、周りの雑多な存在達と談笑していた。
ある時マグダレーナが、看護に追われ廊下を小走りに急いでいると、ある病室から呻き声が聞こえた。
ここは、病院である。
呻き声自体は、別に珍しくもない。
それでも、マグダレーナの心に何か気掛かりであり、足を止め中を覗いた。
金時であった。
彼は、何かを掴もうとするかの様に、宙に手を伸ばし掻く様であった。
マグダレーナは、自分でも不意にその手を掴んだ。
金時は、「母さん…。」と呟いた。
ある時、彼女は配膳していた。
コノンのベッドに食事を配していると、コノンはその手を握り、こう言った。
「オレは、世界中で女性を見た。しかし、あなたより美しい人はいなかった。オレの妻になってくれ。」
マグダレーナは、適当に話をはぐらかし配膳を続けた。
金時は、やがて意識を取り戻した。
彼はよく、熊八の事を語って聞かせた。
「私を、一介の男子たらしめたのは、一重に彼の忠義が因である。」
まだ、明瞭ではないのだろう。
同じ話を何度も繰り返ししていたが、ルシファーの呪いから解放された彼の表情は、日に日に穏やかに…、むしろ幼く感じられる程だった。
コノンの負傷は軽いとはいえ、自由に歩ける程ではなかった。
だから排泄などは、他人の世話にならねばならず、勿論マグダレーナもそうした事を手伝った。
マグダレーナが、コノンに尿瓶を当てがっていると、コノンは前と同じ事を語って聞かせた。
一言一句違いはない。
マグダレーナは傷に触らない様に、穏当な返事をしていた。
金時は、順調に回復した。
ある時彼はマグダレーナに、酒が飲みたい、と漏らした。
彼は、天の最上級の酒、かぐやを望んだ。
彼は、戦争中のどさくさに紛れて、熊八の元に一本送らせておいた事を、悪戯っぽく告白した。
マグダレーナは、安堵した。
これならもう大丈夫だろうと思った時、ある緊張の糸が切れ、お春にある事を打ち明けた。
お春は何となく気付いてはいたが…。
「マグダレーナ。神様が全てを見渡してお決めになる事と、人間が心から望む事は、結局の所同じ事なのよ。成り行きに、任せる事。それがご縁というものだし、一番賢い生き方はいつだってそうなんだから…。」
マグダレーナは、コノンの包帯を変え薬を塗り直していた。
コノンは、三度目を語った。
マグダレーナの心に、今まで感じた事のない安堵が訪れた。
「その為には先ず、元気になって下さい。私はね、私を残して逝ってしまう人は、イヤよ!」
コノンは、晴れやかに笑った。
 
テーマ曲「JK(2011)」 さこやん
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
おまけ
ちょっとだけ、付け加えさせて下さい。
解説は野暮だとわかっていますが、どうしても伝えたいので…。
テーマ曲に「いろんな若さ」を選んだのは、こういう普通の願い、何気なくていい感じの日々の為に、男達は戦いに赴くのです。
決して大袈裟なことじゃない。
女性が望んでいるのは、平和な日常だと知っているから剣を取る、そしてその訪れがこの曲を選んだ理由です。
平和はあって当然ではない。
いつだって、戦って勝ち取るものなのです。
戦い方は、人それぞれ。
ぼくにとっての戦いはそうだな、何かを選ぶってことかな?
常にね、自分で。
それは、神様に提案して証明してるんだ。
新しい人間の存在理由を…。
でも男というのは、戦わなければ愛する女性を幸せにする事は出来ません。
そして、平和をもたらしてあげて下さい、その方に…。