寸劇 ひな祭り

久し振りに気が向いたので…、以前勤めていた施設用の寸劇の脚本を追加しました。

よろしければ、楽しんで下さい…。

 

シーン1

…昔々、ある御殿にお勤めする…お内裏さまと御雛さまがいらっしゃいました。

お二人は…おしどり夫婦として有名でしたが…、最近ちょっとギスギスしておりました。

御雛さま「ちょっとあなた、…何なんですか最近!!御殿から帰れば…、ゴロゴロしてばかり!…少しは、シャンとして下さい!!!」

お内裏さま「何て、口うるさいんだろう…。コッチは、…御殿勤めで疲れているっていうのに。…休みの日もゆっくり出来ないなんて、チェッつまらん。」

 

シーン2

お内裏さまは、…御殿から帰る途中…咲いていた桃の花を眺めておりました。

お内裏さま「…何だろう、最近御殿勤めもウマく行かんなぁ。昔はあいつも…、あんなじゃなかったのにな。ただいま…。…今、帰ったよ。」

「あなた、…今日も遅いじゃありませんか!!どうして…、こんなにいつも遅いんですか!?家庭のコトは、どうでもいいって言うんですか…!」

「…仕様がないじゃないか。御殿勤めの…、付き合いだよ。俺だって、好きで飲んでるんじゃない…。これも、…仕事だよ。」

 

シーン3

…困ったお内裏さまは、部下の五人囃子(の一人)に相談しました。

お内裏さま「かくかくしかじか…、こういうワケなんだ。…どうだろう、何か上手く行く知恵を貸してもらえないだろうか?」

五人囃子「…私にいい知恵がありますよ。女性というのは、…花が好きなんです。何かキレいな花を贈って…、お礼の言葉を伝えるんです。それが一番ですよ。」

お内裏さま「うん…?そんなカンタンな事で、…ウマく行くのかな?」

五人囃子「女性というのはね、何より贈り物を喜ぶモノです…。…それにですね、何気ない一言を待ってるんですよ。家事をこなすのは…、あなたの為じゃありませんか?そのコトへの、…気持ちの込もったありがとうが大切なんですよ。そ〜ゆうのをちょいちょいブッ込んでくと、女性の気持ちは変わります…。」

 

シーン4

五人囃子の言葉を聞いたお内裏さまは、早速桃の花を手折ってお家に帰りました…。

お内裏さま「なぁ…、いつも家の事をしてくれてありがとう。…これは、俺の気持ちなんだが。受け取ってくれ…。」

御雛さま「まぁ、…ありがとうございます。…そう言えばあなたは、プロポーズの時も桃の花を贈って下さいましたね。この花は、…大切に活けておくとしましょう。」

お内裏さま「…すまんな。俺はお前がいてくれて…、当然だと思っていた。…でも、そんな事はない。だから本当に、ありがとう…。」

御雛さま「何て嬉しいお言葉でしょう…。私が元気でいられるのは、…あなたのお陰です。さぁさ…、これからはひな祭りの季節。…忙しくなりますよ!!」

こうして二人は、今年も並んでひな壇に座っているのです…。

 

テーマ曲…「めろめろかりメロ隠され宝(ドリドリミさいるちょろちょろネズミ)」 ちょぴッとプン ☆ch!
https://youtu.be/CxERlQ6pal0

(これはあまりにも臆病なまさに虚勢って感じのサウンドだから)