アーシャ、ぺぺ、ホレロの3人は…、宿に荷物を置くと夕ごはんまでの数時間街をブラブラするコトに決めました。
「ホレロさん、この港街ベリートの名物って"何か"ないんですか…?私、…お父さんとお母さんに贈ってあげたくて」
…「そ〜だね、このベリートは漁業も盛んだから。やっぱり…、名物とゆえば海のお魚になるだろうな。でもここから、中央大陸のエスタハーン村まで送ったら…。どんなお魚も傷んでしまうよ、…あっお酒なんかど〜かな?」
…ホレロのアイディアに、アーシャは目を輝かせます。
「ウチはお父さんだけじゃなくてお母さんも飲むから…、珍しいお酒を届けたらきっと喜びます」
ホレロは、おひげをなでるとニヤリと笑いました…。
「あるよある、…ゆいのが。…取り敢えず、私がよく立ち寄るお店にゆってみよう!!」
3人は…、道を譲ったり譲られたりしながら酒屋さんに辿り着きのれんをくぐります。
「これこれ、これはね"月下美人"とゆう銘柄で…。この南の大陸でよく食べられてる、…"イネ"から作られたお酒なんだ。…これは、ちょっとよそでは手に入らないよ」
「プイプイ!」…、ぺぺが何かに気がついて声をあげました。
「えっ、ぺぺなになに…?美味しいお酒を飲んだら、…美味しいお肴だって欲しくなるって?」
…ホレロは、納得したよ〜にうなずきます。
「これは…、ぺぺに一本取られたな。ど〜だいアーシャ、まだ時間もあるし市場の方へゆってみよう…。きっと、…何か日もちのする食べ物も置いてあるよ」
…アーシャはうなずき、3人は市場へ向かって歩き出しました。
市場で物色してゆると…、大きな看板がアーシャの目に飛び込んできます。
そこには、「冷気を詰める魔法のつぼ。ベリートの美味しいお魚を氷漬けにして遠くのあの人に…」
アーシャは興奮して、…ホレロの袖を引きたった今見たモノを伝えて。
…その魔法のつぼ屋さんに、早速ゆってみるコトにしました。
魔法のつぼ屋さんは…、テントの中で商売をしてるよ〜です。
中に入ると、アーシャは早速「エスタフ高原までお魚は大丈夫ですか?」をたずねました…。
「お嬢ちゃん、…それなら全くウチの魔法のつぼだね!!…中にお魚を入れて、この冷気を詰めると。あっちゅう間に氷漬け…、ふたを外すまでは一切氷は溶けないよ」
ホレロは、嬉しくて体を震わせているアーシャに優しく声をかけます…。
「よかったじゃないか、…これで海のお魚をご両親さんに食べさせてあげられる。…じゃあ早速お魚を買って来よう、なに市場の中なら幾らでも新鮮なのが手に入るよ」
3人は市場の中を巡り…、た〜っくさんの種類のお魚を扱ってるお店を見つけました。
アーシャは女将さんに、「月下美人」を見てもらい…。
「これに合うお魚って何でしょうか?」、…と尋ねます。
…「アンタ、そりゃサーモンだよ。今の時期なら脂も乗ってるし…、サーモンならクセが無いからキライな人はいないよ」
女将さんは、きっぷよくハキハキ答えました…。
アーシャは、…かごに乗ってる切り身になったサーモンを二切れ買うと。
…先程の魔法のつぼ屋さんに戻ります、アーシャは紙に巻いてあるサーモンの切り身を渡すと魔法のつぼ屋のオジさんは。
「今のウチにゆってくれれば…、他のモノも一緒にお届けするよモチロン料金は同じ」
とゆ〜ので、アーシャは「月下美人」も一緒に届けてもらうコトにします…。
「全部込みで、…金貨2枚になるよ!」
…これにはアーシャは少し驚きました、思わず。
「えっ…、そんなに高いんですか?」
と、声を出してしまった程でした…。
「お嬢ちゃん、…申し訳ないけれど。…この魔法のつぼは特注品なんだ、職人さん達が精魂込めて作ったのを。そこからさらに…、さる高名な魔法使いの先生に魔法をかけてもらってるんだから。その代わりじゃないケド、絶対に氷は溶けないから…。ご両親に、…ベリートの美味しいサーモンをお届け出来る!!…わしが、保証するよ!」
アーシャは少し迷いました…、でも明日には私は生きていないかも知れない。
そ〜想えば、「高くはない」と気持ちよくお金を支払ったのです…