どらねこクエスト〜はらペコ勇者の大冒険!!〜 その69

世にも奇妙に踊りながら、…女帝ゾフィネーヌは聞いたコトもない呪文を唱えました。

…「うわっ、何だ!!?」

女帝ゾフィネーヌをいただく玉座の前の階段の下に…、まばゆい光を放ちながら魔法陣が描かれます。魔法陣を描く線は輝き、そのまぶしさに勇者のパーティ一行は思わず目を覆いました…。

「この偉大にして叡智そのモノたる私、…地獄の支配者。…破壊ねこ"メギムトゥ"を喚び出すのは、一体何者であるかにゃん?」

女帝ゾフィネーヌの唱える呪文が終わると…、魔法陣は完成され光を失い。そこには恐るべき、地獄の破壊ねこ「メギムトゥ」の巨体が横たわったのです…。

しかし地獄の破壊ねこ「メギムトゥ」の姿は、…聖戦士クリム、神官マルミ、魔女ケレナを恐怖とは違った意味で驚愕させました。

…「何だろ〜、この姿」

「何てゆ〜か…、みっともないですよね?」

「ヤダ〜こんなヤツ、ただのオッさんじゃん…」

それもそのハズ白い毛並みの地獄の破壊ねこ「メギムトゥ」は、…まるまると太った体にはら巻き一丁とゆ〜出立ちだったのです。

…おなかをポリポリかきながら、地獄の破壊ねこ「メギムトゥ」は眠そ〜に声を発しました。

「そこにいるのはゾフィネーヌかにゃ…、とゆ〜コトは。遂にサヘラが、私の為に"神さまの焼きサンマ"を焼く気になったのかにゃ…?どれどれ"神さまの焼きサンマ"はどこかにゃ、…おかしいにゃにゃんの香りもしないにゃ〜」

…ゴロゴロしながら都合のい〜コトばかり口にする、地獄の破壊ねこ「メギムトゥ」の前に女帝ゾフィネーヌはひざまずきます。

「私を始めとして全ての魔物が敬愛してやまない…、王者にして主であらせられる"メギムトゥ"さま。ご機嫌うるわしゅう存じます早速ですが…。あなたさまのおん前では虫ケラにも劣る、…小さな私の訴えにお耳をお貸し下されば光栄です」

…地獄の破壊ねこ「メギムトゥ」は、面倒くさそ〜に頭をかきました。

「不肖この私…、女帝と呼ばれるゾフィネーヌめは。"メギムトゥ"さまに一刻も早く"神さまの焼きサンマ"を、ご献上つかまつらんと日々懸命に努力して参りました…。しかしところが、…そこにボンヤリ突っ立って。…地獄の支配者でああらせられる「メギムトゥ」さまに、何の敬意を示さない勇者を名乗る連中が。力づくで私達から…、サヘラを」

「勇者…?」

「勇者」と聞くと、…地獄の破壊ねこ「メギムトゥの眠そ〜な瞳がパッチリ開いたのです。

…「勇者とかゆ〜ネコミミは、この世界には必要ないんにゃ。何故なら私に従えない頭の悪いネコミミ共は…、その勇者とやらを心の支えにしているからにゃ。勇者ががんばってゆると聞けばごちそうを振る舞い、勇者が困ってゆると聞けば何とか助けよ〜とする…。その勇者とかゆ〜何とも厄介者を中心に、…ネコミミ共の心は一つになってしまう。…思えばサヘラが強情を張るのも、勇者が助けに来てくれると希望を抱くからに違いにゃい。希望なんて…、この"ねこねこファンタージェン"には必要ないんにゃ。希望なんてモノが存在するから、ネコミミ共は支配されにゃい…。ネコミミ共の希望をくじかなければならんよ〜にゃ、…その為には先ず勇者をズタズタに引き裂くコトにゃ〜!!」

…突然、マルトム・クルメ城全体がゴ・ゴ・ゴと揺れ始めました。

「みんな…、大丈夫!?」

「見て下さいクリムさん、あの"メギムトゥ"の姿…」

真っ白だった地獄の破壊ねこ「メギムトゥ」の毛色は、…だんだんドス黒く変化して逆立ちます。

…「勇者は許せんにゃ〜、今こそネコミミ共の希望をくじき。私が「オー・ラロル」に…、取って代わる時が来たのにゃ〜!!」

地獄の破壊ねこ「メギムトゥ」の姿に、女帝ゾフィネーヌは陶酔して見入りました…。

「おぉ、…何とご立派なお姿で。…このゾフィネーヌもあなたさまと一つになります、この私の全てを供物としてお受け取り下さい」

「ツまんない…、勘違いだね!」

魔女ケレナは、吐き捨てます…。地獄の破壊ねこ「メギムトゥ」は巨大な体をムックリ起きあがらせ、…その額に女帝ゾフィネーヌが重なりました。

…「世界を支配するのは、力なのだ。強い者は弱い者より優れており…、何があっても抗うコトは許されぬ。私は"オー・ラロル"より、力において優れている…。私こそ"ねこねこファンタージェン"に君臨し、…全てのネコミミは私の意のままになるべきなのだ!!」

…神官マルミの方を、聖戦士クリムは見ます。

「いよいよ…、本当に最後の戦いだね」

神官マルミは、魔女ケレナと視線を合わせました…。

「ここまで、…色んなコトがありました」

…聖戦士クリムに、魔女ケレナはウィンクします。

「まぁでも…、これが最後だから」

3人の勇者は、声をそろえてこ〜ゆいました…。

「精一杯、…がんばろ〜!」

…聖戦士クリム、神官マルミ、魔女ケレナの胸はとっても高鳴っていましたが、不思議と落ち着いてもゆました。

何となく予感していたのです…、がんばれば何とかなるよと。こ〜して、最後の戦いの幕が切って落とされました…。

 

「最後の死闘」のテーマ…

Babalon/Andrew.W.K.

https://youtu.be/oI8y36733ag

 

どらねこクエスト〜はらペコ勇者の大冒険!!〜 その68

「グズグズゆってんじゃないよ、それっ炎のヘクトム…!!」

ドルイドちゃんねこに向かって…、魔女ケレナは炎の玉を放ちます。

…「ムンムンこっちは忙しいとゆ〜のに、う〜さ〜ぎ〜お〜いしか〜の〜や〜ま〜」

「隙だらけです、…私のコトだって忘れてもらっちゃ困りますよ!」

「ふるさと」を邪な言葉で歌い始めるドルイドちゃんねこを阻むよ〜に、神官マルミは「ねこの手も借りたいメイス」で打ちかかりました…。

「何とやかましネコミミだ…、ぐわぁ」

ドルイドちゃんねこは「悪魔ねこのひとみ」を振りかざし神官マルミの攻撃を防ご〜としましたが、そこに炎のヘクトムが直撃します。

「一度うまくいったんだ、…も〜一度試す価値はある。ゆくぞ、稲光の咆哮…!!」

得意な連続攻撃「ねこキックの嵐」で優位に立った聖戦士クリムは…、バーサーカーちゃんねこに立ち直るヒマを与えずさらに必殺の一撃を連続で繰り出しました。

…「ぎゃっにゃ、チョコマカとうっとおしいヤツタイ」

バーサーカーちゃんねこも必死で防御しますが、…だ〜いぶ疲れて来たのか息もゼェゼェとあがっています。

ドルイドちゃんねこよ何をふざけておるのだ、さっさと理力で聖戦士クリムの足を止め我らの勝利に貢献せよ…!」

ピリピリしながら女帝ゾフィネーヌは…、炎のヘクトムでドルイドちゃんねこを攻撃する神官マルミを狙いました。

…「そんな遠くから唱えても、当たりませんよ〜だ!!」

ちろりと舌を出して、…神官マルミは走ってその場を離れ火の玉をかわします。

「は、はい、ゾフィネーヌさま今すぐに…。地震の悪魔ねこナヤワさま…、必ず憎き敵の血と肉をお捧げ致します。…咲いた〜咲いた〜、チューリップの花が〜」

神官マルミが自分から離れると、…ドルイドちゃんねこはすかさず「チューリップ」の理力を歌いました。バーサーカーちゃんねこを追い詰める、聖戦士クリムの周りをグレーの光が取り囲みます…。

「頼むよ"ステンレスの丸盾"…、こんなのきっと突破出来る!」

…聖戦士クリムは「ステンレスの丸盾」を体の正面に構えて、グレーの光の輪に自分から飛び込みました。一点の水アカもないピカピカに磨きあげられた「ステンレスの丸盾」は(これは普段から神官マルミが使う度丁寧にお手入れしてるからなのです)、…キラッと輝いて理力「チューリップ」を打ち破ります。さても〜何をやってもうまくいかないコトに、バーサーカーちゃんねこはカンカンでした…。

「にゃぎゃ〜こ〜なったら力で勝負タイ…、聖戦士クリム決着をつけるタイよ!!」

…一方の聖戦士クリムは、「おおトロの剣」を天高くかざして応えます。

「い〜よ、…受けて立つさ!」

二振りの斧を高く振りあげて、バーサーカーちゃんねこは突っ込んで来ました…。

「ぎゃぎゃにゃ〜許さんタイ…、本気タイソニック・ストレングス!!」

…聖戦士クリムも全力疾走しながら、体を回転させます。

「ぼくはいつだって本気さ、…いつもいつだって灼熱の旋風…!」

強大な一撃「ソニック・ストレングス」が振り下ろされるその刹那…、聖戦士クリムは「灼熱の旋風」で。…バーサーカーちゃんねこの体の脇を駆け抜け、斬り裂いたのでした。

「にゃお〜ん、…まだまだ納得しとらんタ〜イ」

地獄までカッ飛んでゆくバーサーカーちゃんねこを見て、ドルイドちゃんねこはつぶやきます…。

「アワワこれは敵わない…、急いで逃げないと」

…慌てて逃げ出そ〜とするドルイドちゃんねこの前に、神官マルミが立ちはだかりました。

「こら、…こんなに悪さをして今さらどこに逃げるんですか。思い知りなさい、私の必殺技"百裂おしりたたき…!!」

ぴこぴこぴこぴこと目にも留まらぬ早業で…、神官マルミはドルイドちゃんねこのおしりを引っ叩きます。

…「こ、降参です、さよ〜なら〜」

たちまちドルイドちゃんねこのおしりは、…小高い丘のよ〜にはれあがり地獄に飛んでいってしまいました。

「アンタさぁいつまで余裕こいてんのよ、いい加減降りて来たら…!?」

そ〜叫ぶと魔女ケレナは…、玉座から見下ろす女帝ゾフィネーヌに雷のタムカンの魔法を唱えます。…女帝ゾフィネーヌの頭上にもくもく黒い雲が湧き、ピシャリと鋭い稲妻が光ります。

「そなた達は、…私を本気で怒らせてしまったのだ」

うるさいハエを追い払うよ〜に、女帝ゾフィネーヌは疾る雷の一撃を片手でかる〜く払いのけました…。

「そなた達は…、ただ叩き潰すだけでは私の気が治らん。…徹底的に心をへし折り、このきばで直に生き血をすすってやるとしよ〜。名誉であろ〜、…安心しろ。生まれて来たコトを後悔するまで苦しめてやる、ハ〜ハッハッハ!!」

そ〜宣告すると、女帝ゾフィネーヌは音も立てずに玉座から立ちあがったのです…。

 

どらねこクエスト〜はらペコ勇者の大冒険!!〜 その67

「え〜い、…しっかりしないと!!」

…頭を振って、聖戦士クリムは気を取り直します。神官マルミも立ちあがり…、「ねこの手も借りたいメイス」を強く握りました。

「2人とも大丈夫みたいね、離れてて…。風の精霊シルフよ、…アンタの力見せてあげな雷のタムカン!」

…もくもくと黒い煙が立ちのぼったかと思うと、たちまち一筋の稲妻がバーサーカーちゃんねこに疾ります。

「ど〜…、やった?」

片膝を紫のじゅうたんについたバーサーカーちゃんねこは、おもむろにむっくり立ちあがりました…。

「にゃぎゃ〜、…この程度じゃやられんタイ。…この借りは、77倍にして返すタイ!!」

聖戦士クリムも神官マルミも…、その光景に目をまるくします。

「スゴい体力だ、そ〜だ…。マルミ、…"ステンレスの丸盾"を貸してくれない?」

…「え、ゆいですケド」

聖戦士クリムのゆ〜コトが…、神官マルミには不思議でした。聖戦士クリムは「にくきゅう印の大楯を使いこなす体力があるのに、何故わざわざ一回り小さい「ステンレスの丸盾」に持ち換えるのでしょ〜…?

「"ステンレスの丸盾"なら、…ドルイドちゃんねこの理力を防げる。…どちらにしたってあのバーサーカーちゃんねこの攻撃は、盾では防げないよ」

神官マルミも納得出来ました…、そ〜なのです。神官マルミの装備してゆる「ステンレスの丸盾」は、ねこ女神「オー・ラロル」さまの祝福が備わっていて…。邪なる言葉を、…通しません。

…「バーサーカーちゃんねこの相手をするのは、マルミには少し危ない。だからぼくが引き受ける…、マルミはケレナと協力してドルイドちゃんねこを頼むよ!」

聖戦士クリムの提案に、神官マルミも魔女ケレナもうなずきました…。

「え〜い何をゴチャゴチャと、…さっさと降参するがい〜。…諦めて命乞いせよ、雷のタムカン!!」

玉座から響く…、女帝ゾフィネーヌの叫び。聖戦士クリム達勇者のパーティ一行は、急いでバラバラに散らばります…。女帝ゾフィネーヌの喚ぶ渦を巻く黒い雲から放たれた稲妻は、…紫のじゅうたんを焦がしました。

…「よぉ〜し改めてゆくよ、稲光の咆哮!」

稲妻をまとう聖戦士クリムは…、バーサーカーちゃんねこに勢いよく激突します。

「ぎゃにゃ〜、パワーなら負けんタイ…。力で、…押し返してやるタイ!!」

…二振りの斧をクロスさせて、「稲光の咆哮」をしっかり防いだ。バーサーカーちゃんねこは…、そのまま力任せに斧を振りあげました。

「そんなの百も承知さ、それっ…!」

素早いジャンプで飛び越えた聖戦士クリムは、…そのままバーサーカーちゃんねこの背後に着地します。

…「パワーはスゴいケド、スピードなら負けないさ。これならど〜だ…、"ねこキックの嵐"!!」

聖戦士クリムは、文字通り嵐のよ〜な…。目にも鮮やかな、…連続攻撃を繰り出しました。

…「ぎゃにゃっ、う〜んこうるさいヤツタイ」

バーサーカーちゃんねこが口で何とゆお〜と…、聖戦士クリムがスピードで圧倒したのは事実です。

「コッチも負けてらんないね、さぁドルイドちゃんねこ炎のヘクトム重ねがけだよ…!」

魔女ケレナのてのひらから炎の玉が二発飛び、…ドルイドちゃんねこを正確に狙いました。

…「結果は同じです学習しませんね、う〜さ〜ぎお〜いし〜か〜の〜や〜ま〜」

同じよ〜に「ふるさと」の理力で…、ドルイドちゃんねこは緑のバリアーを発生させます。

「こらドルイドちゃんねこ、油断大敵です…。万能な理力なんて、…ありませんから」

…そこを狙いすませて、神官マルミは駆け込みました。

「な、何〜…、これは厄介な」

「悪魔ねこのひとみ」を振りあげる間もなく、神官マルミは「ねこの手も借りたいメイス」でどるどちゃんねこを打ちます…。

どらねこクエスト〜はらペコ勇者の大冒険!!〜 その66

「にゃぎゃ〜…、やったるタイ!!」

二本の斧を振りあげてバーサーカーちゃんねこは、勇者のパーティにまっすぐ突撃して来ました…。

「よぉ〜し、…ぼくが受けて立つ!」

…聖戦士クリムは体の正面に「おおトロの剣」を構えて、バーサーカーちゃんねこを迎え撃ちます。

「愚か者め…、闇の精霊アーリマンよ。我に力を貸すがよい、ホルト・ルドランゴ…」

玉座に腰かけたまま女帝ゾフィネーヌが魔法の呪文を唱えると、…聖戦士クリムの周りに闇のロープが現れグルグル巻きに縛られてしまいました。

…「何だ、こんなモノ!!」

力任せに振り解こうと聖戦士クリムは全身に力を入れますが…、闇のロープはネバネバしてまとわりつきます。

「チッ、メンド〜なコトしてくれるジャン…。炎の精霊サラマンダーよろしく、…炎のヘクトム!」

…魔女ケレナは聖戦士クリムを援護しよ〜と、バーサーカーちゃんねこ目がけて火の玉を放ちました。

「ちっちっ…、甘いですねぇ。地震の悪魔ねこ"ナヤワ"さま、我ら魔物をお守り下さい…。う〜さ〜ぎお〜いし、…か〜の〜や〜ま〜」

…悪魔ねこの力で呪いの言葉を発する、ドルイドちゃんねこ。するとバーサーカーちゃんねこの周りに…、緑色のバリアーが生じます。魔女ケレナの放った火の玉は、ドルイドちゃんねこの「ふるさと」に不快な音を立て弾き飛ばされました…。

「ぎゃにゃにゃ〜、…いくタイ、ソニック・ストレングス!!」

…必殺の一撃を炸裂させる、バーサーカーちゃんねこ。

「足は自由なんだ…、それで充分!」

聖戦士クリムは、「ホルト・ルドランゴ」に体を縛られたままうしろにジャンプします…。しかしバーサーカーちゃんねこのソニック・ストレングスは、…ただ斧を振り下ろすだけではありません。…大理石の床を砕くその一撃は、衝撃波をも発生させるのでした。

「うわぁ…」、「ソニック・ストレングス」の衝撃波に煽られ聖戦士クリムはうまく着地出来ず倒れます。

「大丈夫ですか、クリムさん…。間に合って、…ぶんぶんぶんはちが飛ぶ〜」

…神官マルミは急いで、理力の誓言を歌いました。理力「ぶんぶんぶん」は…、異常な状態にある仲間をスッキリシャッキリさせる誓言です。闇のロープから解き放たれた聖戦士クリムは、すぐに立ちあがりました…。

「なかなかスゴい威力だね、…でも何でもないさ。…じゃあ、こっちからゆくよ!!」

聖戦士クリムは「おおトロの剣」を振りあげて…、バーサーカーちゃんねこに打ちかかります。

「単純なるバカ者は、操縦しやすいですね…。雷の悪魔ねこ"カミマル"さま、…あなたのお力をお借りします。…ぞ〜さんぞ〜さん、お〜はながながいのね」

指先から血のように真っ赤な光を輝かせるドルイドちゃんねこ…、すると聖戦士クリムは目がくらんでしまいよく前が見えません。

「う、う〜ん、頭がクラクラする…」

「にゃぎゃ〜ん、…こいつを喰らうタイ!」

…そこへすかさず、バーサーカーちゃんねこの二振りの斧が襲いかかりました。

「私が相手です…、どれだけ力に差があっても。決して逃げたりしませんから…」

神官マルミは出来るだけ勢いをつけて、…バーサーカーちゃんねこに体当たりします。…そしてそのまま、「ねこの手も借りたいメイス」でバーサーカーちゃんねこを打ちました。

「こ〜んなひよわな一撃…、蚊にでも刺された方がよほどかゆいタイ!!」

両腕をグルグル動かして、バーサーカーちゃんねこは神官マルミを攻め立てます…。

「何のこれしき、…キャア!」

…神官マルミは必死に防御しますが、とても耐え切れず思わずしりもちをついてしまいました。

どらねこクエスト〜はらペコ勇者の大冒険!!〜 その65

…「いただきま〜す!!」

聖戦士クリム、神官マルミ、魔女ケレナの3人は、…最後の戦いを前にしっかり朝ごはんを食べます。神官マルミが用意したメニューは、目玉焼き、あらびきウィンナー、レタスとトマトのサラダ…。それにフランス・パンとコンソメ・スープでした…、モチロン美味しかったのですが。…3人は黙々と食べます、その表情には決意が浮かんでゆました。

「ごちそ〜さま、…じゃゆこ〜か?」

聖戦士クリムの言葉に、神官マルミと魔女ケレナもうなずきます…。魔物達の見回り小屋をあとにすると…、勇者のパーティ一行は。…城壁に沿って歩きました、そして昨日雷の悪魔ねこ「カミマル」と死闘を繰り広げた。あの荒野に出て、…聖戦士クリム達は遂に城壁の中へと足を踏み入れます。

「誰もいないね…」

女帝ゾフィネーヌの城…、「マルトム・クルメ城」の天守はも〜すぐそこだとゆ〜のに。…魔物達の姿は全く見当たりません、聖戦士クリム達はまっすぐ天守に足を向けました。

「ここだね」、…「マルトム・クルメ城」の天守は固そ〜な鋼鉄の扉に閉ざされてます。聖戦士クリムは、大きな声で呼びかけました…。

「ぼくは…、キトランの村の聖戦士クリムだ。…女帝ゾフィネーヌに用がある、さぁこの扉を開けてもらお〜!」

すると鋼鉄の扉は、…ギリギリとこすれる音を立て開きます。

「よ〜こそ、わが主女帝ゾフィネーヌさまの治める"マルトム・クルメ城"へ…。勇者クリムさまと…、そのお仲間のみなさんですな。…ゾフィネーヌさまはもはや待ちくたびれております、中へお入り下さい」

姿を現したのは、…ドルイドちゃんねこでした。ドルイドちゃんねこは地獄の破壊ねこ"メギムトゥ"に仕える、恐ろしい暗黒神官です…。そのドルイドちゃんねこに案内されて…、勇者のパーティの3人は「マルトム・クルメ城」に入城しました。…「マルトム・クルメ城」はかつて3人の訪れた、大巫女サレムさまの治める。中央神殿よりも、…ずっと大きくて複雑に入り組んでいます。

「私も、正直どこを歩いているのかわかりません…」

道順を憶えるのが得意な神官マルミも…、あっすがにお手あげでした。…「マルトム・クルメ城」の中は魔物達でひしめきあっています、しかしどの魔物も聖戦士クリム達に襲いかかって来よ〜とはしません。何故なら魔物達は3人の勇者に怖れをなしていたのでした、…だから遠巻きに眺めてヒソヒソしているのが関の山だったのです。

「マジ、ウザいんだケド…」

イライラした魔女ケレナがにらみつけると…、魔物達はコソコソ逃げ出していきました。

…「ご足労をおかけしました、こちらが大広間です。こちらの大広間で、…ゾフィネーヌさまは勇者クリムさまとそのお仲間をもてなそ〜とお待ちでございます」

豪華できらびやかな装飾の施された扉を開けると、そこは大理石の床にあやしいむらさきのじゅうたんをしき詰めた広大な空間が広がっていたのです…。イチバン奥は高くなっていて…、階段が設られていました。…そのうえの玉座から、女帝ゾフィネーヌは聖戦士クリム達3人を見下しています。

「うむ、…ご苦労。勇者クリムも、わざわざ遠いトコロをご苦労であった…。今夜はそなた達をもてなす為に晩餐会を準備している…、モチロン我が配下の魔物達も出席するが。…ど〜か、気を悪くしないでいただきたいモノだ」

玉座から立ちあがった女帝ゾフィネーヌは、…声を高くしました。

「そのワインと料理だが、それはこれから用意する…。私自身の…、直々の手によってな!!」

…突然、女帝ゾフィネーヌは炎のヘクトムを放ちます。3人は身をひるがえしてかわすと、…それぞれの武器を構えました。

「フフフ、ハハハ…。そ〜だ今夜の晩餐会のワインと料理とゆ〜のは…、そなた達の血と肉だ!…そなた達は完全にやり過ぎてしまった、ただ息の根を止めるだけではもの足りん。お前達、…出て来るのだ」

女帝ゾフィネーヌの座る玉座の下の階段の前に魔法陣が浮かびあがり、そこからバーサーカーちゃんねこが現れます…。バーサーカーちゃんねこは地獄で最も力が強く…、両手で二本の斧を操るのでした。…そして先程3人を案内したドルイドちゃんねこも、「悪魔ねこのひとみ」と呼ばれるモーニング・スターを手にしています。

「先ずは余興だ、…3対3。ど〜だ、フェアなゲームであろ〜、食事の前の軽い運動にちょ〜どい〜…。せいぜい私のはらが空くぐらいは…、あがいて欲しいモノだ」

バーサーカーちゃんねことドルイドちゃんねこは、聖戦士クリム達の前に立ちはだかりました。

「そ〜そ〜命乞いをするなら今のウチだぞ、…みっともない醜態をさらせば。…特別に"メギムトゥ"さまに、お前達の血と肉を捧げてやろ〜。お前達にとってはこのうえもない名誉である…、さぁど〜したのだ?」

…聖戦士クリム、神官マルミ、魔女ケレナの3人は、もはや何もゆいません。ここまで来たらあれこれ語る必要はなかったし、…そんな気もなかったのです。3人は、激しく闘志を燃やしてゆました…。

どらねこクエスト〜はらペコ勇者の大冒険!!〜 その64

「ごめん、ちょっと待って…。アタシ…、も〜立てない」

…すっかり地面に座り込む、魔女ケレナ。

「どこかで少しやすも〜、…でも場所がなぁ」

聖戦士クリムは、頭をかきながら辺りを見渡します…。

「あっあそこはど〜でしょ〜…、さっきの魔物達の見回り小屋」

…手をポンッと打つ、神官マルミ。

「そ〜だねいってみよ〜か、…じゃあケレナぼくの背中におぶさって」

そ〜ゆうと聖戦士クリムは、背中のリュックを神官マルミに渡しました…。

「何ゆってんのクリム…、アタシそんなの絶対ムリ!!」

…魔女ケレナは、顔を真っ赤にして両手を振ります。

「何ゆってんの、…ケレナ。疲れた時はお互いさまだよ、誰も見てないんだし…」

魔女ケレナの前に…、聖戦士クリムはしゃがみました。

…「そ〜ですよ、ここじゃゆっくり出来ませんから。あそこなら、…"何か"食べるモノもあるでしょ〜」

「う…」

こ〜して聖戦士クリムは魔女ケレナをおぶり…、神官マルミは前後にリュックを抱えて魔物達の見回り小屋に歩いてゆきます。

…「あら意外、ケッコウ食材がそろってますよ」

魔物達の見回り小屋のキッチンを調べる神官マルミは、…嬉しそ〜な声をあげました。

「コッチは仮眠室みたい、あお布団も入ってる…」

キッチンの奥はたたみ張りの和室になっていて…、タンスを開けた聖戦士クリムはお布団を取り出します。

…「マルミ悪いケド、取り敢えずコーヒー淹れてくれない?」

イスに腰かけた魔女ケレナは、…そのままテーブルに突っ伏しました。

「ケレナさんが、コーヒー淹れるの人に頼むなんて…。初めてじゃないですか…、よほど疲れてるんですね」

…お湯を沸かしながら、神官マルミはついでにサンドウィッチをこしらえます。

「魔物達は戻って来ないみたいだし、…一晩ここでやすんでゆかない?ぼく、お布団干して来る…!」

聖戦士クリムは両手でお布団を抱え…、そのままお外へ出てゆきました。

…「さんせ〜、アタシは何でもゆいからとにかく横になりたい」

グッタリとした魔女ケレナは、…まるで青菜に塩です。ここで、少し時間が経過しました…。魔女ケレナはコーヒーを飲んでサンドウィッチを食べると…、そのまますぐ和室で横になります。…神官マルミはキッチンでお料理し、聖戦士クリムはパトロールがてら辺りを散歩しました。やがて、…日も暮れる頃。

「ちょっと早いケド、かんぱ〜い…!!」

勇者のパーティ一行は魔物達の見回り小屋で…、なみなみと注いだワイン・グラスをカチンとぶつけ乾杯します。

…テーブルにつく聖戦士クリム、神官マルミと魔女ケレナの前には、マルミが手間ヒマかけて煮込んだ。ビーフ・シチューと、…生ハムをスライスしたサラダが並びました。

「これ高級なワインですよ、年代モノだしお高いんじゃないですか…?」

神官マルミは…、しげしげとボトルを眺めます。

…「魔物達なんて、ど〜せ味なんてカンケーなんでしょ。だったらワインだって、…アタシ達に飲まれた方が喜ぶわよ。お酒はね、味わいのわかる本当の大人に飲まれたがってるの…」

すっかり元気になった魔女ケレナは…、グイッとワインをあおって飲み干しました。

…「うんそ〜だね、ホントのそ〜だ」

ワイン・グラスをクルクル回しながら、…聖戦士クリムは口を開きます。

「みんな、ここでしっかり元気をつけておこ〜…。明日は…、遂に最後の戦いだ。…きっと厳しい、激しい戦いになる。でも諦めず、…力いっぱい最後までがんばり抜こ〜!」

3人とも、わかっていました…。ここさえがんばり切れば…、あとはシアワセな日々が訪れると。

どらねこクエスト〜はらペコ勇者の大冒険!!〜 その63

「さぁ覚悟なさい、…これがねこ女神"オー・ラロル"さまのみ心ですよ!!」

…2体のソーサラーちゃんねこを、神官マルミは次々に「ねこの手も借りたいメイス」で打ちました。

「アイタ〜痛いやおまへんか…、ワテらをナめたらあきまへんで」

ソーサラーちゃんねこも、「スケルトンの杖」を振り回し抵抗しますが…。

「ゆ〜コト聞けない悪いコは、…もっとおしおきが必要です!」

…「ねこの手も借りたいメイス」と「ステンレスの丸盾」を駆使して、神官マルミはジリジリと押していきます。

「えぇい何てしつこいヤツだ…、これで決着をつけてやる!!」

雷の悪魔ねこ「カミマル」は、聖戦士クリムがあまりに強くたくましく成長してゆるのに焦り…。

雷攻撃を繰り出そ〜と、…魔法の呪文の詠唱を始めました。

…「マルミ、バリアーを借りるよ。マルミも…、早く中に入って!」

聖戦士クリムと神官マルミは、それぞれ手近な理力のバリアーに避難して伏せます…。するとすぐに雷の悪魔ねこ「カミマル」の喚んだ雷が、…広範囲に炸裂し嵐を巻き起こしました。…しかし神官マルミの造った「ふるさと」のバリアーに、当たっては弾けます。

「クリムさん…、まだいくつかバリアーは残ってます。カミマルだってそ〜何度も、雷は起こせないでしょ〜し…。残った"ふるさと"で、…間に合わせましょ〜!!」

…神官マルミの呼びかけに、聖戦士クリムも応じました。

「うんわかった…、カミマルも。かなり疲れてるよ、あとも〜ひと踏ん張りがんばろ〜…!」

2人の読み通り、…雷の悪魔ねこ「カミマル」は相当消耗しています。…そもそも雷の悪魔ねこ「カミマル」の得意な戦術は、パワーに任せて一気に押し切るとゆ〜モノ。こ〜ゆったなかなか決着のつかない長期戦は…、苦手だったのでした。事実、悪魔ねこ「カミマル」は肩で息をしています…。

「ぜぇぜぇちくしょうこんなハズはない、…アタイがこんな虫ケラみたいなヤツらに苦戦するなんて」

…その時、魔女ケレナの声が響きました。

「はぁ〜いみなさん…、お・ま・た・せ」

魔女ケレナは黄色のオーラをまとい、溢れ出す魔力で宙に浮かんでゆます…。

「この美貌と抜群のスタイルを併せ持つ、…天才魔女ネコミミケレナさまの。…最大最強のグレートな必殺魔法の、準備は万端よ!!ほらクリムもマルミも…、早くバリアーに入って」

動揺してバタバタ走り回る、2体のソーサラ〜ちゃんねこ…。

「カ、カミマルさま、…ワテら一体ど〜すれば」

…「うるさいね、私だって今考えてるんだよ」

悪魔ねこ「カミマル」は…、最後の力を振りしぼって雷攻撃を仕かけよ〜と魔法の呪文を唱え始めました。

「フフン今さらも〜遅い、覚悟しな"グランド・ドンゴロス…!」

魔女ケレナが叫ぶと、…グワッと大爆発が始まります。…爆発は大きくふくれあがり、何もかもを巻き込んでゆきました。悪魔ねこ「カミマル」も2体のソーサラーちゃんねこも…、城門も城壁も何もかもが砕かれ崩壊していきます。地面までが、まるで崩れるかのよ〜にゴ・ゴ・ゴと唸りをあげてゆました…。

「す、すごい爆発だ、…マルミは大丈夫だろ〜か?」

…「ふるさと」のバリアーの中で伏せながら、聖戦士クリムは神官マルミを案じます。爆発は少しずつ収まってゆき…、あとに残されたのはまるっきりの荒野でした。

「あ〜、つっかれた〜…」

魔女ケレナは、…その場にペタンと尻もちを突きます。

…「ケレナ、やったね!!」

「ケレナさんお疲れさま…、すごかったです」

魔女ケレナの元に、聖戦士クリムと神官マルミが駆け寄りました…。照れてほっぺたをかきながら、…魔女ケレナは本当のコトを告白したのです。

…「あのさアタシホントは、"グランド・ドンゴロス"って。使うの初めてだったんだ…、だからうまくゆくかど〜かわからなかったし。すごい緊張してたんだケド、ゴメン2人共黙ってて…」

聖戦士クリムも神官マルミも、…そろって首を横に振りました。

…「謝るコトないよ、スゴいじゃないかケレナ。初めてなのにあんなに大きな魔法…、やっぱりケレナは天才なんだね」

「そ〜ですよ、もしこのケレナさんの機転がなかったら…。この戦いに勝てていたかど〜か、…ケレナさんは本番に強いんですね」

…ヘトヘトな魔女ケレナでしたが、この2人と旅を続けて来て本当によかったと想ってゆたのです。