クリスマスの奇跡 7

シーン4 お春と新三の生活

こうして、お春と新三は結婚し、二人の生活は始まりました。しかし新三は、腹黒い男。誠意なんて、これっぽっちもありません。すぐに邪悪な本性をあらわし、お春をいじめました。


お春と新三、ちゃぶ台の前に座っている。新三、ちゃぶ台をひっくり返しながら。

新三「こんなまずい飯が、食えるか!こんな物、豚の餌だ!」

新三、お春を打ち。

新三「ちっ、面白くもない。てめぇは黙って、その豚の餌を片付けておけ。おれは、一杯飲んでくる。もし、戻ってくるまでに、きれいに片付いていなかったら、どうなるか見ておけよ。」


お春、寝ている。新三が、酔って帰ってくる。

新三「う〜い、いい気分だ。おうてめぇ、何をのんきに寝てやがるんだ!」

新三、お春の布団を引っぺがし、胸倉を掴んで。

新三「俺が家に帰るまで、起きて待っていろと言っただろう!ご主人様より、先に寝ちまうなんて、てめぇは番犬以下だ、このあばずれ!」

新三、お春を打つ。


お春、一人で泣いている。

お春「新三は、とんだ悪い男だった。こんな筈では、なかったのに…。私はもう、生きて呼吸するだけでも、苦しい。来る日も来る日も、こんな目にあうのだったら、もういっそ死んでしまいたい。」

荒々しく、戸を叩く音がする。

お春「また、私の憂鬱の種が、戻って来た。少しでも心が安らぐのは、あの男がいない間だけ。それでも、私の夫なのだから、愛想よく出迎えなければならない。はい、はい、お前さん、やっと帰ってきたのね。」

お春、驚いてたじろぐ。新三、見知らね女の肩を抱いている。

お春「誰だい、この小さい女の子は。もしかして、お前さんの隠し子かい?」

女「(アドリブ)」

お春「そうじゃないなら、まさかロリコン?」

女「(アドリブ)」

新三、荒々しく。

新三「誰が、俺に物を尋ねていいと言った?いいか、よく聞けよ。おれは、これからこの女と、一晩と言わず、二晩三晩、いや一週間でも、楽しい事をして過ごすんだ!」

新三、好色そうに女の方を見る。女、目を伏せる。

新三「だから、お前はそれが終わるまで、黙って家の外で待っていろ。それが嫌なら、とっとと出て行け!」

お春、泣きながら飛び出し。

お春「私には、もう耐えられない!」