ぼくの天才論

世間一般では、…いわゆる「天才」って非常にもてはやされるワケです。

John Coltraneとかね、彼はまぁ天才で。

作品を聴けば誰でもわかる通り…、華やかで目立つ存在。

これDJしてるとわかるんだけれど、じゃあJohn Coltraneみたいな「天才」の作品を並べればうまくゆくのか…?

そ〜でもないんだよね、…John Coltraneってのは定食に例えると「とんカツ」とか「ハンバーグ」みたいな存在なの。

…美味しいでしょ?インパクトあるし、でも一つの定食のお膳に。

「とんカツ」と「ハンバーグ」…、両方のってたら食べ切れないし。

「しつこいよね」ってハナシになっちゃう、だからやっぱりお漬物とか千切りキャベツとかも必要なのさ…。

Jazzに例えると、…Hank Mobleyなんてのはお味噌汁みたいなキャラクターで。

…地味なのハッキリゆって、でもやっぱり聴いてると落ち着くのね。

聴きやすいし…、Jazz評論家の後藤雅洋さんがすごくゆいコトを仰ってるんだケドさ。

John Coltraneは聴いてると疲れる」ってゆ〜の、これすごいなと想って…。

やっぱりDJしてみると、…「天才」の作品って聴いてて疲れるんだよ。

…「人生とは何か?」みたいな、テーマが難解で崇高だから。

そこへ来るとHank Mobleyなんて…、「今日はいい天気だから散歩して気持ちよかった」って感じの作風でしょ?

どっちも必要なんだよ、Hank MobleyとかJackie McLean、それにJohnny Griffinなんて中堅ドコロのハード・バッパーが散々ブロウしまくりんぐって…。

そこにJohn Coltrane御大が登場するから、…Showは面白くなる。

…改めて定食に例えると、中堅ドコロのハード・バッパー達はごはんでありお味噌汁でありお漬物なの。

じゃあ地味で目立たないから…、価値として劣るのか?

そんなコトないでしょ、そこに「とんカツ」がのっかってるから美味しいんじゃない…!!

ぼくが何をゆいたいかとゆ〜と、…新たなシーンとゆ〜のは確かに「天才」が切り拓くけれど。

…その大地をならして耕すのは、フォロワー達なんだよ。

だから「天才」だけじゃだめなの…、1950年代ぐらいのJazzがものすご〜く面白かったのは。

それ程才能がトンがってないフォロワー達ががんばったからなのさ、「天才」をありがたがるのもゆいけれど…。

ホントにカルチャーが盛り上がる為には、…そのあとに続く人達がどれだけバリエーションを形成出来るかにかかってる。

…要は支え合いなんだよね、「天才」なんて100万人に一人ぐらいで充分。

あとはもう自分の才能の限りを尽くして…、一生懸命シーンを盛り上げる。

「天才」じゃない、中堅ドコロがどれだけShowを盛り上げるのに一役買うか…?

それはぼくが前述した、…Jazz・ミュージシャン達を聴いてみてもらえれば。

…真に、「論より証拠」だから!