…ここは千葉県柏市にあるJazz bar「Jazz Giant」、17:00から店は開けてるがまだお客さんは来てない。
そろそろ1時間ばかり経ちそうな頃、…マスターはお店の扉に。
「貸し切り」と書かれたプレートを下げる、すると間もなくカランカランとベルが鳴り…。
1組の夫婦が入って来る…、席に着いた二人に「いらっしゃい」と声をかけ。
…おしぼりを渡す、二人はメニューを覗きながら。
「伸太郎達、…まだ来てないんだ」
とマスターに声をかける、…「あぁまだだね」
声を出しかけたトコロで、「こんばんわ…!!」
当の伸太郎と妻の民代が…、扉を開け中に入って来た。
…「マスターいつも無理ゆって悪いね、今日はこいつの誕生日なんだ」
伸太郎はベビー・バスケットを、…隣のテーブルに降ろした。
中では赤ちゃんがスヤスヤ眠ってゆる、お店の中では…。
それなりの大音量でJazzがかかってゆるが…、赤ちゃんは心地よさそうに寝息を立ててゆる。
…「ゆい曲を頼むよ、こいつにはJazzの英才教育を施さないと」
マスターは、…ニヤッと笑うと。
「ウチはいつもゆいアルバムしかかけないよ」、つぶやくよ〜にゆった…。
30分程経ち…、宴にはも〜1組の夫婦が加わる。
…お酒と料理が進み、だんだんと場が盛り上がって来た。
伸太郎は席を立つと、…「俺煙草吹かしてくるよ」と民代に告げる。
「あ、俺も…」
マスターもカウンターから出て来て、…二人連れ立ってお店の外に出た。
…「Jazz Giant」は、ビルの2階にあり階段を降りて裏手にある。
喫煙所…、とはゆっても裏通りに面したトコロに置いてあるただの吸い殻入れに過ぎなかったが。
「マスター悪いね、ホントは煙草吹かしたいでしょ…」
マスターは頷いた、…「そりゃそうさ」
…「俺は、自由に煙草吹かせるから自分のお店やってんだモノ」
伸太郎は…、も〜一度頭を下げる。
「Jazzは赤ちゃんにゆいだろうケドさすがに煙草はね、ホント申し訳ない…」
マスターは、…美味そ〜に煙を吐き出した。
…「まぁあんまり気にするな、これもサービスお仕事だよ」
伸太郎達がお店を借りてゆる時間は2時間…、も〜19:30を回る。
突然民代が席から立った、「みんなちょっと席を空けるわ…」
民代は、…ベビー・バスケットを手にして。
…マスターはすぐに気がつき、「あぁあれか」
とお店の奥から。
マスターお手製の…、木材を釘で打って組み立てた。
台をおトイレに運び込む、マスターはガタガタやって…。
狭いおトイレの便座の周りに脚を立て、…何とかカンとか台を据えつける。
…民代が下げてゆるベビー・バスケットからは、独特なにおいがもれてゆた。
民代はしばらくゴソゴソしてゆて…、やがて出て来る。
「殻は、こっちで預かるよ…」
マスターに、…レジ袋に入れてしばった「殻」を手渡す民代。
…「いつもありがとうマスター、こんなにしてもらっちゃってお礼のゆいよ〜がない」
マスターはレジ袋を片づけながら…、民代に。
「そのコが大きくなって、ウチのお店にたっくさんお客さんを連れて来てくれれば…。帳尻も合うだろう、…期待してるよ。」
…あれから、20数年が経ち。
相変わらず…、「Jazz Giant」は細々と営業を続けてゆた。
カランカラン、ベルが鳴り20代前半の青年がお店に入って来た…。
「あれマスター、…誰もいないジャン。…閑古鳥鳴いちゃってんじゃないの」
マスターは…、灰皿に煙草を揉みつぶす。
「黙ってろ悟、お前ウチの店で育ったんだろ…。その恩を、…忘れたのか」
…悟と呼ばれた青年の後ろから、小柄でおとなしそ〜な女性が扉を潜る。
「だから…、このお店をデート・コースに組み込んだのさ。この娘、大学の後輩なんだ…」
マスターは新しい煙草に火を点け、…その恋人を眺めて想った。
…「もしかしたら、あの木の台がまた必要になるかもわからんな」と。
テーマ…
「Train train(裏)」 Fat Smith
おまけ
こんにちは…、トンデモあた坊やです。
この物語は、Fat Smithさんの「Train train」に着想を得て執筆してゆます…!!
これまでは、…先に物語が合ってその演出の為に曲をつけてたんですが。
…これは順番が逆です、だからこのFat Smithさんによる「Train train(裏)」をよりお愉しみいただく為に。
曲に物語をつけてみたんですよ…、Fat Smithさんの「Train train」の曲もそ〜ですが特にこの(裏)のMVの感じが素晴らしい。
物語本編は、少しヴォリューム不足かな?とも想うんですが…。
この物語は、…基本的に本編を読んでいただいて。
…最後にFat Smithさんの「Train train(裏)」がかかる、その時にどれだけ心地よく聴いていただけるか?なので。
曲は間違いなくゆいですから…、あとはぼくの物語を書く腕前次第とゆったトコロ。
ちょっと風変わりな作詞みたいなモノだとお考え下さい、ぼくはFat Smithさんをと〜ってもリスペクトしてます…!