「オジさん…、一体何があったんですか?」
怯えてすっかり腰を抜かしている、ターバンを巻いた男をアーシャは助け起こしました…。
「お、お嬢さん、…連中はも〜ゆっちまったのかい?」
…アーシャは、安心してもらおうとにっこり微笑みます。
「大丈夫ですよ…、も〜みんなやっつけましたから」
男は気持ちを取り戻して辺りを見回すと、モンスター達は既にに倒れてゆました…。
「いや、…私にもワケがわからないんだ。…お坊さんが、托鉢をやってたから」
兵士さん達が続々と集まって来て…、アーシャに倒されたモンスター達を次々とお縄にかけていきます。
「それで、私はこれもご縁だろうと想って…。少しばかりお支払いしたんだよ、…そしたら急に目の玉を見開いて」
…ターバンを巻いた男は、よほど恐ろしいモノを見たのか。顔がまだ…、引きつっていました。
「"お前には、ワレラ星人さまの思し召しがあるだろうよ…"なんて呪わしく吐き捨てると、…急に"何か"の呪文を唱えて。…魔法陣から、モンスターを次々に喚び出したんだ」
その時…、集まってゆる兵士さん達の一人がアーシャに声をかけます。
「見たトコロ、あなたは旅のお方かな…?」
アーシャは、…立ち上がると振り返りました。
…「ええそ〜です、このオジさんをよろしくお願いします」
アーシャは立ち去ろうとしましたが…、兵士さん達の一人に呼び止められました。
「これ程の業をお持ちとは、ただ者とは想えませんね…。もしよろしければ、…お名前をお聞かせ願いませんか?」
…アーシャは少しためらいます、しかしやがてハッキリと。
「私はエスタハーンからやって来た…、アーシャとゆいます」
兵士さん達の一人は、ビックリして大きくのけぞりました…。
「エスタハーンのアーシャ、…つ、つまりそれは。…お、おいみんな、こちらのお方は伝説の勇者アーシャさまだぞ!!」
兵士さん達は…、ワラワラアーシャの前に集まると。
みんなで、一斉に平伏してしまいます…!
「まさか、…あの伝説の勇者アーシャさまが。…この港街ベリートにお越しとは知らず、と、とんだご無礼をつかまつりました!!」
あまりの事態に…、アーシャはちょっとポカンとしてしまいました。
「いや、私はそれ程の者では…」
そこへ、…ホレロを片手に担いだぺぺがゆっくり走って来ます。
「プイプイ」
「…いや〜、やっと片づいたみたいだね。それにしても…、ど〜したんだいこれは。みなさんで、何かの儀式でも執り行ってるのかな…?」
兵士さん達の一人は、…すぐぺぺにも気がつきました。
…「おぉ〜、コチラがアーシャさまのご相棒。MWに一匹しかいないとゆわれる…、青いぺぺろぐぅ殿ですなぁ」
アーシャ達の周りを、兵士さん達はぐるりと取り囲み…。
「伝説の勇者アーシャさまは、…まさしく戦の女神!…ぺぺ殿ともども、私達一同是非そのご栄光にあやかりたく何とぞ。一人々々と…、握手をお願い出来ませんか!!?」
「そうだゆいぞ、お願い致しますアーシャさま…!」
アーシャは、…少しドギマギしてしまいましたが。
…「私でよろしければ、喜んで」
と…、ぺぺと共に兵士さん達みなさんと。
一人々々、握手を交わしました…。