アーシャ南の大陸に舞う その4

「オジさん…、一体何があったんですか?」

怯えてすっかり腰を抜かしている、ターバンを巻いた男をアーシャは助け起こしました…。

「お、お嬢さん、…連中はも〜ゆっちまったのかい?」

…アーシャは、安心してもらおうとにっこり微笑みます。

「大丈夫ですよ…、も〜みんなやっつけましたから」

男は気持ちを取り戻して辺りを見回すと、モンスター達は既にに倒れてゆました…。

「いや、…私にもワケがわからないんだ。…お坊さんが、托鉢をやってたから」

兵士さん達が続々と集まって来て…、アーシャに倒されたモンスター達を次々とお縄にかけていきます。

「それで、私はこれもご縁だろうと想って…。少しばかりお支払いしたんだよ、…そしたら急に目の玉を見開いて」

…ターバンを巻いた男は、よほど恐ろしいモノを見たのか。顔がまだ…、引きつっていました。

「"お前には、ワレラ星人さまの思し召しがあるだろうよ…"なんて呪わしく吐き捨てると、…急に"何か"の呪文を唱えて。…魔法陣から、モンスターを次々に喚び出したんだ」

その時…、集まってゆる兵士さん達の一人がアーシャに声をかけます。

「見たトコロ、あなたは旅のお方かな…?」

アーシャは、…立ち上がると振り返りました。

…「ええそ〜です、このオジさんをよろしくお願いします」

アーシャは立ち去ろうとしましたが…、兵士さん達の一人に呼び止められました。

「これ程の業をお持ちとは、ただ者とは想えませんね…。もしよろしければ、…お名前をお聞かせ願いませんか?」

…アーシャは少しためらいます、しかしやがてハッキリと。

「私はエスタハーンからやって来た…、アーシャとゆいます」

兵士さん達の一人は、ビックリして大きくのけぞりました…。

エスタハーンのアーシャ、…つ、つまりそれは。…お、おいみんな、こちらのお方は伝説の勇者アーシャさまだぞ!!」

兵士さん達は…、ワラワラアーシャの前に集まると。

みんなで、一斉に平伏してしまいます…!

「まさか、…あの伝説の勇者アーシャさまが。…この港街ベリートにお越しとは知らず、と、とんだご無礼をつかまつりました!!」

あまりの事態に…、アーシャはちょっとポカンとしてしまいました。

「いや、私はそれ程の者では…」

そこへ、…ホレロを片手に担いだぺぺがゆっくり走って来ます。

「プイプイ」

「…いや〜、やっと片づいたみたいだね。それにしても…、ど〜したんだいこれは。みなさんで、何かの儀式でも執り行ってるのかな…?」

兵士さん達の一人は、…すぐぺぺにも気がつきました。

…「おぉ〜、コチラがアーシャさまのご相棒。MWに一匹しかいないとゆわれる…、青いぺぺろぐぅ殿ですなぁ」

アーシャ達の周りを、兵士さん達はぐるりと取り囲み…。

「伝説の勇者アーシャさまは、…まさしく戦の女神!…ぺぺ殿ともども、私達一同是非そのご栄光にあやかりたく何とぞ。一人々々と…、握手をお願い出来ませんか!!?」

「そうだゆいぞ、お願い致しますアーシャさま…!」

アーシャは、…少しドギマギしてしまいましたが。

…「私でよろしければ、喜んで」

と…、ぺぺと共に兵士さん達みなさんと。

一人々々、握手を交わしました…。