夜が明けて、…タマラン村の村長のおウチはすぐにアーシャの花嫁準備に使われました。…男性陣お断り、とゆ〜コトでホレロも村長もぺぺまでもが外に放り出されてしまいます。
「ど〜も…、これはタイヘンなコトになってしまった」
ホレロは、お気に入りのパイプを取り出すと火を点けました…。
「珍しい香りですな、…それはそ〜と。…まさか、アーシャさまはまだご結婚なされていますまいな」
村長は…、心配気にホレロに尋ねます。
「東の大陸で作られてる煙草でして、私のお気に入りなんです…。アーシャならまだですよ…、それが何かお気になるコトでも?」
…ぷかぷか煙を吐き出しながら、ホレロは答えました。
「ならゆいのです、…もしご結婚なさってゆるなら。いくら村の為とはゆえ、こんなコトはさせられませぬから…」
村長は…、安堵して胸を撫で下ろします。
「いやいや、むしろ想い人の一人もいなくては…。アーシャはゆい娘なのは間違いない、…伝説の勇者としての責任もある。…とはゆえ、ぺぺ何か知らないかい?」
「プイプイ?」
と、首を傾げたぺぺ…。
その時です…、村長のおウチから花嫁姿に身を包んだアーシャがしずしずと姿を現しました。
…「おぉ〜(プイプイ!!)!」
ホレロ、村長、ぺぺの三人は、…そのあまりの荘厳な美しさに声をあげます。
アーシャの花嫁姿のテーマ…
「東京は夜の七時(インストゥルメンタル)」 小西康陽
純白のドレス、花かんむり、手にしたブーケ、表情はヴェールで覆われてゆる為ハッキリしません…。
「ど〜ですかみなさん…、アーシャさまの花嫁姿は。…立派でしょう、これが本当のご結婚ならどんなによかったか」
アーシャの着つけた、…村長の奥さんがあとから出て来ました。
「アーシャさま、このドレスは特別に縫った品でして…。スカートの部分は…、力を込めれば引き裂けます。…決して、戦いのお邪魔にはなりません」
アーシャは、…コクンとうなずきます。
それからしばらくすると、モンスター達を引き連れた僧が…。
サイクロプスの引く車に乗って現れます…、村長と村長の奥さんは出迎えると。
…「これらの品々は、この村に古くから伝わる。遠い異国のモノでしてな、…ご結婚をお祝いして。引き出物として、花嫁に持たせたいと想います…。いえいえ花嫁は…、ボヘムさまをお慕いするあまり。…じかにお渡ししたいと、よろしいかな?」
僧は、…地面にツバを吐きました。
「勝手にしろ、ジジイ俺は忙しいんだ…!!時間を取らせるな…、さぁゆくぞソーナ!」
…村長と村長の奥さんは、こ〜してまんまとアーシャに。
愛用の「カリフの剣」と「魔法の盾」を持たせるのに、…成功したのです。