アーシャ南の大陸に舞う その19

アーシャ達は、…ダンツを先頭に。…工作隊のペースに合わせ、ゆっくり山道を登ってゆます。

「そろそろ休憩しましょう…、まだ先は長いわ」

工作隊の職人さん達に無理をさせたくないアーシャは、提案しました…。

「そうじゃな、…急いでも始まらん。…ここは、じっくりゆくとしよう」

アーシャ、ぺぺ、ダンツ…、それから三人の職人さん達は。それぞれ、道端に座りやすみを取ります…。

「あれっ、…何の香りだろう?」

…荷物から水筒を取り出し、水を一口含んだアーシャは。とてもゆい香りがするコトに…、気がつきました。ところが、辺りには短い草は生えていても特にそれらし〜モノは見当たりません…。

「あっ、…ダンツさん?」

…ダンツは返事をしません、手を組んで瞑想してゆます。小さな炉にお香を焚いている…、ダンツ。

「プイプイ…」

ぺぺは、…「ダンツさんは修行中だから話しかけてはゆけませんよ」と。…アーシャに、注意したのでした。

「そ〜ね…、ごめんなさい。うっかりしてたわ…」

しばらくしてお香が燃え尽きると、…ダンツは立ちあがります。

…「そろそろゆこう、も〜充分やすんだじゃろ」

アーシャの鼻の奥に…、先程のお香の香りが残ってゆました。

「ダンツさん、さっきのお香は何の香りですか…?」

変わらない速度で歩く、…ダンツ。

…「あれは、スヌーヤ杉のお香じゃよ。わしは瞑想する時…、必ずあれを焚く。集中力が、高まるんじゃ…」

アーシャは、…「すごくゆい香りでしたよ」と伝えたかったのですが。

…「またダンツさんがおヘソを曲げたら」と思い、黙ってしまったのです。山道を登ってゆくと…、行く手に背の高い木々が見えて来ました。歩きながら、アーシャはダンツに質問します…。

「ダンツさん、…何故聖なる山アルクロドは。…神さまに守られてゆるハズなのに、ワレラ星人に攻撃を許してしまったんでしょうね?」

袖の中に手を通し…、両腕を組むダンツ。

「それは、現在ダオカーナ寺院で調査中じゃ…。そ〜なんじゃよ、…アルクロド山は神さまのお姿そのモノ。…神さまが、ワレラ星人に負けるコトなど。絶対に…、ありえんのじゃ」

ホレロのお話を、思い出すアーシャ…。

「ところが稲妻が落ち、…神さまの像は破壊されてしまった」

…ダンツは、アーシャにうなずきました。

「あの稲妻は…、ワレラ星人の宇宙船から発射されたビーム光線だったらしい。わしとしては、こんなコトは考えたくはないが…。わしら僧の中に裏切り者がいて、…誰かが手引きしたのかも知れんな。…ムッ、何の音じゃろう?」

ゴロゴロと地響きのよ〜な音が…、少し離れたトコロから鳴っています。

「いけない、あれがこちらに転がって来たら…!!」

とっさに、…駆け出すアーシャ。…その先には、巨大な岩を転がす2体のゴーレムがゆました。

「ダメ…、間に合わない。ぺぺ、お願い…!」

アーシャは、…ぴゅ〜いと口笛を吹きます。

…巨大な岩は下り坂に差しかかり、遂に工作隊目がけて転がり始めました。

「プイプイ!!」…、ぺぺは雄叫びをあげると。こちらに転がって来る岩に向かって、体当たりを喰らわせます…。

「プイプイ!」、…両手でげん骨を作り。…振り下ろすぺぺ、ぐわぁ〜んと大きな音がして。巨大な岩は…、粉々に砕けました。

「待ちなさい、逃さないわよ…!!」

逃げ出した、…2体のゴーレムにあっとゆ〜間に追いつくアーシャ。…そのウチの1体は、遅れて転びます。

「あなたの相手はあとでしてあげる…、待ってなさい!」

もはや逃げられないと悟ったゴーレムは、地面を叩いてアーシャを攻撃しよ〜とします…。しかしアーシャは、…ジャンプしてかわすとそのまま「下突き攻撃」をお見舞いしました。

「グワっ!!」…、ゴーレムはそのまま地面に倒れました。

転んでゆたゴーレムも立ちあがり、アーシャに向かってパンチを繰り出します…。

「そんなのわかりやすいの、…通用しないわそれっ!」

…アーシャは盾でパンチを受けとめると、懐に潜り込んで一本背負いを決めました。そして再びジャンプすると…、も〜一度「下突き攻撃」でやっつけたのです。