アーシャ南の大陸に舞う その26

山頂まで、…も〜少しのトコまで来てゆるアーシャ達。…空気も薄くなり、背の高い木ももはや見当たりません。ゴツゴツした岩場に…、短い草が点在しています。フと下を見るアーシャ、すると何と…。遥か彼方に小さくなった、…ダオカーナ寺院から出火し不吉な影が舞っていました。

…「ダンツさん、早く戻りましょう。でないと…、みんながみんなが!!」

アーシャは、動揺を隠せません…。

「恐らく、…モンスター達の襲撃じゃろうな。…持ちこたえられる、とゆいが」

アーシャの声に…、振り返って下を眺めるダンツ。

「何で、そんなに落ち着いてるんですか…。ゆくわよ、…ぺぺ!」

…口笛を吹こうと口に指を当てるアーシャ、とその腕を抑えるダンツ。

「情に流されてはゆかん…、アーシャ殿!!ダオカーナにも、戦力はある…。わしら僧達は、…みんな戦えるんじゃ!…それよりも、現在のわしらは。一刻も早く…、ザハスとワレラ星人を倒し。神さまの像を修復するコトじゃ、それさえ済めば全て終わるんじゃから…」

ダンツは、…敢えて厳しい口調でアーシャを戒めます。

…「でも、でも私は」

目に…、涙を浮かべるアーシャ。

「悔しいのは、わしも一緒じゃよ…。どちらにせよ、…ここからでは間に合わん」

…アーシャは、わっと大泣きしてしまいました。

「プイプイ」…、アーシャに「いこいこい〜こ」するぺぺ。

ダンツは工作隊と相談し、しばらくこの場でやすむコトにします…。アーシャの気分が、…戻るまで先へは進めません。

…それから、しばらくして。

「みなさん…、タイヘンごめんなさい。私、も〜大丈夫です…。却って、…時間をかけてしまいました」

…ダンツは、岩場から立ち上がりました。

「責めても…、仕方がないんじゃ。何、これから取り戻してもらうからの…」

ほのかに笑う、…ダンツ。

…アーシャの気持ちが落ち着くと、再び出発です。しかし…、周りは岩が多く。工作隊の資材車は、前に進めません…。

「モンスター達を警戒せねばいかんとゆっても、…これはさすがにぺぺ殿の力を借りなくてはな。…ぺぺ殿、お願い出来るか?」

「プイプイ」…、ぺぺにはお安い御用でした。両手で、ひょいと資材車を持ち上げると…。先まで進んで、…降ろします。

…「さすがの大力、アーシャ殿の旅を影で支えるだけはある」

ぺぺのパワーに…、ダンツもうなりました。そんなコトを繰り返して、少しずつ進みます…。

そして、…いよいよ山頂でした。…山頂には、2/3が崩れた神さまの像の上に一人の男が座っています。

「ザハス…、お主何故神さまを裏切ったんじゃ!!?」

男の顔を見るなり、叫ぶダンツ…。ど〜やら、…この黒い法衣に身を包んだ男こそ。…ザハスのよ〜でした。

「あなたが…、ザハスなのね?こんなコト今すぐ止めて、まだ間に合うわ…!」

アーシャの叫びに、…ニヤリと笑うザハス。

…「お前が、噂に名高い。伝説の勇者アーシャか…、私はお前などに用はない。私の目的は、ダオカーナ寺院と神などとゆ〜…。下らない存在への崇拝を止めさせ、…そこのダンツと名乗る虫けらを殺すコトだからだ」

…ザハスの言葉に、ダンツは驚いたよ〜です。

「わしを殺すじゃと…、お主の目的とわしに。何の関係が、あるんじゃ…!!?」

ザハスは、…ダンツの言葉に怒りで顔を歪めました。

…「何だと、白を切るつもりかダンツ?私は…、お前のそ〜ゆうトコロが気に食わん。だから、ネルムに気に入られるのだろう…」

神さまの像から、…飛び降りるザハス。

…「まぁゆい、力の差を思い知らせてやろ〜。ワレラ星人さまから賜った…、この魔人の姿でな!」

山頂全体が、振動し始めます…。

「みんな、…退がって!!…ザハスの相手は、私がするわ!ぺぺは…、みんなを守ってあげて!!!」

アーシャは、ぴゅ〜い♪と口笛を吹きました…。