山頂まで、…も〜少しのトコまで来てゆるアーシャ達。…空気も薄くなり、背の高い木ももはや見当たりません。ゴツゴツした岩場に…、短い草が点在しています。フと下を見るアーシャ、すると何と…。遥か彼方に小さくなった、…ダオカーナ寺院から出火し不吉な影が舞っていました。
…「ダンツさん、早く戻りましょう。でないと…、みんながみんなが!!」
アーシャは、動揺を隠せません…。
「恐らく、…モンスター達の襲撃じゃろうな。…持ちこたえられる、とゆいが」
アーシャの声に…、振り返って下を眺めるダンツ。
「何で、そんなに落ち着いてるんですか…。ゆくわよ、…ぺぺ!」
…口笛を吹こうと口に指を当てるアーシャ、とその腕を抑えるダンツ。
「情に流されてはゆかん…、アーシャ殿!!ダオカーナにも、戦力はある…。わしら僧達は、…みんな戦えるんじゃ!…それよりも、現在のわしらは。一刻も早く…、ザハスとワレラ星人を倒し。神さまの像を修復するコトじゃ、それさえ済めば全て終わるんじゃから…」
ダンツは、…敢えて厳しい口調でアーシャを戒めます。
…「でも、でも私は」
目に…、涙を浮かべるアーシャ。
「悔しいのは、わしも一緒じゃよ…。どちらにせよ、…ここからでは間に合わん」
…アーシャは、わっと大泣きしてしまいました。
「プイプイ」…、アーシャに「いこいこい〜こ」するぺぺ。
ダンツは工作隊と相談し、しばらくこの場でやすむコトにします…。アーシャの気分が、…戻るまで先へは進めません。
…それから、しばらくして。
「みなさん…、タイヘンごめんなさい。私、も〜大丈夫です…。却って、…時間をかけてしまいました」
…ダンツは、岩場から立ち上がりました。
「責めても…、仕方がないんじゃ。何、これから取り戻してもらうからの…」
ほのかに笑う、…ダンツ。
…アーシャの気持ちが落ち着くと、再び出発です。しかし…、周りは岩が多く。工作隊の資材車は、前に進めません…。
「モンスター達を警戒せねばいかんとゆっても、…これはさすがにぺぺ殿の力を借りなくてはな。…ぺぺ殿、お願い出来るか?」
「プイプイ」…、ぺぺにはお安い御用でした。両手で、ひょいと資材車を持ち上げると…。先まで進んで、…降ろします。
…「さすがの大力、アーシャ殿の旅を影で支えるだけはある」
ぺぺのパワーに…、ダンツもうなりました。そんなコトを繰り返して、少しずつ進みます…。
そして、…いよいよ山頂でした。…山頂には、2/3が崩れた神さまの像の上に一人の男が座っています。
「ザハス…、お主何故神さまを裏切ったんじゃ!!?」
男の顔を見るなり、叫ぶダンツ…。ど〜やら、…この黒い法衣に身を包んだ男こそ。…ザハスのよ〜でした。
「あなたが…、ザハスなのね?こんなコト今すぐ止めて、まだ間に合うわ…!」
アーシャの叫びに、…ニヤリと笑うザハス。
…「お前が、噂に名高い。伝説の勇者アーシャか…、私はお前などに用はない。私の目的は、ダオカーナ寺院と神などとゆ〜…。下らない存在への崇拝を止めさせ、…そこのダンツと名乗る虫けらを殺すコトだからだ」
…ザハスの言葉に、ダンツは驚いたよ〜です。
「わしを殺すじゃと…、お主の目的とわしに。何の関係が、あるんじゃ…!!?」
ザハスは、…ダンツの言葉に怒りで顔を歪めました。
…「何だと、白を切るつもりかダンツ?私は…、お前のそ〜ゆうトコロが気に食わん。だから、ネルムに気に入られるのだろう…」
神さまの像から、…飛び降りるザハス。
…「まぁゆい、力の差を思い知らせてやろ〜。ワレラ星人さまから賜った…、この魔人の姿でな!」
山頂全体が、振動し始めます…。
「みんな、…退がって!!…ザハスの相手は、私がするわ!ぺぺは…、みんなを守ってあげて!!!」
アーシャは、ぴゅ〜い♪と口笛を吹きました…。