…果たして、ザハスは正体を現しました!!ワレラ星人に魂を売ったザハスは、…巨大な心臓の周りに茶褐色の竜巻が渦を巻き。そこから長〜く伸びた両の腕、そして不気味に光る二つの瞳とゆ〜…。異形の姿です…、アーシャは悲しいと想いました。
…「ど〜したのだ、伝説の勇者とやら。かかって来ないなら、…こちらからゆくぞ!」
長い腕の片方を、アーシャに向けて伸ばし…。上空で手のひらを下に向けると…、そこから小さな竜巻を発生させるザハス。
…「このぐらい、何てコトないわ!!」
アーシャは、…バク転で難なくかわします。
「まぁ、今のは小手調だ…。お次は…、少し課題を難しくしてやろ〜」
…ザハスは、も〜片方の腕を伸ばし同じよ〜に小さな竜巻でアーシャに攻撃しました。
「それは、…通用しないってゆったでしょ!」
ダッシュして前にかわすアーシャ、トコロがそこにもう一本の腕が襲いかかります…。アーシャは…、地面を蹴って左によけます。
…「さぁさ、まだ続くぞ。次は、…ど〜だ」
そこにさらに、最初の腕が迫って来ました…。しかしそれを…、アーシャは前転でかい潜ります。
…「もしかしたら、あの手には攻撃が通用するかも知れない」
とっさにそ〜考えたアーシャは、…立ち上がると同時に跳ねあがり。長い腕の先端の手に、斬りつけました…。
「ギャッ」…、と叫ぶと腕を引っ込めるザハス。
…「フン、小賢しい真似を。だが、…私の力はこれだけではないぞ!!」
息を、吸い込み始めるザハス…。すると…、ザハスの本体の竜巻の周りに風が集まり。…放電して、稲妻をまといます。
「ゆくぞ、…伝説の勇者。これでも、食らえ…」
ザハスは、アーシャに向かってまっすぐに突進しました…。
「ずいぶん…、のんびりなのね。…私のスピードに、ついて来られる?」
素早く、…駆け出すアーシャ。そのうしろを、辺りの木々をなぎ倒しながら追うザハス…。ジャンプしたり前転したりを繰り返しながら…、どこかに弱点が無いか。…様子をうかがうアーシャ、「やっぱりあの巨きな心臓かしらね?」
しかし、…下手に手を出せばあの稲妻に巻き込まれかねません。「も〜少し、このままこ〜していよ〜」とアーシャは逃げの一手です…。
「いつまでも…、逃げられると思うなよゼー」
…アーシャは、ザハスの息があがり勢いが弱まったのを確認します。
「そ〜よね、…あなたのゆ〜とおりだわ!」
振り返ると、アーシャは全体重をかけて…。突きを繰り出しました…、バチバチッ!!…稲妻と竜巻の勢いにさえぎられて、決定打とはなりませんでしたが手応えはあったよ〜です。
「ウグっ」、…ザハスは、後ろに退がってアーシャから距離を取りました。
「ぐぐッ、おのれ私の邪魔をするのはダンツだけではなかったか…。い〜だろう…、とどめをさしてやる!」
…両の手のひらを揃えて、アーシャに向けるザハス。
「これが、…私の必殺技だ。格の違いを、よく味わえっ…!!」
ザハスの両の手のひらから…、まるで散弾銃のよ〜に…。た〜っくさんのかまいたちが、…突風と共に放射状に飛び出します。
…「くっ、これは」
アーシャは、…突風の勢いで身動きが取れません。そこに、大量のかまいたちがおそいかかりました…。
ズバッ…、ビシッ!
…盾で防ぐアーシャですが、全てを受け止めるワケにはゆきません。盾で覆われていない、…腕や脚に多くの激しい切り傷を負います。
「だ、大丈夫か、アーシャ殿…!!」
ぺぺに守られながら…、心配して叫ぶダンツ。
…「ヘーキですよ、ダンツさん。このぐらい、…何でもないです」
アーシャの言葉は、強がりでした…。確かに致命傷ではありませんが…、傷口はズキズキと痛みます。…このままではやがて、アーシャ最大の武器である。スピードが、…発揮出来なくなるでしょう。
「伝説の勇者よ、お前にはこの攻撃はかわせんらしい…。ど〜やら…、勝負あったな」
…ザハスはそ〜語ると、巨大な瞳をニヤリとさせました。