アーシャは、試しに前へ一歩踏み出してみます…。
「よし…、まだゆける!!」
…確信したアーシャは、「魔法の盾」を構え「カリフの剣」を一振りしました。
「来なさいザハス、…まだ決着はついてないわ!」
アーシャは、一喝します…。
「クックック…、ずい分威勢がい〜。…伝説の勇者などとはゆっても、その程度の力か。決着などいつでもつけられる、…どれも〜少し遊んでやるか」
片方の腕をアーシャのトコロまで伸ばしたザハスは、手のひらから小さな竜巻きを発生させました…。アーシャは…、走って走ってかわします。…そこに襲いかかる、も〜片方の腕。それをかい潜り、…ジャンプしよ〜とするアーシャ。
ズキッ、アーシャの体に痛みが走り…。アーシャは…、一瞬ひるんでしまいます。…そこに覆い被さる、ザハスの手のひら。「小さな竜巻きが来る」、…アーシャは想いましたが。ザハスは、手を引っ込めました…。
「フッ…、私はゆったハズだ。…まだ決着はつけんとな、そら逃げ惑うがい〜。何なら、…命乞いの一つでもしてみるか?」
「プイプイ…!!」
ぺぺは…、それを聞いて激昂します。…ザハスに向かって、ものすごい勢いで突撃しました。
「こうるさいヤツだ、…黙っておれ」
腕を伸ばし手のひらから小さな竜巻きを発生させるザハス、しかしぺぺの勢いはそんなコトでは止まりません…。
「ならば…、こ〜してやろう。…力で押し潰してくれる!」
ザハスは息を吸い込むと、…稲妻をまとって突進します。バキッ、っとぺぺとザハスは正面からぶつかりました…。
「プイプイ!!」…、押し合いは一進一退です。…がますますザハスは放電し、徐々に押し始めました。
「ぐおぉ、…全力でゆくぞ!」
遂に弾き飛ばされるぺぺ、しかしザハスも相当息があがったよ〜です…。
「ゼーゼー…、ようやくおとなしくなったか。…しかし油断は禁物だな、これでそこのダンツにまで余計なコトをされては。ど〜なるか、…伝説の勇者今こそ決着をつけてやる」
ザハスは両の手のひらを揃え、アーシャに向けました…。そして…、そこから放たれる突風と大量のかまいたち。
…「うっ、く」
突風と切り傷の痛みで、…全く身動きの取れないアーシャ。盾で防ぎ、致命傷はまぬがれますが…。腕や脚を細かく切り裂かれ…、アーシャはおしりから地面につきます。…少しずつではあっても、確実に流れる血。アーシャは、…頭がクラクラし始めてゆました。
「覚悟は出来たか、伝説の勇者よ…。お前の命は…、も〜一吹きでかき消えてしまうだろう。…神にでも祈るがい〜、所詮無力な存在である神にな」
両の手のひらを、…揃えるザハス。
「わしには、何も出来んのか…。ぺぺ殿もあんなに勇敢に立ち向かったとゆ〜のに…、わしは無力なのか。…ん、そ〜じゃ!!」
荷物から大慌てで巻き物を取り出し、…ダンツは急いでお経を唱えます。
「死ね、アーシャよ…」
ザハスの手のひらから…、突風が吹き荒れ始めた時。…ザハスの前に、立ちはだかるダンツ。
「ダンツさん、…だめっ!」
ところが、ダンツはザハスの前にしっかり踏ん張ってゆました…。
「アーシャ殿…、今わしの周りは"魔法の壁"に覆われておる。…しばらくは持ちこたえられるじゃろう、この隙にわしを踏み台にして。ザハス本体の竜巻きの中の、…心臓に一撃をお見舞いするんじゃ。さぁ、早く…!!」
ダンツの勇気に…、ザハスの怒りは頂点に達したよ〜です。
「…この虫けらめ、邪魔しよって。さっさと消え失せろ、…お前は私の」
最後の力を振り絞って、駆け出すアーシャ…。アーシャは…、素早くジャンプして。…ダンツさんの肩を蹴り、さらに高く跳びあがりました。
「バ、バカな、…私が敗れるとゆ〜のか?ワレラ星人め、話が違うではないか…!」
ザハス本体の竜巻きの上空をとったアーシャは…、そのまま剣を体の下に構え。…「下突き攻撃」で、ザハスの巨大な心臓を貫きます。
「グワッグワッ、…グワ〜!!!」
嵐の魔人は七色に輝いて爆発し、そのあとには元の姿に戻った…。
人間の…、ザハスが倒れてゆたのです。