アーシャ南の大陸に舞う その28

アーシャは、試しに前へ一歩踏み出してみます…。

「よし…、まだゆける!!」

…確信したアーシャは、「魔法の盾」を構え「カリフの剣」を一振りしました。

「来なさいザハス、…まだ決着はついてないわ!」

アーシャは、一喝します…。

「クックック…、ずい分威勢がい〜。…伝説の勇者などとはゆっても、その程度の力か。決着などいつでもつけられる、…どれも〜少し遊んでやるか」

片方の腕をアーシャのトコロまで伸ばしたザハスは、手のひらから小さな竜巻きを発生させました…。アーシャは…、走って走ってかわします。…そこに襲いかかる、も〜片方の腕。それをかい潜り、…ジャンプしよ〜とするアーシャ。

ズキッ、アーシャの体に痛みが走り…。アーシャは…、一瞬ひるんでしまいます。…そこに覆い被さる、ザハスの手のひら。「小さな竜巻きが来る」、…アーシャは想いましたが。ザハスは、手を引っ込めました…。

「フッ…、私はゆったハズだ。…まだ決着はつけんとな、そら逃げ惑うがい〜。何なら、…命乞いの一つでもしてみるか?」

「プイプイ…!!」

ぺぺは…、それを聞いて激昂します。…ザハスに向かって、ものすごい勢いで突撃しました。

「こうるさいヤツだ、…黙っておれ」

腕を伸ばし手のひらから小さな竜巻きを発生させるザハス、しかしぺぺの勢いはそんなコトでは止まりません…。

「ならば…、こ〜してやろう。…力で押し潰してくれる!」

ザハスは息を吸い込むと、…稲妻をまとって突進します。バキッ、っとぺぺとザハスは正面からぶつかりました…。

「プイプイ!!」…、押し合いは一進一退です。…がますますザハスは放電し、徐々に押し始めました。

「ぐおぉ、…全力でゆくぞ!」

遂に弾き飛ばされるぺぺ、しかしザハスも相当息があがったよ〜です…。

「ゼーゼー…、ようやくおとなしくなったか。…しかし油断は禁物だな、これでそこのダンツにまで余計なコトをされては。ど〜なるか、…伝説の勇者今こそ決着をつけてやる」

ザハスは両の手のひらを揃え、アーシャに向けました…。そして…、そこから放たれる突風と大量のかまいたち

…「うっ、く」

突風と切り傷の痛みで、…全く身動きの取れないアーシャ。盾で防ぎ、致命傷はまぬがれますが…。腕や脚を細かく切り裂かれ…、アーシャはおしりから地面につきます。…少しずつではあっても、確実に流れる血。アーシャは、…頭がクラクラし始めてゆました。

「覚悟は出来たか、伝説の勇者よ…。お前の命は…、も〜一吹きでかき消えてしまうだろう。…神にでも祈るがい〜、所詮無力な存在である神にな」

両の手のひらを、…揃えるザハス。

「わしには、何も出来んのか…。ぺぺ殿もあんなに勇敢に立ち向かったとゆ〜のに…、わしは無力なのか。…ん、そ〜じゃ!!」

荷物から大慌てで巻き物を取り出し、…ダンツは急いでお経を唱えます。

「死ね、アーシャよ…」

ザハスの手のひらから…、突風が吹き荒れ始めた時。…ザハスの前に、立ちはだかるダンツ。

「ダンツさん、…だめっ!」

ところが、ダンツはザハスの前にしっかり踏ん張ってゆました…。

「アーシャ殿…、今わしの周りは"魔法の壁"に覆われておる。…しばらくは持ちこたえられるじゃろう、この隙にわしを踏み台にして。ザハス本体の竜巻きの中の、…心臓に一撃をお見舞いするんじゃ。さぁ、早く…!!」

ダンツの勇気に…、ザハスの怒りは頂点に達したよ〜です。

「…この虫けらめ、邪魔しよって。さっさと消え失せろ、…お前は私の」

最後の力を振り絞って、駆け出すアーシャ…。アーシャは…、素早くジャンプして。…ダンツさんの肩を蹴り、さらに高く跳びあがりました。

「バ、バカな、…私が敗れるとゆ〜のか?ワレラ星人め、話が違うではないか…!」

ザハス本体の竜巻きの上空をとったアーシャは…、そのまま剣を体の下に構え。…「下突き攻撃」で、ザハスの巨大な心臓を貫きます。

「グワッグワッ、…グワ〜!!!」

嵐の魔人は七色に輝いて爆発し、そのあとには元の姿に戻った…。

人間の…、ザハスが倒れてゆたのです。