一人と三匹の西天取経の旅のテーマ…
「カウボーイ・ビバップより〜Bad dog no biscuits〜」 Seatbelts
三蔵法師とそのお供を務める孫悟空、猪八戒、沙悟浄の三匹は、…唐の都を出発し。西天へと、ありがたいお経をいただく旅の途中…。旅の途上で立ち寄ったおウチで…、亡くなったおじいさんをとむらう為のお経をあげる三蔵法師。
…「あ〜ぁ、全くヒマったらないゼ!!ウチのお師匠さまと来たら、…あんまり人がゆいモンだから。会う人会う人、頼みゴトを聞くハメになるんだ…!こんなんじゃ…、西天へ辿り着くのはは一体いつになるのやら」
…三蔵法師をおウチの外で待つ、三匹のお供の。孫悟空は、…はなくそをほじっては飛ばしました。
「そんなんゆうモンじゃない兄さん、西天への旅の途中で困ってる人の為に一働きする…。それだって立派な修行なのさ…、おとなしく待ってよ〜」
「ぶひぶひ、…困っちまうのはおいらのおなかだよ。ここのおウチの人達は、お師匠さまのご供養が終わったら…。おいらにお斎をくれるだろ〜か…、おいらの興味はそれだけさね」
…地面にで〜んと座った猪八戒は、自分のおなかをさすります。
「おい八戒、…ヒマだしすもうでも取ろ〜じゃないか?」
孫悟空は、ドシンドシン力強くしこを踏みました…。それを聞いた…、おウチの家族は「あれ地震かな?」と勘違いします。
…「ケッコウケッコウ、コケコッコー!!おいらは、…も〜はらペコなんだ。すもうなんて、トンデモない話…。それに…、兄貴はまたおいらをいじめて愉しも〜ってはら積りなんだろ〜」
…猪八戒は、プイッとそっぽを向きました。
「お前がそんなにゆ〜なら、…おれさま片手しか使わんよ。な、い〜だろ〜…?戦えば…、誰にも負けないおれさまだが。…この退屈って敵だけは、敵わないんだ。おれさまは、…すぐいらいらそわそわしちまって。悪い鬼や妖怪の、頭を一発引っ叩きたくなるってモンだ…!」
孫悟空は…、耳から如意棒を取り出すと。…ちょ〜どよい大きさに戻し、クルクル回します。そして、…ピタリとその先端を猪八戒に向けるのでした。
「わかったよ兄貴、やるよやるやる…。でも約束は守ってもらうよ…、兄貴は片手しか使わないんだからな」
…猪八戒は、そ〜ゆうとのっそり立ちあがります。
「よしゆいぞ、…それでこそおれさまの弟だ。じゃ〜、早速ゆくぞ…!!」
…「やるからには、おいらだって本気を出すからな。それッ、…それ!」
「二人共…、あとでお師匠さまに叱られるコトになるよ。…ぼくは、あっちゆってるからね」
少し離れた木の陰で、…座って三蔵法師から預かった。「法華経」の巻き物を広げ、読み始める沙悟浄…。孫悟空は片手で猪八戒を押したり引いたりしてますが…、しばらくするとも〜片方の手で。…頭の毛を一本引き抜くと、「変われっ」と唱えます。するとその一本の毛が、…孫悟空そっくりに変わり。代わって、猪八戒とすもうを取りはじめました…。
「いっひっひ…、これであのうすのろはど〜なるか」
「こらっ、…あなた達はさっきから。ドスンバタンと、外で何をやってるんだ…!!こちらのおウチは…、ただ今ご先祖さまのご供養の真っ最中なんだよ。…静かにしなくては、いけないじゃないか!」
孫悟空(身代わりですが)と猪八戒の、…騒ぎを聞きつけた三蔵法師が。おウチの中から飛び出して来ます、猪八戒は身代わりの孫悟空と組み合ったまま…。
「お師匠さま…、悪いのは兄貴です。…何しろ、ゆいだしっぺなんですから」
その瞬間、…孫悟空は「戻れっ」と唱えます。すると身代わりの孫悟空は、元の通り…。一本の毛に戻り…、孫悟空の頭に戻って来ました。
…「八戒よ、一人で騒ぐだけでもよくないのに。それを、…あ〜して黙って待ってる孫悟空の所為にするとは。二重によくないぞ、あとでお説教してあげるから待ってなさい…!!」
三蔵法師は…、そ〜告げるとおウチの中に戻ってゆきます。