西遊記〜一人と三匹の愉快な旅〜 その6

虎徹将軍、…こちらへ参れ!!」

…ここは蓮華堂、金角大王は配下の将軍の一人を喚び出しました。

「はっ…、金角大王さまここに」

隻眼の虎頭、虎徹将軍は現れて拳と掌を合わせます…。

「わしはお前に、…兵50を与える。…お前はそれらを率いて、すぐに出陣し三蔵法師を見事生捕りにして来い!」

金角大王の命に…、一度ひざまずき再び立ちあがる虎徹将軍。

「了解致しました、ただ今より出陣します…!!」

虎徹将軍は方天画戟を手に取ると、…妖怪達50体を従えて。…蓮華堂を、あとにしました。

「とてもじゃないが…、たった50の兵では。あの三匹のお供を、打ち破るのは無理だろ〜よ兄者…?」

金角大王に耳打ちする、…銀角大王

…「フン、それならばそれで構わん。たかだか…、将軍一体と兵50の命など安いモノだ。我らには、まだ300体からの兵がゆるのだから…。取り敢えず、…先ずは戦ってみなければ。…相手の実力が、実際にわからなければ作戦の立てよ〜もない」

金角大王は…、銀角大王の懸念をはなで笑います。

一方、こちらは山道をゆく一人と三匹からなる三蔵法師一行…。突然ピタリと歩むのを止める、…先頭を進む孫悟空

…「ど〜した兄者、う◯ちか?」

孫悟空は…、振り返って猪八戒の眉間を突きました。そのまま自分の荷物を地面に下ろす、孫悟空…。

「ここなら、…少しは開けてるし多少は見晴らしもゆい。…弟達ここに陣を張るぞ、荷物を下ろせ!」

それぞれの荷物を下ろした…、猪八戒沙悟浄は。おのおのの武器である、九歯のまぐわと降妖杖をてにします…。

「悟空や、…まだ妖怪達は姿形も見えないのに。…こんなに早くから、備えるのかね?」

竜馬から降りる…、三蔵法師

「ヤツらは、数が多いですから…。それに任せて、…必ず攻め込んできます。…もし狭いトコロで、はさみ撃ちにでもあったら。お師匠さまを守り切れませんから…、ちょ〜どゆい場所で迎え撃つんです。まぁお師匠さまは安心して、そこの木陰で"法華経"でも唱えていて下さい…」

孫悟空は、…猪八戒の方を向くと。

…「おい弟、お前ちょっと偵察にゆって来い」

と…、先の山道を如意棒で示しました。

「オイラ、も〜歩くのヤだなぁ…。それにどこに妖怪がいるのかわからないトコで、…たった一人なんて。…兄貴がゆったらゆいじゃないか、筋斗雲で一っ飛びだろ?」

猪八戒は…、座り込んで抵抗します。

「そりゃ、その方が手っ取り早いさ…。だけどな、…今は敵の出方がわからない。…だからおれさま、お師匠さまから離れられないんだ。わかったらさっさとゆって来い…、このうすのろ!!」

如意棒を振りあげて、おどかす孫悟空…。

「兄さん、…偵察だって悪いハナシばかりじゃない。…途中で木の実でもなっててごらん、全部一人で食べられるんだよ?」

沙悟浄の提案に…、猪八戒は九歯のまぐわを手に立ちあがりました。

「ぶひぶひ、そりゃゆいな…。じゃあ兄貴、…オイラちょっくら偵察にゆって来るゼ。…道中美味いモノに当たっても、分けてはやらないからな」

こ〜して、猪八戒は九歯のまぐわ片手に偵察に一匹で出発します…。