西遊記〜一人と三匹の愉快な旅〜 その9

孫悟空沙悟浄を乗せた筋斗雲は、ぐんぐん空を飛び。あッとゆ〜間に、…妖怪の陣地へ到着します。

「なぁ弟、どいつが妖怪共の親分だと想う…?」

妖怪の陣地を見下ろしながら…、沙悟浄に尋ねる孫悟空

…「うん、ど〜だろねぇ。あっあいつじゃないかな、…体も一回り大きいし威張ってるから」

沙悟浄は、狙い違わずズバリ虎徹将軍を指さしました…。

「よし決まりだ…、アイツを最初にやっつけよ〜。…おれさま、先にゆくぞ!!」

沙悟浄に一言残すと、…孫悟空は筋斗雲を飛び降ります。

「ん、何の影だ…?」

虎徹将軍が異変に気づき…、空を見あげると。…そこには、孫悟空の如意棒が迫ってゆました。

ガツンッ!、…一切何も出来ずにノック・アウトされてしまう虎徹将軍。孫悟空は、如意棒を回転させ地面に突き立てると…。大きな声で…、名乗りをあげます。

…「やいやい、お前ら。このおれさまはな、…はるばる西天までありがたいお経を。受け取りにゆかれる三蔵法師お師匠さまの、一番弟子孫悟空だ…!!お前らこんな大勢集まりやがって…、ただではおかねぇからそ〜想え!」

…筋斗雲をゆっくり降下させ、ちょこんと降りる沙悟浄

「ぼくは、…三番弟子の沙悟浄だよ。ぼくも戦うから、覚悟してね…」

降妖杖を構える…、沙悟浄

…「ひ、ひ〜、虎徹将軍がやられてしまった」

妖怪達は、…まるっ切り逃げ腰でした。

「ばかモン、何を浮き足立っておるか…。敵は…、所詮たった二匹ぞ。…取り囲んで、袋叩きにしてしまえ!!」

他の妖怪より少し体の大きい、…馬の頭をした妖怪が敵に喝を入れます。これで妖怪達は、気を取り直し…。孫悟空沙悟浄の…、周りを包囲し始めました。

…「フン、そ〜来なくっちゃよ!こっちはも〜暴れる気になってんだ、…これだけがおれさまのお愉しみだからな」

孫悟空は、頭の毛を三本引き抜くと…。「変われっ」と唱えます…、すると三本の頭の毛は。…三匹の孫悟空に変身します(ただし如意棒は持ってません)。

「隊長、敵が敵が増えました…!!」

再び及び腰になる…、妖怪達。

…「おい、今さら逃げよ〜ったって遅いぞ。一体残らずやっつけてやる、…さぁゆくぞ!」

四匹のの孫悟空沙悟浄は、この大喝を合図に…。妖怪達に襲いかかります…、如意棒を手にした。…本物の孫悟空が先頭を切りました、本物の孫悟空がブーンッと如意棒を一振りすると。それだけで、…5体の妖怪をやっつけてしまします。

「ウキッ、オレたちも戦うぞキッキッ…!!」

頭の毛が変身した孫悟空達も…、始めは拳骨で。…やがてやっつけた妖怪から武器を奪うと、それを振り回して戦いました。モノの5分も経たないウチに、…妖怪達は20体以上が倒されてゆます。

「え〜い芭蕉扇だ、芭蕉扇を持てぃ…!」

部下とおぼしき妖怪にゆいつける…、先程の馬の頭をした妖怪。

…「はっ、ここに」

馬の頭をした妖怪は、…芭蕉扇を手にすると。大きく振り被りました…。

「者共…、退がれ退がれ。…この芭蕉扇で、全て焼き尽くしてくれる!!」

馬の頭をした妖怪は、…芭蕉扇を勢いよく振り下ろしたのです。