西遊記〜一人と三匹の愉快な旅〜 その15

「ど〜しちまったってゆ〜んだ、二人共戻って来ないなんて…。まさか妖怪達が…、大群で押し寄せて来てるのか!!?」

…自ら陣を張った場所で、ゆったり来たりうろうろ繰り返す孫悟空

「落ち着きなさい、…悟空。八戒や悟浄が心配なお気持ちは、私とて同じだよ…」

その時です…、突如若い女性の叫び声が響きました。

…「きゃ〜助けて、私が虎に襲われてるぅ!」

三蔵法師は、…ガバッと立ちあがります。

「ご、悟空、聞いたかね…!!?若い女性の叫び声だった…、助けを求めてゆる」

…こめかみを、ポリポリかく孫悟空

「"何か"おかし〜と想いません、…お師匠さま?"私が襲われてる"って、そんな余裕ありませんよフツーは…。おれさまの考えでは…、絶対妖怪のワナですね」

孫悟空に詰め寄る、三蔵法師

「確かに、…あなたのゆ〜通りかも知れないね。しかし、もし実際に若い女性が虎に襲われてゆたら…。ど〜なると想う…、もはやありがたいお経など何の意味もなくなってしまうよ!…荷物の類は、ここで竜馬に任せるとしよ〜。私も走るから、…是非ゆっておやり」

三蔵法師孫悟空は、声のする方へ走ってゆきます…。すると今にも…、虎が若い女性に襲いかかろ〜としてるではありませんか。

…「誰か助けて下さい、虎が今にも私に襲いかかりそ〜なんです!!」

悲しみの涙を、…ハラハラ流す三蔵法師

「悟空や、この光景をご覧…。こ〜して今にも…、尊い生命が失われかねないんだから」

孫悟空は、はなくそをほじってました。

「お師匠さま、…今にもって。最初の叫び声を聞いてから、お師匠さまとおれさまが到着するまで…。どれだけ経ってると…、お考えですか?」

…「ゆいから助けておやり!」

仕方なく虎のおしりを、…軽く引っ叩く孫悟空。虎は、「キャインッ」と鳴くとどこかへ逃げ去りました…。

「ありがとうございます…、孫悟空さま!!」

若い女性は、両拳を握り合わせ。熱心に、…孫悟空を見詰めます。

「悟空、あなたは一体何故返事をしないのかね…?」

改めて如意棒を構える…、孫悟空

…「おれさままだ名乗っていないじゃありませんか、それなのに名前を知ってるなんて。こいつは間違いなく妖怪で、…例の。"名前を呼ばれて返事をすると中に閉じ込められてしまう"、っつ〜紅ひさごを隠してるに決まってます…」

しかし若い女性は…、大して気にも留めない様子でした。

…「あなたのおかげで私の命が助かったんです、二枚目の孫悟空さま」

若い女性は、…ぐいぐい孫悟空に迫ります。

「悟空、確かにあなたのゆ〜通りかもわからない…。しかし人から名前を呼ばれたのに…、返事すらしないとは。…それでは、やはりありがたいお経も何の意味も持たないだろ〜」

少し、…イライラし始める孫悟空

「じゃあ、お師匠さまが為さったらゆいじゃありませんか…?おれさまは…、責任取りませんよ」

…その言葉を聞いて、若い女性は三蔵法師へ向きを変えました。

「私の命の恩人、…素敵な三蔵法師さま!!」

三蔵法師は、若い女性にうなずきます…。

「うんうんよかったね…、生命が助かっうわ〜!」

…あっとゆ〜間に、紅ひさごに吸い込まれてしまう三蔵法師。何とこの若い女性とゆ〜のはじょうろで、…三蔵法師を計略にかけたのでした!!じょうろは、すぐさまキツツキに化けると…。あッとゆ〜間に…、飛び去ります。

…「あっ待てこん畜生、逃さねぇぞ!」

筋斗雲に飛び乗り、…あとを追う孫悟空。しかしこの平頂山は、ゆわばじょうろ達のなわばり…。キツツキに化けたじょうろは…、木立ちの中に紛れまんまと逃げおおせたのでした。

 

悔しくて地団駄を踏む孫悟空のテーマ…

「Go easy now」 The Hellacopters

https://youtu.be/YTzQzqauayE