自分達の荷物と竜馬のトコロまで、…一人トボトボ戻って来る孫悟空。
…「なぁ竜馬、おれさまちょいと。みんなを助けにゆって来る…、お前は荷物の番をしっかり頼むぞ」
ひひーんっ、といななく竜馬…。
「あいつら、…このおれさまをこけにしやがって。…このままじゃおけない、全員やっつけてやる!!」
三蔵法師が筋斗雲に乗れませんから…、孫悟空も歩いて旅をしてゆますが。今はも〜そんなの関係ありません、孫悟空は筋斗雲に飛び乗ると…。平頂山の周りをぐるぐる回り、…蓮華洞をすぐに見つけ出します。
…「あの鉄の扉が、妖怪の根城の入り口だな。そんなのでこのおれさまを止められると思うなよ…、如意棒でブッ壊してやるぞ!」
しかし、孫悟空は不意に冷静に考えました…。
「待てよ、…もしこれでおれさままで捕まるコトがあったら。…何もかもが妖怪の思うがままだ、それにもしかしたらお師匠さまを人質に取るかも知れん」
蓮華洞の周囲を…、プカプカ筋斗雲に乗って漂う孫悟空。
「仕方ない、おれさまとしたら…。全く本意じゃないが、…あの金角・銀角大王が盗み出した、天の宝物の持ち主。…太上李老君に頭を下げるとするか。チッ…、面白くねぇな」
天の宮殿まで、筋斗雲をブッ飛ばす孫悟空…。
「よぅお歴々、…おれさまだ。…ちょっと太上李老君にご用事だ、通してもらうからな」
孫悟空は…、天の宮殿の門衛に声をかけました。
「おぉこれは孫悟空どの、一体どんな用事でござろ〜か…?まさか、…三蔵法師さまのおん身に"何か"危険でも」
…おなかの中で、苦い虫をかむ孫悟空。
「その通りさ…、おれさまの作戦ミスで。みんな妖怪に捕まっちまったんだよ、だから太上李老君にお知恵を拝借に参上つかまつったワケだよ…」
太上李老君の元に、…孫悟空は案内されます。
…「じ〜さま、元気でやってっか!!?」
太上李老君は…、縁側でひなたぼっこしながら。一人で、碁を打っておりました…。
「その声は、…悪猿じゃな。…何ぞ、また悪さを企んでのこのこやってきたのか?」
特にこちらには…、目を向けない太上李老君。
「辛気くせぇ趣味だな、せめて人と打てよ…」
孫悟空は、…太上李老君が一人で碁を打ってるのを揶揄します。
…「ふん、これでゆいんじゃよ。お主にはわからんだろ〜が…、人と打ってるとど〜にも気を遣ってゆかんのじゃ。昔はそれでも競うのが面白かったが、今はも〜一人で充分過ぎる…。ところで、…三蔵法師どのをお守りするお役目はど〜したのじゃ?」
…太上李老君に、現状を説明する孫悟空。
「つまり…、お主はわざわざ頭を下げて。このわしから、知恵を拝借しよ〜と…。そりゃ愉快じゃな、…ひょ〜っひょっひょ」
…孫悟空を、改めて正視する太上李老君。
「お主…、わしの肩をもんでくれ。何50回ほどでゆいわい、それもこれも三蔵法師どののお為じゃからな…。優しくじゃぞ、…ちっとでも痛かったら何も教えてやらんから」
…孫悟空は、悔しさに歯噛みしながら。太い上李老君の肩に…、手を添えました。