西遊記〜一人と三匹の愉快な旅〜 その18

孫悟空は筋斗雲に乗って、…平頂山の蓮華洞の近くまで戻って来ました。

…「そ〜ゆえば、カゴがど〜こ〜抜かしてたな。一応準備するか…、変われっ!!」

頭の毛を三本引き抜くと、孫悟空はそれぞれカゴとカゴを担ぐ2体の妖怪に変えます…。

「よしよし、…こんなモンだろ。…それじゃあとは、おれさまカゴに揺られてりゃゆいワケだ」

2体の妖怪の担ぐカゴに乗って…、蓮華洞の入り口を目指す孫悟空

「こ、これは、金角・銀角大王のお母さま…!!本日は、…一体どんなご用向きでありましょうか?」

…蓮華洞の入り口を守る妖怪は、武器を地に放り出して。化けた孫悟空に…、恐れ入って平伏しました。

「ホホホ、それはあなた達のよ〜な…。下っ端妖怪の知ったコトじゃございません、…さぁさっさと通すザマス!」

…金角・銀角両大王の前に、孫悟空は無事案内されます。

「おぉこれは…、これはお母さま。ど〜なされたのですか、我々から是非にお呼びしよ〜としたトコロへ…」

「私は、…聞いたザマスよ。…最近この平頂山を、三蔵法師とかゆ〜坊主が通るらしいわね?そいつをあなた達に取っ捕まえてもらって…、いただこうと思ってやって来たザマス」

銀角大王は、金角大王に耳打ちしました…。

「兄者、…今日のお母さまは"何か"ご様子がおかしくないか?…それに三蔵法師がここを通るなんて、どこで聞いたのか」

銀角大王の言葉に…、うなずく金角大王

「確かにお前のゆ〜通りだ、もしかしたら孫悟空が化けてるのかもわからん…。しかし証拠が無い、…もし本物なら許されん失礼を働くコトになるぞ」

…縛られてゆる、猪八戒沙悟浄に近づく孫悟空

「あらあなた達…、なかなか強そ〜じゃない?私のボディ・ガードになるなら、命だけは助けてあげるザマス…」

化けた孫悟空は、…小声で縛られた二匹にささやきます。

…「おい弟達、勘違いするな。おれさまだ…、助けに来たんだよ!!」

それを聞いた、猪八戒沙悟浄は声を合わせて懇願しました…。

「金角・銀角両大王のお母さま、…ど〜か生命だけはお許し下さい。…お師匠さまの生命も、西天のありがたいお経も。全て…、すっかり諦めますから」

化けた孫悟空は、金角・銀角大王に命じて猪八戒沙悟浄の縄を解かせ…。それぞれに、…それぞれの武器を与えます。

…「こいつらに武器をくれてやるのは、少々危険ではありませんかお母さま?」

ますます疑念を募らせる…、金角大王

「何をゆってるの、あなたったら…。もし私が、…孫悟空に襲われたらど〜するの?…この二匹だけじゃ、とても間に合わないザマス。ところで…、例の。三蔵法師って、坊主はどこザマスか…?」

銀角大王は、…困惑してゆいました。

…「それだけはなりません、お母さま。お母さまもご存知の通り…、孫悟空はまだ捕まっておりません。それまでは、念の為この奥に閉じ込めてあるのですよ…」

その時、…近くでやり取りを眺めてゆた。…じょうろが叫びます。

「こいつが…、その孫悟空よ。みんな見て、おしりが真っ赤っか…!」

舌を出すと空中で一回転し、…「戻れっ!!」と唱える孫悟空

…「しょ〜がねぇ、バレちまったか。そうよ…、おれさまこそ孫悟空!ど〜したお前ら、おれさまにへこまされないウチに…。お師匠さまを解き放て、…ゆっとくがおれさま気が短いぞ!」

孫悟空は如意棒を構えました、その両脇に。それぞれの武器を構えた…、猪八戒沙悟浄がピッタリと着いたのです。