「みんなゆくぞ…、よし突撃だ!!」
孫悟空率いる天の義勇兵10は、蓮華洞の裏側に回り込み…。乗って来た雲から降りると、…駆け出しました。
…「そ〜はゆかん、それ者共矢を射かけよ!」
そこに木々の間に隠れてゆた…、銀角大王の配下の妖怪達が矢を放って来ます。
「しまった、待ち伏せだ…!!みんな、…俺さまのうしろに回れ」
…如意棒を振り回し、飛んで来る矢を打ち落とす孫悟空。
「ふっふっふ…、我らの力今思い知らせてくれる」
正面からは、銀角大王配下の歩兵部隊が続々と迫って来ました…。
「孫悟空殿、…我らこの任に志願した時より。…もはや生命はないモノ、と覚悟を決めてございます。こ〜なったからには…、1体でも多くの妖怪を打ち倒し。華々しく、討ち死にしてご覧に入れましょう…」
孫悟空は頭の毛を三本抜いて、…「変われっ」と唱えます。…すると抜いた頭の毛は、三匹の孫悟空に変わりました。そして孫悟空と孫悟空の頭の毛三本…、それから天の義勇兵10は。銀角大王の歩兵部隊に、突っ込みます…。戦いが始まって、…まだ5分も経ってませんが。…銀角大王の配下の妖怪達は、既に30体は倒れてゆました。
「おいっ…、お前大丈夫か!?」
地面に片ひざを突き、剣で体を支える天の義勇兵に駆け寄る孫悟空…。
「何ともありません、…とゆいたいトコロですが。…情けない、体がこれ以上ゆ〜コトを聞きません」
(すべておれさまの所為だ)…、とゆ〜考えが頭の中をぐるぐる回る孫悟空。孫悟空は頭の毛を抜くと、「変われっ」と唱え…。倒れかかってゆる、…天の義勇兵の護衛に着けます。
…「えぇ〜い、お前ら。こんな少数の敵を相手に、いつまで手間取っておるか!!?」
攻めて来た孫悟空達の人数が…、思ったより少ないのを確認すると。銀角大王自ら、前面に出て来ました…。
「わし自身が決着をつけてくれる、…芭蕉扇で全て焼き尽くしてやるわ!」
…芭蕉扇を振りあげる銀角大王、その姿を見た孫悟空は勝利を確信します。
「銀角大王…、おれさまと一騎討ちで勝負しろ!!」
「おぅ、…お前は孫悟空だな。…誰がお前なんぞと、う、うわぁ〜!」
孫悟空の隠し持ってゆた…、紅ひさごに吸い込まれてしまう銀角大王。そ〜です、実は孫悟空はじょうろから紅ひさごを預かってゆたのでした…。
「お前ら、…とくと見ろ。…お前らの大将銀角大王は、とっくにこの紅ひさごの中だぞ!!」
「ゲェッ、まさか銀角大王さまが…!?」
銀角大王の配下の妖怪達は、…まだ50体弱残っていましたが。…銀角大王が囚われたコトで、総崩れになります。孫悟空達は…、妖怪を散々に追い散らし撃退したのでした。
「ど〜だ、みんな無事なのか…!!?」
天の義勇兵達を一箇所に集め、…点呼をかけると。…わずか三名が負傷しただけで、死者は出なかったのです。
「孫悟空殿…、あなたは敵に対しては苛烈だが。味方へは、ずい分律儀で義理堅いのですね…。あなたを大将に戦が出来て、…我らも光栄ですよ」
…「そんなんじゃね〜よ」
孫悟空は…、そっぽを向くと地面にツバを吐きました。