「よぅ思ったより時間がかかったな…、待ちくたびれたゼ」
猪八戒と沙悟浄が蓮華洞まで辿り着くと、孫悟空が待ってゆました…。二匹に、…事情を説明する孫悟空。
…「ってワケなんだ、それでお前達天の義勇兵はどのくらい残してる?」
すぐに…、点呼を取る沙悟浄。
「怪我をしたのが6人だね、兄さんはど〜だい…?」
孫悟空は、…頭の毛を元に戻しました。
…「おれさまのトコは3人怪我した、八戒お前は?」
ニヤニヤ答える…、猪八戒。
「オイラのは、みんな元気さ…。それより兄貴、…聞いておくれよ。…オイラ達は背後から奇襲を受けた、それをオイラが大活躍して」
「わかった、よしそれじゃ…。このまま、…蓮華洞に突入するぞ。…中は狭い、八戒、悟浄おれさま達が先頭に立つんだ。天の義勇兵達は…、当てにするな」
三匹の三蔵法師のお供と約40人の天の義勇兵は、蓮華洞の入り口に立ちます…。
「この竜一体何だ、…まさか生きてるワケでもあるまいに?」
…蓮華洞の入り口は、鋼鉄の扉で閉ざされており。石で出来た竜がそれを守るよ〜に…、立ちふさがってゆます。その石で出来た竜を、九歯のまぐわで引っかこうとする猪八戒…。すると、…石で出来た竜は口を開きました。
…「我こそは、天の契約により蓮華洞の入り口を。守る者なり…、ここを通る者は。我の出す、謎に答えねばならぬ…」
孫悟空は、…カッとなって思わず如意棒を振りあげます。…それを、慌てて止める猪八戒。
「兄貴…、まぁ待ちなよ。余計な戦いを増やして、天の義勇兵に犠牲が出たらど〜するんだい…?」
…「ゆいか、おれさまはな。こ〜ゆうもったいつけた話が、何より大っ嫌いなんだ。たかが竜じゃねぇか…、見てろよ?このおれさまと、どっちが強いと想ってる…!!」
しかし沙悟浄は生真面目な性格ですから、…石で出来た竜に尋ねました。
…「では石で出来た竜さん、あなたの出す謎とは何です?」
孫悟空の態度に少しびっくりした…、石で出来た竜でしたが気を取り直して答えます。
「うむ、では汝に問お〜…。世界の中心にゆる虫とは、…何か?」
…ざわめく、天の義勇兵達。
「世界の中心におわすのは…、やはり玉帝陛下ではないだろ〜か?」
「いやもしかしたら、この石で出来た竜はみ仏を指してゆってるのかもわからん…」
…「あんた達、この石で出来た竜は。虫だと尋ねてるんだよ…、そりゃあさそりに決まってる。何てったって、イチバン強いからな…」
その時稲妻のよ〜に閃いて、…沙悟浄の脳裏に答えが浮かびます。
…「わかった、答えは蚊でしょう!」
石で出来た竜は空高く舞いあがり…、蓮華洞の入り口は開かれました。
「すごいじゃないか弟分、でもど〜して世界の中心に蚊がゆるんだい…?」
猪八戒には、…答えを聞いてもちんぷんかんぷんです。
…「いや、そんなに難しい話じゃないんだよ。世界とゆ〜字を…、ひらがなで思い浮かべてご覧?せかい、の真ん中に、か、がゆるじゃないか…」
答えを聞いて、…カンカンに怒る孫悟空。
…「やっぱり、如意棒でブッ叩いて。へこましておくんだった…、そんなへ理屈が何だってゆ〜んだ!!」
石で出来た竜は、無事天に帰れて正直ホッとしておりました…。