西遊記〜一人と三匹の愉快な旅〜 その25

「よぅ思ったより時間がかかったな…、待ちくたびれたゼ」

猪八戒沙悟浄が蓮華洞まで辿り着くと、孫悟空が待ってゆました…。二匹に、…事情を説明する孫悟空

…「ってワケなんだ、それでお前達天の義勇兵はどのくらい残してる?」

すぐに…、点呼を取る沙悟浄

「怪我をしたのが6人だね、兄さんはど〜だい…?」

孫悟空は、…頭の毛を元に戻しました。

…「おれさまのトコは3人怪我した、八戒お前は?」

ニヤニヤ答える…、猪八戒

「オイラのは、みんな元気さ…。それより兄貴、…聞いておくれよ。…オイラ達は背後から奇襲を受けた、それをオイラが大活躍して」

猪八戒のほら話を…、無視する孫悟空

「わかった、よしそれじゃ…。このまま、…蓮華洞に突入するぞ。…中は狭い、八戒、悟浄おれさま達が先頭に立つんだ。天の義勇兵達は…、当てにするな」

三匹の三蔵法師のお供と約40人の天の義勇兵は、蓮華洞の入り口に立ちます…。

「この竜一体何だ、…まさか生きてるワケでもあるまいに?」

…蓮華洞の入り口は、鋼鉄の扉で閉ざされており。石で出来た竜がそれを守るよ〜に…、立ちふさがってゆます。その石で出来た竜を、九歯のまぐわで引っかこうとする猪八戒…。すると、…石で出来た竜は口を開きました。

…「我こそは、天の契約により蓮華洞の入り口を。守る者なり…、ここを通る者は。我の出す、謎に答えねばならぬ…」

孫悟空は、…カッとなって思わず如意棒を振りあげます。…それを、慌てて止める猪八戒

「兄貴…、まぁ待ちなよ。余計な戦いを増やして、天の義勇兵に犠牲が出たらど〜するんだい…?」

もがいて猪八戒を振り切ろうとする、…孫悟空

…「ゆいか、おれさまはな。こ〜ゆうもったいつけた話が、何より大っ嫌いなんだ。たかが竜じゃねぇか…、見てろよ?このおれさまと、どっちが強いと想ってる…!!」

しかし沙悟浄は生真面目な性格ですから、…石で出来た竜に尋ねました。

…「では石で出来た竜さん、あなたの出す謎とは何です?」

孫悟空の態度に少しびっくりした…、石で出来た竜でしたが気を取り直して答えます。

「うむ、では汝に問お〜…。世界の中心にゆる虫とは、…何か?」

…ざわめく、天の義勇兵達。

「世界の中心におわすのは…、やはり玉帝陛下ではないだろ〜か?」

「いやもしかしたら、この石で出来た竜はみ仏を指してゆってるのかもわからん…」

猪八戒は、…天の義勇兵達を笑いました。

…「あんた達、この石で出来た竜は。虫だと尋ねてるんだよ…、そりゃあさそりに決まってる。何てったって、イチバン強いからな…」

その時稲妻のよ〜に閃いて、…沙悟浄の脳裏に答えが浮かびます。

…「わかった、答えは蚊でしょう!」

石で出来た竜は空高く舞いあがり…、蓮華洞の入り口は開かれました。

「すごいじゃないか弟分、でもど〜して世界の中心に蚊がゆるんだい…?」

猪八戒には、…答えを聞いてもちんぷんかんぷんです。

…「いや、そんなに難しい話じゃないんだよ。世界とゆ〜字を…、ひらがなで思い浮かべてご覧?せかい、の真ん中に、か、がゆるじゃないか…」

答えを聞いて、…カンカンに怒る孫悟空

…「やっぱり、如意棒でブッ叩いて。へこましておくんだった…、そんなへ理屈が何だってゆ〜んだ!!」

石で出来た竜は、無事天に帰れて正直ホッとしておりました…。