再臨物語again〜春馬町より愛を込めて〜 その18

…にっこにこしながら、ときめきメモリアルを。取り出す勝美に、…良太は正直戸惑う。

ときめきメモリアルが好きなんだ、勝美さん…?」

良太は…、勝美が持って来てくれた。…Play stationで遊ぶ準備として、電源コードやAVケーブルを接続した。

「だって、…出て来る女の子がみんな可愛いじゃないですか〜?」

勝美のゆ〜コトは、良太にはよく理解出来ない…。と〜っても楽しそ〜に…、ときめきメモリアルのディスクをセットする勝美。

…「だって、主人公が女の子の為に。高校生活をがんばると、…女の子はそれだけ好きになってくれるんですよ」

理屈としてその通りであるが、「何か」が違う気がした…。

「それこそロマンチックさだと…、私は思います」

…勝美はコントローラーを握り、主人公に指示を出して。架空の青春をエンジョイする、…それがまぁ愉しそ〜なので。よしとする、良太である…。

(勝美さん…、それはしょ〜もないけれど。…そんなトコも、また可愛いんだよな)

二人で、…ひとしきりときめきメモリアルで遊ぶと。勝美は、今度は「パラッパ・ラッパー」をトート・バッグを引っ張り出した…。

「これが…、私がイチバン面白いと想ったT.V.ゲームです」

…これには、「おっこれは」と想う良太。パッケージのイラストやロゴが、…既に他のT.V.ゲームとは一線を画してゆる。

「これはですね、このパラッパくんを…。音楽に合わせて…、操作していくゲームなんですね」

ときめきメモリアルと入れ換えて、勝美は「パラッパ・ラッパー」をPlay stationにセットした。リセット・ボタンを押すして、…しばらくすると。軽快な音楽と共に、「パラッパ・ラッパー」のタイトル画面が表示される…。

「勝美さんさすがだね…、センスゆい」

…勝美は、良太の言葉にきょとんとしていた。

「自分の好きなT.V.ゲーム、…持って来ただけですよ良太くん」

ゲームが始まると、先ずはストーリーが流れ出す…。ふむふむ…、ど〜やらこのパラッパくんは。…ケンカに強くなる為、カンフー道場に通うつもりらしい。

(本当に、…ケンカ強いのは柔道だケドね)

それはさて置き、ゲーム本編が始まり…。勝美は…、玉ねぎ先生のお手本に合わせ。…キックやパンチを繰り出す、しかしそれがよくなかった。リズムにノる勝美に、…良太は催してしまう。

(ど〜しょう、"何か"気持ちよくなって来ちゃった…。いっそ…、このまま押し倒してしまお〜か?)

…幸い(?)今なら、ウチに誰もいないし。でもそんなん、…葛藤する良太。しかしこの、リズムよく刻まれる…。キック、チョップ、パンチは…、良太にとってたまらない誘惑であった。

…(ダメだ我慢出来ない、も〜こ〜なったら)

良太がしびれを切らせた時、…勝美は良太の方を振り返る。

「はい、今度は良太くんの番…」

振り返った勝美の表情に…、良太は自分への疑いが無いのを見て取った。

…「う、うん、演ってみるよ」

これには、…良太も勢いを削がれてしまう。良太は、「パラッパ・ラッパー」をあそびながら内心ひやひやだった…。

(こりゃあ…、今回は危機一髪だったな)

…パラッパくんを拙く操作する、良太を見つめてにこにこの勝美である。