再臨物語again〜春馬町より愛を込めて〜 その25

「まずいまずい…、このままじゃ間に合わないぞぅ」

大宮駅から発車した、湘南新宿ライン下りに揺られて…。良太は、…ただやきもきする。…ちょうど梅雨の季節で、大学生活にもアルバイトも。それなりに…、なじんで来た頃だ。

「もっとスピード出してくれても、構わないのに…。それにしたって、…そもそも大学までが遠過ぎるんだよ」

…ここまで約2ヶ月強、毎日のよ〜に。良太は大学に通うが…、乗り継ぎにしくじると。下手をすれば、2時間30分ぐらいかかってしまう…。だから、…今日のよ〜に一限目に。間に合わせよ〜とすれば。…朝5:00から起きなくてはならないのだ。

「あぁ神さま…、日本の人口が。現在からその半分になれば、こんなに電車混まないのに…」

そのうえただでさえ、…ジメジメうっとおしいこの時期に。…電車の乗車率は、当然100%を裕に超過している。良太のうんざりは…、ピークに到達しよ〜としてゆた。J.R.新宿駅で下車すると、今度は向かう先の京王線の…。乗車口から、…大量の通勤・通学客がドッと押し寄せて来る。

…「おれは、も〜ど〜にもならん。ど〜せ間に合わないし…、授業は午後からとゆ〜コトで」

良太は、そのままフラッと…。新宿の街に出てしまった、…とはゆえまだ9:00前だから。…どこのお店も開いていない、しばらく当てどもなく歩いてゆると。一軒のゲーム・センターが営業していた…、店舗は地下である。

「こんな時間からゲームやってる人いるんだ、大丈夫かいな…?」

当然、…自分もその一人に。なろ〜としてゆるのであるが。…何にせよ雨風さえしのげれば、と地下へ続く階段を降りていった。店内には、二、三人であるが…、お客さんがゆる。並んでいるゲーム機を眺めながら、店内をうろついていると…。良太が高校生の頃、…ずい分遊んだ「メタル・スラッグ」が置いてあった。

…「うわっ、懐かしい。そっか…、このお店古いゲーム揃えてんだな」

自動販売機で缶コーヒーを買うと、早速「メタル・スラッグ」に50円玉を投入する…。「セブン・スター」に火を点け、…缶コーヒーのプルタブを開けた良太。

…「おれこのゲームクリア出来るから、楽勝さね」

高校時代に散々遊んだ…、「メタル・スラッグ」だが。こ〜して再び向かうと、当時の悲喜こもごもが思い返されて…。何とも感慨深かった、…ゲームが始まると。…すぐに遊び方を思い出す、アクション・ゲームとゆ〜のは。だから廃れてしまったのだが…、慣れてしまえば。50円で1時間以上潰れる。煙草を吹かし缶コーヒーをすすり、何も考えず…。ひたすらプレイする1時間、…それは大学入学してから。…ずっと遠い通勤に追われてゆた、良太には至上の幸福であった。やがて最後の敵を倒し…、「メタル・スラッグ」はエンディングを迎える。

「まぁ、腕は落ちてないな…。おれも、…まだまだやれるってコトよ」

…お店の隅にあるカウンターでは、店員さんが。常連客っぽい人と話し込んでいた。このお店は…、そんなに口うるさくなかろ〜。そ〜判断した良太は、「メタル・スラッグ」のゲーム機の前に座ったまま…。も〜一本、…煙草に火を点ける。…ゲーム・センター特有の、何台モノゲーム機から発せられる。ガチャガチャとした喧騒が…、コトの他心地ゆかった。

(やっぱ古いゲームはゆいなぁ、おっ「XXミッション」あるジャン…)

良太は、…煙草の煙で真っ白になった店内に。…「XXミッション」を発見する、あれはクリアまではいかないが。相当先まで進めるから…、あれが済んだら。大学へゆこ〜、良太はそ〜想った。

 

梅雨の都心、早朝ゲーム・センターのテーマ…

「しんしんしん」 はっぴいえんど

https://youtu.be/MysJbvKOMbk