再臨物語again〜春馬町より愛を込めて〜 その33

「スパゲッティ・カルボナーラ二つ出るぞ、良太…」

キッチンから…、声をかける店長。…良太は急いで、カウンターに出された。スパゲッティ・カルボナーラを、…トレーにのせ片手で支え。お客さんの待つ、テーブルを目指す…。正社員の伊藤さんは…、レジで応対中だ。

…「お待たせ致しました、こちらスパゲッティ・カルボナーラになります」

二人組のお客さんのウチ、…左側の席に座る方が手をあげ。その前に、良太はスパゲッティ・カルボナーラのお皿を静かに置く…。良太がカウンターを振り返ると…、も〜一皿は正社員の伊藤さんが運んでくれてゆた。

…「いらっしゃいませ、ただ今テーブルを。ご準備させていただきますので、…少々お待ち下さい」

一人のお客さんが、新しく入店される…。しかし…、現在テーブルは空いてはいない。…手にしたトレーに、お客さんが使い終わった。コーヒー・カップとお皿をのせ、…急ぎ足で洗い場に持ってゆった。その間正社員の伊藤さんは、待っているお客さんにメニュー表を渡す…。

「お客さま…、よろしければこちらをご覧になってお待ち下さい」

…良太が大学を辞めて、既に三ヶ月が経った。現在の良太は、…アルバイトを主に毎日生活してゆる。週5日一日8時間の、いわゆるフルタイム・シフトだ…。

お客さんからの…、注文の品を。…取り敢えず、出し終わりちょっとほっとする。その時ちょ〜ど、…店長のかけてた。Ray Charlesの「Hallelujah, I love her so」の、…C.D.が停まった。ポケットから、初めて自分で作った…。Jazzのカセット・テープを取り出した良太は…、お店のオーディオに。…セットして、ドキドキしながら再生ボタンを押す。途端に、…呼び鈴が鳴りお客さんの待つ。テーブルの向かう、良太…。

「ご注文を繰り返させていただきます…、モンブランお一つとレア・チーズのケーキお一つで。…お間違いありませんね、では失礼します」

良太は、…端末からオーダーを送信した。すると、一組のお客さんが席を立つ…。レジでの接客は正社員の伊藤さんにお任せし…、良太はテーブルのあと片づけに向かった。…テーブルを片づけてる間も、自分の作った。Jazzのカセット・テープの出来が、…気になって仕方ない良太。

(ど〜なんだろ〜、まさか尋ねるワケにも…。ゆかないけれど…、感想を聞いてみたいモンだなぁ)

…周りのテーブルを、見渡してみると。お客さん達は、…各々おしゃべりに興じたり。ノート・パソコンと、難しい顔でにらめっこしている。仕あげに、ダスターでテーブルをキレイに拭くと…。お客さんの使い終わった…、コーヒー・カップやお皿を洗い場に運んだ。…すると、店長から声をかけられる。

「今のJazzは、…かけてんのお前か?」

うなずいて、良太は返事をした…。

「はいそ〜です…、自分で作りました」

…店長の目は、淹れてゆるコーヒーにまっすぐ注がれてゆる。

「選曲はなかなかだな、…だが流れは今イチだ。お客さんに聴いてもらうんだ、もっと練習しろ…」

思わず…、良太の負けん気に火が点いた。…ホールに戻ると、正社員の伊藤さんは。灰皿片手に、…煙草をもみ消している。

「Jazzなんて、おシャレだね…。やっぱ、…喫茶店はこ〜でないと」

…そ〜ゆうとレジに向かい、帰り支度を始めた。お客さんを…、待った。