再臨物語again〜春馬町より愛を込めて〜 その38

「お久し振りね良ちゃん、元気にしてた…?」

良太は約3年振りに…、お父さんのお姉さん。…久恵さんに会うコトとなった、この度娘さんの希望で。ディズニー・ランドに遊びにゆく為、…北茨城市から出て来て。そのついでに、良太達にも会う運びとなったのである…。

「アイス・ティー一つ…、お持ちしました」

…久恵さんが望んだので、お父さんと久恵さんと。良太は三人で「コーヒー庵」を訪れた、…今アイス・ティーを運んでくれたのは後輩の香織さんである。

「あらゆいお味じゃない、なかなか気の利いたお店…」

もちろん…、久恵さんは良太が。…この「コーヒー庵」でアルバイトしてゆると、知っているからだ。久恵さんは、…「良ちゃんのアルバイト先を実際にこの目で見たい」とたっての願いである。

「前にあった時は、良ちゃんまだ浪人生だったモノ…」

当たり前だが…、勝美さんについては。…良太は何もしゃべってゆない、ヘタに「何か」ゆえば。「実際にどんな方か会ってみたい」、…とかそんな話になりかねないのだ。

「私ね、去年から介護のお仕事してるの…。良ちゃん…、介護のお仕事興味ない?」

…「お待たせしました、アイス・コーヒーお二つお持ち致しました」

今度アイス・コーヒーを運んでくれたのは、…正社員の伊藤さんである。

「ずい分穏やかな物腰、あの方が良ちゃんの直接の上司かしら…?」

うなずく良太…、やはり正社員の伊藤さんの接客は一味違うのだ。

…「ちゃんとした環境で、アルバイトしてるのね良ちゃん。私少し安心したわ、…でもいつまでもフリーターでいるワケにはゆかないでしょ」

「いやそれは」、良太は心の中で想う…。現在の良太にとって…、何より大切なのは。…勝美さんや「コーヒー庵」のお客さん達が、本当にくつろげる。Jazzの「カセット・テープ」を作るコトであり、…それまでは他は二の次なのだ。

「介護のお仕事って慢性的に人手不足で、特に男手が…」

介護のお仕事に…、いかに男のたくましい力が必要か?を。…久恵さんは語る、列挙すれば切りが無いよ〜だ。そ〜ゆうお話なら、…自分の出番もあるかも知れない。良太は考える、力仕事ならお茶の子さいさいなのだから…。

「良ちゃん…、よく聞いてちょ〜だい。…介護のお仕事はツラいばかりじゃない、入居者さん達と。生活全般の時間を共有するから、…他のお仕事では味わえない。入居者さんとの間に育つ、深い信頼関係が生まれるの…」

久恵さんの話を…、半分上の空で聞く良太。…良太の知る介護のお仕事は、排泄のお世話をしなくちゃなんない。そのぐらいだ、…だが意識にはのぼらないが。久恵さんの語る、「信頼関係」とゆ〜言葉は…。良太の心の…、どこか奥の方にするりと入り込んでしまう。…もしかしたら、自分が人生で。も〜一度燃えられるとしたら、…そ〜ゆうコトの為かもわからない。フと、良太は思い出した…。そ〜だ勝美さんは…、保育士を目指しているんだった。…そしてそんな勝美さんを、自分は尊敬してゆる。それならば、…良太が介護士になったら。勝美さんは自分を、一人前の男として認めてくれるかもわからない…。ボンヤリとそんなのを…、思い浮かべる良太。…それでもこ〜思う、「まだ先のお話かな?」と。