再臨物語again〜春馬町より愛を込めて〜 その45

「あっ勝美さん、…おはぎあんがとね。…あれみんな、次の日には食べちゃった。すんごい美味しかったから…、またよろしくね」

勝美がおはぎを持って来た日から、翌翌々日と…。良太は「コーヒー庵」でアルバイトし、…明けて三日目の夜。…勝美さんに電話する、今日はアルバイトおやすみだ。

「勝美さん…、おれ介護士目指そ〜と想うんだ」

いつもの話題なら、「コーヒー庵」でのアルバイト中にでも…。携帯電話をかければゆいのだが、…良太は今回しっかりお話したかったのでやすみの日まで待ったのである。

…「えっ」

良太の告白に…、勝美の返事は止まった。

「おれさ、子供の頃ば〜ちゃんにものすごく可愛がってもらったんだ…。その恩返しが出来ないウチに、…亡くなっちゃって。…介護士になれば、ば〜ちゃん孝行になるかなって。あれ…、勝美さん泣いてる?」

受話器の向こうからぐずる音が聞こえ、気がつく良太…。

「うん、…ちょっと。…でも大丈夫です、悲しいからじゃありません」

勝美は…、嬉しかったのだ。確かに良太は、人一倍アルバイトをがんばっているし…。「コーヒー庵」で働くのに、…モチベーションも感じてゆるだろ〜。…でもそれは、良太にとって一生を捧げるお仕事ではない。出会ってから…、良太はいつも勝美に優しかった。でも、やっぱり男の人って…。志を立てて実現し、…そしてそれを誇りに胸を張ると。…勝美のイメージを説明すれば、そんな感じである。だから…、良太が一生を費やせる夢を見つけたコトに。勝美は、涙が溢れて悦びを感じた…。

「ど〜やら、…資格を取るには。…福祉の学校に3ヶ月ぐらい通うみたい、お金は。10万円ぐらいだね…、すぐには用意出来ないから貯金しないと」

良太は、高校時代に柔道で一度挫折を味わっている…。遊んでゆる今の良太だって、…勝美はイヤではない。…でも、「何か」に燃えている良太はもっとだろ〜と想うのだ。

「ごめんなさい…、でも良太くん優しいから。おじいちゃんやおばあちゃんも、きっと喜びますよ…」

勝美からホめられて、…良太も嬉しい。

…「そ〜かな、他にも理由はあるんだ。例えば…、ケッコウ介護士って力仕事あるみたいなんだよね。ほら、おれそ〜ゆうの得意だから…。女性が多いみたいだケド、…それならおれも少しはお役に立つかな?とか。…それに、勝美さんが保育士になったら。共通の話題が出来るんじゃないかな…、とかさ」

受話器片手に、うんうんうなずく勝美…。

「そ〜ですね、…お相手させてもらうのが。…乳幼児かお年寄りかの、違いだけですから。保育士も…、オムツ変えたりミルクあげたり。似てるかもわかりません、そしたら私も楽しいです…」

話しながら、…良太も勝美もずい分。…気分が盛りあがった、良太にしてみると。勝美さんに対して…、ずっと恥ずかしい想いがあるのだ。でも、それはも〜過去になりつつある…。