再臨物語again〜春馬町より愛を込めて〜 その67

「村田さ〜ん失礼します…、おムツ交換にあがりました」

時刻は朝9:00、今日の良太は早番である…。夜勤の介護士と早番の良太、それに日勤の安野さんで、…朝ごはんの介助とおトイレ介助を済ませ。…良太は早番の業務である、朝のおムツ交換に回った。良太も慣れて来てゆるので…、梅沢さんは既に終わった。

(あっこの臭いは、アレだな…)

決して香りに敏感ではない良太だが、…ここまでハッキリしてればわかる。…ベッドにねてらっしゃる村田さんの、毛布をめくると。

(これはまずい…、ど〜しよ)

便がおムツから溢れ、ズボンを汚しシーツまで達していた…。焦ってもど〜にもならない、…良太は深呼吸すると。…村田さんに一声おかけして、お部屋から出ると。替えのシーツと汚れモノを入れるバケツを…、取りにいく。

「じゃあ村田さん始めますよ、失礼します…」

お部屋に戻ると、…最初に村田さんに左右に転がってもらい。…村田さんの体とベッドのシーツの間に、何枚かの新聞紙をしいた。これはおムツ交換の際…、便でこれ以上ベッドやシーツを汚さない為である。それからズボンをぬいでもらって、そのズボンは汚れたモノを入れるバケツにしまった…。

(やっぱり、…想像した通りだ)

…おムツから便が溢れて、腰やふとももに達してゆた。良太は…、頭の中がグルグルするがとにかく一つずつこなそ〜と想い直す。「先ずはお体をきれいにいなくては」、良太はおしり拭きを何枚も使って…。村田さんの下半身に付着した便を、…ひたすら丁寧に拭い取っていった。…拭いてはバケツに捨て拭いてはバケツに捨てし(これは汚れたズボンをしまったバケツとは別のである)、おしり拭きを何枚使ったかもはやわからない。

(あそ〜だ…、新しいおムツを着けてもらう前に。新聞紙をキレイなのと代えないと、新しいおムツが汚れちゃう…)

村田さんにまた体を左右に転がしていただき、…汚れた新聞紙を新しくキレイなモノと交換した。…この時点で時間も30分ぐらい経過してゆて、良太の気持ちにも焦りがにじむ。その時だ…、村田さんのお部屋のドアがノックと共に開く。

「良太くん、ずい分遅いケド何かあった…?あっ何だ、…早く呼んでくれればゆいのに」

…安野さんは状況を確認すると、すぐにディスポをはめておムツ交換に参加してくれた。村田さんの体を安野さんに支えてもらって…、そのすきに新しいおムツと尿取りパッドを装着していただく。

「安野さんシーツも汚れてるんです、替えのシーツはそこに準備してありますから…」

二人で村田さんの体の向きを左右に変え、…一気にシーツを新しいのに入れ換える。…最後に新聞紙を抜き取れば、や〜っとおムツ交換終了だ。

「いや〜助かります安野さん…、ありがとうございまいした」

実際一人でやると5分も10分もかかるコトが、二人なら一瞬で出来てしまう…。

「良太くん、…今回みたい時は。…すぐ応援呼ばなきゃダメよ、一人で抱えても時間ばっかりかかるだけで。こっちも何かあったら逆に呼ぶんだから…、お互いさまでしょ」

良太はこ〜考えていたのだ、「もしこれが夜勤で一人だったとしたら…」もしそ〜なら、…一人で全部こなさなくてはならない。…だけれども、きっと安野さんのお言葉が正しいのだ。その鮮やかな手腕は…、今後の為にも参考になったのだから。