…「やぁ〜、これでど〜だ!!」
ゾンビちゃんねこを次々倒す、…戦士クリムと神官マルミ。ここはあの「福々軒」のあった海岸から、だ〜いぶ西に進んだトコロ。2人は大きなテルム大陸の東西を結ぶ、「シルク・ど〜ろ」を旅してゆました…。その途上で…、メイジちゃんねこのむれに襲われたのです。…戦士クリムと神官マルミを取り囲むメイジちゃんねこのむれは、次から次へとゾンビちゃんねこを喚び出しました。倒しても倒しても現れるゾンビちゃんねこに、…さすがの2人も疲れの色がうかがえます。
「ど〜しましょ〜クリムさん、これではキりがありませんね…」
「本当だ…、このままだとちょっとマズいな」
…背中合わせになって、戦士クリムと神官マルミは息を整えました。その間にも、…ゾンビちゃんねこはその数を増しています。
「な〜か〜ま〜にな〜れ〜、ゾンビ暮らしは楽し〜ぞ〜…」
決心する戦士クリム…、一か八かの突撃を敢行しメイジちゃんねこの撃破を試みるのでした。…戦士クリムは、背中越しに神官マルミにその作戦を打ち明けます。
「そんな、…危険過ぎます。クリムさんだって、タダでは済みませんよ…!」
「ぼくなら大丈夫…、それにこのままじゃ2人共危ない。…ぼくに任せて、マルミの"そ〜さん"が合図だよ」
大いに迷う神官マルミでしたが、…仕方ありません。この状態ではとても勝ち目はない、とわかり切ってゆたからでした…。
「わかりましたやってみましょ〜…、ぞ〜さんぞ〜さん」
…神官マルミがおしりを振り始めると、どこからともなく聞いたコトのない声が響きます。
「そこのお二人さん早く伏せな、…巻きぞえをくうよ!!」
「えっ…」
状況が飲み込めず…、神官マルミは呆然としていました。
…「マルミ、伏せるんだ!」
とっさに戦士クリムは、…神官マルミにおおい被さるよ〜に地面にうつ伏せになります。
「魔物どもくらいなっ、雷のタムカン…!!」
空に黒い雲がゴロゴロと渦巻き…、辺り一面に切り裂くよ〜な稲妻が何本も落ちました。
…「ぎにゃ〜んやっつけられちゃった、"メギムトゥ"さまごめんなさい」
メイジちゃんねこもあれだけゆたゾンビちゃんねこも、…アッとゆ〜間に全て方がついてしまいます。戦士クリムが顔をあげると、1人の魔女ネコミミ娘が立っていました…。立ちあがった戦士クリムは…、お礼をいお〜と左手を差し出します。
…「危ないトコロをど〜もありがと〜、ぼくは戦士クリム」
しかし戦士クリムの話をさえぎる、…魔女ネコミミ娘。
「そんなコトより、報酬のハナシしてもゆい…?今回の戦いは…、アタシが全部やっつけたんだから。…ヤツらの落とした362ムギ(お金の単位)は、全部アタシのモノで構わないわよね。ど〜、…文句ある?」
面くらった戦士クリムは、ど〜返事したモノかよくわかりません…。
「えっうん…、それはゆいんだケド」
…それを聞くと魔女ネコミミ娘は、それきりあいさつするコトもなく魔物達の落としたムギ袋を拾い始めました。それが、…神官マルミにはかちんと来たのです。
「あの失礼ですけれど、お名前をお教え願えませんか…?お礼も…、まだキチンと済んでませんし」
…本当に聞こえないのかそれとも聞こえないフりをしてるのか、魔女ネコミミ娘はこちらを振り向きません。
「あ、…の!失礼ですが、お名前を…!!」
魔女ネコミミ娘は…、長い髪をなびかせて振り返りました。
…「マジメンドくさっ、アタシの名前は魔女ケレナ。魔物達を狩る旅をしてる天才魔法使い、…ど〜これで満足!?」
そのゆい方が、また神官マルミの神経を逆なでするのです…。