どらねこクエスト〜はらペコ勇者の大冒険!!〜 その25

今晩のすき焼きのお肉とお野菜を…、神官マルミと魔女ケレナは買い出しに出かけました。

「…」

2人は並んで歩いてますが、…一つも口をききませんし目も合わせません。

…神官マルミは、歩きながらこんなコトを考えてゆます。

(なんでクリムさんは…、こんな失礼な魔女さんと旅をしよ〜とするんでしょ〜?確かに魔女さんは魔法を使いますから、ねこ女神"オー・ラロル"さまに仕えてるワケではありません…。だから私達神官や巫女さまとは考え方が違うんでしょ〜、…それは仕方ありません。…でもそれにしたって、もっと心がけの立派な尊敬に値する魔女さんだっていらっしゃるんじゃないでしょ〜か)

一方隣を歩く魔女ケレナは…、こんな風に思っていました。

(アタシは神官なんて大っ嫌い、善人ぶってお説教ばかりたれてさ…。あれをするなこれはやめろなんて、…アタシは自由に生きたいんだ。…アタシにとっては、好きなモノは好き。イヤなモノはイヤでそれは絶対…、それの何がいけないの?)

そんな2人の前に、魔物達が立ちふさがります…。魔物のむれの中身は、…ダークエルフちゃんねことばーばりんちゃんねこ2体でした。

…「現れましたね、さぁおしおきの時間ですよ!!」

「あ〜メンドくさ…、今そんな気分じゃないんだよね」

神官マルミは「ねこの手も借りたいメイス」と「セラミックの丸盾」を、魔女ケレナは「ビホルダーの杖」をそれぞれ構えます…。

今日は戦士クリムはいませんから、…2人の力だけで立ち向かわなくてはなりません。

…「アハハ、思い知りなっ!」

神官マルミに向かって…、ダークエルフちゃんねこは矢を放ちました。

「キャッ、つ、強い…」

「セラミックの丸盾」で何とか防御する神官マルミですが、…ダークエルフちゃんねこの放つ矢は。…想像以上に重く、弾き返しはしたモノの手がしびれてしまって力が入りません。そんな神官マルミの様子を…、魔女ケレナはだまって見てゆます。

「何なさってるんですか、早く魔法の呪文を唱えて下さい…!!」

首を横にかしげて、…魔女ケレナはいいました。

…「あれっ、アンタ助けて欲しいワケ。それならこれまでのおわびが必要よね…、誠意ってヤツ?」

魔女ケレナのゆい分は、神官マルミには信じられません…。普段の道中で仲良くは出来なくとも、…戦いの最中までいじわるするなんて信じられないと想ったのです。しかし…、魔女ケレナの余裕もそこまででした。ばーばりんちゃんねこが、2体とも魔女ケレナに向かって来たのです…。

「バカッ、…こっち来んな!」

…魔法の呪文を唱える間もなく、魔女ケレナは走って逃げ回りました。みなさんもご存知の通り…、ばーばりんちゃんねこはそんなに手強い魔物ではありません。それでも力の弱っちい魔女ケレナにとっては、マトモに戦える相手ではなかったのです…。

「観念しろ、…がお〜にゃ!!」

…2体のばーばりんちゃんねこは魔女ケレナが逃げ回るのを、面白がって追い回しました。ちょ〜どその頃…、ダークエルフちゃんねこが手持ちの矢を全て射ち尽くしたトコロです。

「マルミ、こいつらの足を止めてくれっ…。その間に、…魔法の呪文を唱えるから」

…しかし、神官マルミは。

「あの…、私ちょっと手がしびれちゃって。とてもとても、"ねこの手も借りたいメイス"なんて振れそ〜にありません…」

ギラギラした目で、…魔女ケレナは神官マルミをにらみつけました。…、果たして。こんなコトで本当に魔物達をやっつけられるんでしょ〜か?