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視覚的な音楽性について[水晶のドクロ]

「Seven Nation Army」 The White Stripes
 

物語ではないんですが、ちょっとした思いつきについて考えをまとめて記録しておこうと思い筆を執りました。

以前シーケンサーで作曲をしている時、スコア(の音符記号)を視覚的にデザインして配置し曲を書く事は出来ないか?と考えていたことがありました。
現在になって思い返せば、多分それはムリでしょう…。
ただそれでも、この"視覚的な音楽性"という発想・アイディア自体は面白いな!と心の中に留めておきました。
それから物語を書き始めて、最初はテーマをどう伝えるか?という技術にこだわっていました。
テーマをストーリーに織り込んでいくという作業を繰り返す内にそれが段々と自分の納得出来るモノになっていくと、次は文章表現が気になって来ます…。
文章というのは、当たり前ですが言葉・文字を連続させて構成します。
だからその意味を接げていって、ある種の説明を形造る行為を繰り返して行きました。
でも、ある時ちょっと気がついたんです。
言葉というのは、視覚的な音楽性を持っていると。
何て言えばいいんだろう…?
物語を文章で読む時、そこに書かれている言葉を目で見て確認しますよね?
その視認される言葉、つまり文字という「何か」はデザインとして人間の心にある印象をもたらすのではないか?と。
一つ一つの言葉・文字が読者の心に灯す「印象の火」を連ねていって、まるで幻燈のシンフォニーを奏でる…。
それがある時期から、ぼくが文章をデザインする際に目指している到達点になりました。
ぼくのブログを読んで下さってる方はもう既に知っていると思いますが、ぼくの文章は漢字・ひらがな。
カタカナと英語表記。
記号と、youtubeのサウンド等を使い分けて書いていきます。
個人的な雑感として、句点の使い方がずっと掴めずに苦労した思い出がありますね。
句点というのは、楽譜で言えば休符に当たります。
そして時間軸が一方向に連続している音楽という芸術ジャンルにとっては、リズムを作り出すのはこの休符…。
芸術というイメージを表現する創作活動に於いて、最も基本的であり且つまた最高の指針になるのがぼくはリズムだと考えています。
だから文章を構築していくにあたり、最もその表現の精度を高めてくれるのは"句点"であると、ぼくは結論を出しました。
物語の流れというグルーヴは、句点の打ち方で醸し出すのでしょう。
ちょうど、ギリシャのオリュンポス神殿に住まう神々の様に…。
少し、話が逸れましたね。
物語は、あくまで目で見て文章を読み進めるモノ。
ですから物語文学上の優れた文章表現とは、視覚から読者が思い浮かべる幻想としてのリズム・アンド・グルーヴではないでしょうか?
ぼくの作品は言葉・文字で奏でる、"想像"の音楽なのです…。
夢で流れる、言葉のシンフォニー。
この視覚的な音楽性というアイディアのインスピレーションは、John Cageの「Water Walk」という作品に端を発します。
後で動画をリンクしますので、ここでは細かく説明はしませんが…。
氏の「Water Walk」という作品は、楽器を殆ど用いない生活音とパントマイムの様な身体表現で物語を紡いでいくという画期的で斬新な音楽作品でした。
一切の言葉を語らないのにも関わらず、そこには叙情性豊かな小説がまるで朗読されているかの様です。
素晴らしい…。
感動しました。
John Cageの音楽のテーマは、非常にシンプルなんだ!!と思っています。
例えば有名な、「4'33"」…。
あれはつまり、「男は言葉で語らずに、背中で語るのが男らしい。」という事でしょう?
一般的に芸術のテーマは、それ程複雑ではない…。
それは家族で過ごす時間の大切さであったり、恋人を待つ電車のホームでの時間だったり…。
例えそれが宗教的なテーマであったとしても、毎日の日常の気分から乖離してはいけない。
何気なく空を見上げる瞬間と、神の偉大さを偲ぶ祈りには共通したノリがある。
それを結びつけていくのが、聖職者本来の仕事でしょう?
個人的には立派な信仰心を持つ方もいらっしゃるとはお見受けしますが、教会という社会勢力を形成した時そこには必ず権力への指向が内在し個性を殺そうとする…。
まあそれでも宗教的な"神の権威"は教会という社会集団にあるのではなく、個人的な信仰心にあるのですからね。
だって、イエスがそうだったでしょう?
そしてその道を歩みなさいと、彼は説いているのですから…。
ただし恋人に伝える愛の表現に無限のバリエーションがあるように、芸術とは技巧を凝らすモノだとは考えています。
ぼくの視覚的な音楽性というモティーフは、このJohn Cageの「Water Walk」の逆再生でした。
生活音とパントマイムからオペラの様に物語が書けるのならば、文章表現に寄って音楽が再生出来るハズ…。
そんなおもいつきで、毎日物語の文章をつづっています。
このコラムも、タイトルで示した通り「視覚的な音楽性」を奏でる技巧を尽くして執筆しました。
因みにかつて存在したTVゲーム・メーカーUPLの故・藤沢勉さんの駆使するテクニック、宗教的な啓示をエンターテイメント作品に面白可笑しく織り込んでしまうという手法もスゴいんですが…。
その話はまた、今度にしましょう。
楽しんでいただけたら、幸いです。
それでは、テーマ曲をお聞き下さい…。
ありがとうございました、失礼します。
 
テーマ曲…
「Water Walk」 John Cage
 

寸劇 かぐや姫

またまた、以前勤めていた施設のレク用の脚本です。
 
シーン1

昔々、ある所におじいさんが一人で住んでいました。

おじいさんは毎日、山に入って竹を取っていたのです。
それで、竹取の翁と呼ばれていました。
ある日おじいさんが山に行くと、ピッカピカにに光る竹があったのです。
おじいさん「何だろう、この輝きは…?どれ、切ってみるとしよう。」
かぐや姫「オギャー!アタシ、かぐや姫です。おじいさん、アタシを娘にして下さいな!」
おじいさん「おうおう、何て可愛らしい女の子だろう。よしいいよ…。ワシも、独り者だから。」
かぐや姫「ありがとう、おじいさん!アタシ、いい子にしますから!」
おじいさん「うんうん、じゃあこのカゴに乗りなさい…。」
かぐや姫「失礼します!だからよっこらしょ…。」
こうして、かぐや姫はおじいさんと一緒に暮らしました。
 
シーン2
かぐや姫はスクスクと成長して、とても美しい娘になりました。
だからかぐや姫と結婚しようと、沢山の貴族達が押し寄せて来たのです。
貴族1「私は、とてもイケメンです…。かぐや姫さん、私と結婚しましょうよ。」
かぐや姫「あなたは、アタシのタイプじゃありません!お断りします!」
貴族2「私は、とってもお金持ちでして…。かぐや姫さん、私と結婚しませんか?」
かぐや姫「アタシ、お金なんてキョーミありません!お断りします!」
貴族3「私は、とても偉いのじゃ…。かぐや姫、私と結婚しなさい。」
かぐや姫「アタシ、あなたみたいにエラそーな人はキライです!お断りします!」
かぐや姫は、どんな人がやって来ても断ってしまうのです。
おじいさんは、かぐや姫の将来を心配しましたがどうにもなりませんでした。
 
シーン3
かぐや姫が大人になったある十五夜の日に、かぐや姫はおじいさんに言いました。
「おじいさん、今まで育ててくれてありがとう!アタシ、ホントは月の都の姫なんです!だから、今夜月に帰ります!」
「おお、そうか…。誰かいい人がおるのだな。元気に暮らしなさい…。」
しかし貴族達は、大変に怒りました。
そして迎えに来た月の王子様に、武器を用意して立ちはだかったのです。
王子様「かぐや姫、迎えに来たよ…。」
貴族1「かぐや姫は、渡さない!」
貴族2「かぐや姫は、私の物だ!」
貴族3「かぐや姫に相応しいのは、私じゃ!」
王子様「かぐや姫の為だったら、ぼくは勇気を出して戦うぞ!えいっやあっ!」
貴族達「うわっ、やられたあ〜!」
かぐや姫「さようなら…、だから…おじいさん!」
おじいさん「達者でな、かぐや姫…。」
王子様「おじいさん、かぐや姫を大事にしてくれてありがとう!」
こうして、かぐや姫は月に帰って行きました。
 
シーン4
かぐや姫は月で幸せに暮らしていましたが、心配な事がありました。
かぐや姫「王子様!アタシがいないから、おじいさんは一人ぼっち…。…だから、かわいそうじゃありませんか!?」
王子様「ぼくも、そう思っていたんだ。よし!二人でおじいさんを迎えに行こう!」
かぐや姫と王子様は、おじいさんを迎えに行きました。
かぐや姫「おじいさん!これは、命の薬です。これを飲めば、アタシ達と月で暮らせます…。三人で、月で暮らしましょうよ!」
おじいさん「そうだのう…。ワシも独り者だし、何の未練もない。よし、命の薬を飲むとしよう!」
王子様「おじいさん!月の都は、おじいさんを歓迎しますよ!」
こうして三人は月の都に帰り、末長く幸せに暮らしたという事です…。
 
テーマ曲…「宵闇に月想」 TEPPAN
 
 

寸劇 七夕

例によって、以前勤めていた施設のレク用に脚本を書きました。
取り敢えず、アップしてみます。

 

シーン1
昔々ある所に、彦星という若者がおりました。
ある日彦星は畑から帰る途中、木にかかっている羽衣を見つけます。
彦星「何という美しい羽衣だろう…。持って帰って、宝物にしよう。」
それから何日かして、彦星の家の戸を叩く者がありました。
織姫「トントン…。私は、織姫。彦星さん、私の羽衣を帰してもらえませんか?あれがないと、天に帰れないのです。」
彦星「何と美しい娘さんだろう…。よし、決めた!織姫さん、あなたが私と結婚して私に尽くしてくれたら返してあげよう。」
こうして、彦星と織姫は夫婦になりました。
 
シーン2
彦星と織姫が夫婦になって、何年か過ぎました。
二人の間には子供も生まれ、幸せな日々を過ごしています。
子供1「母ちゃん!オラ、腹減ったー!」
子供2「アタシ、ハンバーグ食べたい!」
子供3「バブー!」
織姫「はいはい…。じゃあ今晩は、ハンバーグにしましょう。あら、あなた。お帰りなさい…。」
彦星「うん、ただいま。いつもありがとう、織姫。お前がいてくれると、とても助かるよ。」
しかし、ある日織姫は彦星が隠していた羽衣を見つけてしまいました。
織姫「これは、私の羽衣…。彦星たちのことは名残惜しいけど、私は天に帰ります。さようなら、みんな!」
こうして、織姫は一人天に帰ってしまったのです。
 
シーン3
織姫は天に帰りましたが、何となく気分が晴れません。
織姫「はあ…。彦星たちは、今頃どうしているかしら?」
天神さま「どうしたんだ、織姫や…。何か心配事でもあるのかね?天の神さまであるワシに、相談してみなさい。」
織姫「お父さん…。私は彦星たちに、会いたくて仕方がないのです。どうにかしてもらえませんか?」
天神さま「ウム、よくわかった。それでは、七夕の日まで待ちなさい。その日になったら、天の河に橋をかけてあげよう。そうしたら、みんなに会えるだろう…。」
織姫「ありがとうございます、お父さん!」
 
シーン4
さて今日は、待ちに待った七夕の日です。
織姫「今日は、久し振りに家族で過ごせるわ。早く彦星たち、来ないかしら!」
彦星「おーい、織姫!久しぶりだな。」
子供1「母ちゃん、オラ会いたかったー!」
子供2「アタシもよ、お母さん!」
子供3「バブー!」
織姫「まあ、あなた達…。私も会いたかったわ!」
彦星「俺たちは、仲良く暮らしているよ。お前はどうだい?」
織姫「私も、お父様と幸せに暮らしています。よかった、みんな元気で…。」
しかし、もうお別れの時間が近づいて来ました。
織姫「あなた、また来年もみんなで会いに来て下さいね!」
彦星「うん。七夕の日を楽しみにして、一年過ごすとしよう。また会おう、織姫!」
こうして、一年に一度。
七夕の日だけは、幸せに家族水入らずで過ごせるのでした。
 
テーマ曲「Hung Over 7」 The Martinis
 
 
 

ストライド・ストライカーズ・ストラグル-Astral Migration-

期待してくださった方、申し訳ありません。

ストライド・ストライカーズ-Astral Migration-」は、執筆する予定はないんです。
風邪引いて家でダラダラしてる時に、ヒマつぶしにツイッターで基本設定だけ公表した内容をまとめました。
思ったより言葉の響きが気に入ったので、取っとく事にしただけです。
因みにサブ・タイトルの-Astral Migration-は、訳すなら「星空の渡り鳥」ですかね。
 
「北京ダック」 細野晴臣
 
"星間連合軍"機動部隊「ゴースツ・トゥ・ヘブン」
旗艦・大型揚陸空母「マザー・テレサ
"時間がズレ、空間が歪む"二門の超大型レール・カノン「天使の微笑」を備えた新造大型艦。
他に、無線誘導型機動シールド衛星、エネルギー充填式の「ピンポイント・カヴァー"乙女の胸飾り"」を三基。
ごく短時間だけ敵のレーダー波を完全遮断するステルス装置「チューリップのつぼみ」を搭載している。
艦長は「ヘレン・マクドネル
チーフ・オペレーター「マナ・ホンダ」
整備班長「ヨナ・エリム」
 
艦載機"可変機構完備の戦闘機"「エレクトロ・ファントム」
("フローティング・ウォーカー形態"に可変可能)
通常兵装
自動追尾センサー搭載、全方位対応の「バルカン砲」二基
対人型・地上兵器用の30mmガトリング砲「マシンガン・ポッド」
小型ミサイル24発を搭載した「マイクロ・ミサイルランチャー」四基
 
"星間連合軍"では、現在「エレクトロ・ファントム」の後継機の開発途上である。
機体名は、「グラインド・ミラージュ」…。
装備その他については、現段階では試用期間段階であり本決定には至っていない。
同時に平行して、機動兵器対応中距離用巡航ミサイルスティング・レイ・アヘッド」の試用運転も開始された。
スティング・レイ・アヘッド」用の新型火器管制O.S.「スムース・テンダー・エンゲージ・フューズ」も開発が進められている。
テスト任務に当たるパイロットは、スティーヴ・ジョンストン中尉。
 
コロニー守備隊の使用機材で、「ゴースツ・トゥ・ヘブン」では「エレクトロ・ファントム」の援護砲撃を担当する中型の砲兵機体「ジャイアント・ステップ」
援護砲撃用の主砲「120mm大型レール・ガン」
対宙防衛攻撃用レーザー機銃「キャット・アイズ」四基
艦船攻撃用巡行ミサイル「フライング・ロータス」二発
 
補給用ユニット(有人シャトル)「リアクティヴ・バタフライ」
 
「エレクトロ・ファントム」「ジャイアント・ステップ」「リアクティヴ・バタフライ」によって構成される機動部隊「ゴースツ・トゥ・ヘブン」擁する三部隊
「バルドル」小隊
小隊長"レッド・ブル"(危険飛行で有名。)「マーカス・フランクリン」
「ヴァーリ」小隊
小隊長"ワイルド・バニー"(天才的な操縦技術を誇る。)「アレックス・フラナガン
「ヘズ」小隊"スタンドバイ・ミー"(指揮能力の高さに定評がある。)「ウィントン・アンダーソン」
 
「Summer Cunnibals」 Patti Smith
 
"聖母マリアの十字軍"「マザー・テレサ奪取作戦(作戦名オータムン・リーフ)」を任務とする師団「バスタード・ノミナクル艦隊」
巨人兵器「G.I.S.」
主兵装ビーム・ライフル(ジェネレーター直結型。撃ち尽くすと、機体が自壊する可能性がある。)
格闘戦に使用する電磁打擲兵器「ブラスト・ベアナックル
投擲する小型炸裂弾「フレアー・トリートメント」
片腕で使用する「リフレクター・シールド」(ビーム・ライフルと同じく、ジェネレーター直結。負荷が限界を超えると、ジェネレーターが破損する。)
「バスタード・ノミナクル艦隊」所属のエース
"暗黒騎士"カイアス・アルィ・トリスタント
ナヤハ専用「G.I.S.」"ブラック・リリー"
ブラック・リリー本体は、通常の「G.I.S.」と性能的に大差はない…。しかし様々な、新型試作兵器で武装している。
通常の3倍の威力を持つ、3点バーストのビーム・ライフル「スラム・ダンク」(後述の"ストラトスムスタング"用の追備ジェネレーターから、エネルギーを供給する。その為、フル・スロットル時は発射出来ない。)
格闘戦用の光学裂切兵器「ビーム・ソード"ユニコーンの角"」
宙間巡洋を想定した、戦艦並みの推進力の大型ロケット・ブースター「ストラトスムスタング」二基
 
 
「G.I.S.」を支援するA.I.による無人式攻撃衛星「アブストラクト」
主兵装「大口径ビーム・ガン」
副兵装「多弾頭ミサイル、ヘビー・ロウカスト」六発
 
 
アブストラクト」から射出・展開される自動追尾型機雷「サイレント・ストーカー」
 
大型宙間巡洋兵器「コミンテルン
広範囲に広がる拡散型ビーム・ランチャー「バースト・パラドクス」二門
多弾頭ミサイル「ヘビー・ロウカスト」32発
ワイヤー・アームによる通信小型衛星ビーム砲(別称:無線誘導式多角包囲連射砲座ユニット)「キラー・チューン」六基
対艦船用大型ビーム・キャノン「オーディン・ソード」
 
軌道宇宙要塞(巨大な隕石をくり抜いて建造された)「マグニフェンス・セブン」
 
「Zero」 Yeah Yeah Yeahs
 
ここは、星間連合軍の管理する工業用コロニー「ウェスト・ワン」…。
建造の急がれている、次期星間連合軍旗艦「マザー・テレサ」のテスト航行が行われようとしていた。
多くの人々から祝福の声をかけられながら、艦長ヘレン・マクドネル大佐は艦長の席に着いた。
ヘレン・マクドネルは的確な指示を出し、「マザー・テレサ」が今まさに浮上しようとしたその時!!
「敵襲だ!!」
マザー・テレサ」そして、「ウェスト・ワン」内に、警報機のアラームが鳴り響く。
聖母マリアの十字軍」の艦隊「バスタード・ノミナクル」が、工業用コロニー「ウェスト・ワン」に攻撃を開始したのだ。
「艦長!!"バルドル"小隊の隊長、マーカス・フランクリン大尉が出撃許可を求めています!」
オペレーターのマナが、ヘレンに報告する。
「許可は出せません…。"マザー・テレサ"は未だテスト航行前ですよ?実戦に参加する必要はありません。コロニー守備隊に、任せなさい。私達の任務は、この艦を司令部のあるコロニー"A.Y.B.C.S(And Your Bird Can Sing)"に送り届ける事なのですから。」
しかし、戦闘が終了する気配はない。
ヘレンにも、若干焦りが生じ始めている。
突如爆発音が、コロニー中に響き渡った!!
「バスタード・ノミナクル艦隊」の砲撃によって、工業用コロニー「ウェスト・ワン」の外壁に穴が開いたのだ。
修理に取り掛かろうとするスタッフを嘲笑うかの様に、「聖母マリアの十字軍」主力兵器「G.I.S」が数機侵入してくる。
再びマナが叫んだ。
「ヘレン艦長!!マーカス大尉より…、アッ、ダメよ!勝手な事しないで!!」
マザー・テレサ」の艦橋中のモニターに、マーカス大尉の顔が映った。
「よう、艦長!しのごの言ってる、ヒマはないだろ?もう"G.I.S."は、侵入して来てるんだ…。アンタがどう言おうと、もうカンケイない。俺は、俺達は仲間を守る為に戦うぜ。いいな?」
ヘレン大佐は、明らかに不快な顔をした。
しかしマーカス大尉の言う事にも、一理なくはない。
このまま、座して死を待つよりは…。
「いいでしょう…。そこまで大口を叩くなら、出撃許可を出します。でも、それに見合った結果を出してもらいますよ?それからこの件は、後で軍法会議にかける事にします…。」
マーカス大尉は、快活に笑った。
軍法会議が怖くて、敵と戦えるかよ!!いいぜ、アンタの言う結果って奴を見せてやる…。生きて帰って来れたら、アンタを抱いてやるよ。楽しみに待ってろ!」
ブリッジは騒然として、静まらなかった。
一方の格納庫では、急ピッチで出撃準備が進められている。
「隊長、やりましたね!!いや〜、気分が良かった!」
「ホントだよ…。モタモタしてたら、みんな死んじまうぜ!!」
「エレクトロ・ファントム」の機体の中では、パイロット達がスタンバイしている。
整備班長のヨナが、マーカスに通信を送ってきた。
「D.P.C.(ダイレクト・ピックアップ・コネクテッドの略。指先のサインで、操作フィーリングを伝えるコンピューター・システム。)の、調子はどうだい?」
マーカスは、素っ気なく答える。
「お前、俺の奴は勝手にいじるなって言っただろう!」
ヨナは、気持ち良さそうに笑った。
「アハハ!!飛んでごらんよ…。その方が、絶対気持ち良くなれるから!」
マーカスが舌打ちすると、ヘズ小隊の小隊長ウィンストンから通信が入った。
「お先に、マーカス!宙で待ってますよ…。ファズィ小隊、出撃!!」
ヘズ小隊は、カタパルト・ドライバーから発進して行く。
ウィントンからの通信が切れると、次はヴァーリ小隊のアレックス小隊長からだ。
「お前、バカか?スクランブルだろ、何モタモタしてんだよ!!早く行けったら…。後が、つっかえてんだからな!」
マーカスはうるさそうに一方的に通信を終了すると、共にフライトする仲間に告げた。
「みんな…。この戦いはマジでキツくなるぜ、簡単に諦めるなよ。俺達は、何としても"A.Y.B.C.S."に生きて辿り着くんだ!」
格納庫の整備スタッフが、シグナルを振って誘導している…。
「行くぞ!!バルドル小隊、出撃だ!!」
 
オープニング・テーマ 「Rock The House」Gorillaz
エンディング・テーマ 「シャングリラ」 電気グルーヴ
 
 
追記
マーカス・フランクリン大尉による、"暗黒騎士"に関する証言
「"ブラック・リリー"に、"エレクトロ・ファントム"で勝てるかって?そりゃあ、可能性はあるだろう…。火力に乏しい"エレクトロ・ファントム"にとって、"G.I.S."の最も厄介な点は、"リフレクター・シールド"にあるんだ。あれは30mmじゃ、傷も付かない…。"リフレクター・シールド"を装備から外したのは、"暗黒騎士"の自信の表れだろうが。なあ…、戦えばわかるだろう?ミスの無い奴はいない。人間でも、機械でも…。そこに充分な勝機はある。まあ、そういう事にしておきな。可能性なんか、問題じゃない。やるしかねぇんだからよ。あぁっ?包囲網突破の乾杯の時に、"マザー・テレサ"中のモニターにハードコア・ポルノが五分間以上映し出された件?ああ、あれはアレックスとヨナのアイディアで…。面白かったろ?俺達には、ああいう気晴らしが必要なんだ。マナも、笑いをこらえるのに必死だったらしいぜ…。」
 
ヘレン・マクドネル少佐による証言
「実は、私の最も恐れている事は、"ブラック・リリー"を中心とした"G.I.S."隊が犠牲を顧みずに強行突入してくる…、そんな事態です。特に"ブラック・リリー"の持つ"スラム・ダンク"の威力は、新型である"マザー・テレサ"であっても持ちこたえる事は出来ないでしょう…。しかし、何故なのでしょうか?そうした作戦を、"暗黒騎士"が採る事はありません。死を恐れている?そんなバカな!"ブラック・リリー"に装備されている"ストラトスムスタング"のスピードを捉えられる、ガンナーなどいる訳が無いでしょう。不思議としか、言いようがない…。楽観的すぎるかも知れませんが、もしかすると"暗黒騎士"の人柄の所為…。そうであって、欲しいものです。えっ?私が、"暗黒騎士"に惹かれているのではないかって?だから…まあ、マーカス大尉よりは確実に!!紳士でしょう。私が優秀だと考えているパイロットは、ウィントンです。彼は作戦の意図を正確に理解し、柔軟な発想で…。だから!!、…これ以上お答えする義務はありません。」
 
"暗黒騎士"カイアス・アルィ・トリスタント中佐の教会での痛悔
「主よ…。私の心には、疑問が湧いています。この戦いは、果たして義しいのでしょうか?私は騎士の家に生まれ、これまで騎士として忠実に任務を遂行して来ました。しかし、彼らの戦いは…。私は騎士として、卑怯な振る舞いを憎みます。だが、彼らは非力だ。それでも屈服する事なく、力の限り抵抗を繰り返している…。主よ…、騎士はどんな事があっても、命令に背く事があってはならないのでしょうか?もしそれが、騎士としての名誉を失う様な作戦であっても?彼らと戦いを繰り広げる内に、私は私は義しいという感覚を失ってしまった。それでも私は明日になれば操縦桿を握り、彼らの前に立ち塞がるだろう…。私の苦しみが、少なく共あなたの御心を裏切る物ではない事だけを祈ります。アーメン。」
 
マーカス・フランクリン6年3組
「ぼくのゆめは、ひこうきのパイロットになることです。パイロットになって、大空をじゆうにとびまわりたい。だれも追いつけないぐらいはやく、だれも着いてこられないぐらいむずかしくそうじゅうして。すべてをおいこして、大空のむこう、宇宙のはてまでとんでいきたいな。そうしたら、…だからぼくが一番だ!!」
 
「Young And Old」 Gregor Samsa
 
 
 
 
 

Black Swan -overload- 44

「セト、あなたはエマを妻として永遠に愛することを誓いますか?」

ソクロは、司祭としてセトに問うた。
「はい、…誓います。」
今度はエマに向かって、同じことを問う。
「エマ…、あなたは妻として…。」
ヘムの村の発掘現場での出来事から、数年の月日が流れた…。
今日は、セトとエマの結婚式である。
セトとエマはあれから色々あったが、遂に結ばれたのだ。
それは、セトとエマだけではない。
あの時あの場に居合わせた者達の間には、友情に似た「何か」が芽生え、今に至るまでその付き合いは続いていた。
…ザハイム研究所は、国立聖三位一体研究所と名前を変えた。
ソクロは、厳かに語る。
「では、誓いのキスを。」
セトはエマのウェディング・ヴェールを掲げ、そっと口づけした。
ブラック・スワンというチームは、既にない。
ソクロは司祭になり教会で儀式を執り行っていた。
ローランドは、ローランドで父親が病気で倒れたのをキッカケにデ・シーカ工房を継いでいる。
エマはブーケを投げた。
ハウシンカは手を伸ばしたが、結局トルカが手にする。
そのトルカに、ローランドが鼻の下を伸ばして近づいた。
「ブーケを取ったってことは、もうそろそろ…。」
トルカは、ピシャリとはねつける。
「まだあなたは、今のお仕事半人前でしょ?ちゃんと、工房が軌道に乗ったら考えます!」
ローランドは、教会の隅っこで肩を落としていた。
ゼクは、冒険者を続けている。セトからの強い推挙もあり騎士になる話もあったのだが、ゼクはその道を選ばなかった。
冒険者の方が、気楽だからよ…。
ゼクは、いつもそう言っていた。
ゼクは結婚式の終わった教会を後にすると、披露宴の行われるホテルへと向かう。
目当ては、披露宴ではない。
ホテルのバーだ。
ゼクは、バーテンに告げた。
ボウモアテンペストを、ロックで頼むよ。ダブルで…。」
目の前で、グラスに琥珀色の液体が注がれる。
アイラ・モルト特有のピート臭が、鼻をついた。
ゼクは、もう有名人だ。
再生した左腕の剛腕っぷりから、「鉄腕」と呼ばれ畏れられていた。
ブラック・スワンを解散した後は、仲間を持たない。
大抵のことは、一人でこなしていた。
もう今は、祈祷さえ自分で挙げる。
ゼクは煙草を吹かした。
少し前から、ハイ・ライトに変えている。
安くて美味いんだ…。
人に聞かれると、ゼクはそう答えた。
「も〜、どこ行ったのかと思ったら。こんな所にいたのね!」
黒いドレス姿のハウシンカが、近づいて来た。
「そのドレス、似合ってるぜ。」
ゼクは、ボソッと言った。
「何言ってるの?まさか、もう酔ってるんじゃないでしょうね。」
ハウシンカは腕を組んで、仁王立ちしている。
ゼクは煙草を弄びながら、迷っていた。
「何よ、まだふざけたこと言おうとしてるの?」
「ここのホテルの部屋をとってある…。今夜、どうだ?」
ハウシンカは驚いて、口をポカンと開けた。
「珍しい…。気の利いたこと、するわね!いいじゃない?ちゃんとしたホテルなんて、久し振りだわ…。」
ゼクは、思案している。
言うべきか言わざるべきか、迷っていた。
「ここってさー、夜景キレーなのよね…。ちょっと、いいかも。」
ハウシンカは、本当に嬉しそうだった。
ゼクは、迷うのが面倒になった。
「ハウシンカ…、愛してるんだ。俺達も、そろそろ結婚するか?」
ポケットから、ダイヤモンドをあしらったプラチナの指輪を取り出す。
台座になるケースはない。
以前に、どこかに行ってしまったのだ。
ハウシンカは、ハッとして振り向いた。
…涙が出そうだった。
だが次の瞬間には、いつもの調子で話している。
「そういうことはさ、夜景を見ながら話してよ…。本当、だからあなたってデリカシーがないわよね!」
 
テーマ曲 「Stay Free」 The Clash
 
おまけ。
どうも、こんにちは。
さすらい人ラルゴです。
恥ずかしいので、ここで作者として明らかにしたいと思ってることがあります。
このブログの作品に「ラルゴ」という登場人物が登場しますが、基本的には彼は「真夏の夜の夢」の伝次郎とアリスの間に生まれた「再臨物語」の岡崎良太です。
ぼくもラルゴを名乗っていますが、作者として登場している訳ではありません。
それと、これは物語の展開上で説明の余地が無かったので飛ばした設定です。
サモン・ジェネレーターが無くても、ドラゴン攻めて来たじゃん!って思いませんでした?
これは影の国としては、サモン・ジェネレーターで召喚しなくてもドラゴンによる攻撃は可能なんです。
しかしドラゴンが直接飛行して襲来すると、カトラナズの国のヴァルキリーや天使悪魔に発見・迎撃されてしまう…。
サモン・ジェネレーターで召喚すれば攻撃目標に直接到達可能で、攻撃後撤退するという作戦でした。
 
「Eple」 Royksopp
 
さて、「Black Swan -overload-」ですが…。
この作品は、ぼくが18才の時の処女作「OVERLOAD」のリメイクです。
「OVERLOAD」はめっぽう弱いヘタレ剣士のゼクがぐちぐち言い続け、それをしっかり者のハウシンカに慰められるというどーしよーもない内容でした。
当然、全く面白くありません。
その後何度も色々書き直しましたが、面白くはならずある日自宅の庭で燃やしました。
そんな物語が書きたいけど書けない日々を送っているある日、The Clashの「Stay Free」を耳にします。
衝撃を受けましたね。
自分が物語として表現したかった感情は、全てこの曲に描かれていると思いました。
同時にこの曲に相応しい物語を書く為には、自分には全く実力が足りないことも痛感していて…。
ぼくはその憧れを飲み込み、強さを求めて生きていく道を選んだのです。
そんな訳で、ゼクとハウシンカにはぼくの夢と挫折が全て詰まっていました。
その物語をもう一度取りあげようと考えたのは、退院してしばらく物語から離れていたある日、フと思ったのです。
ゼクは、ある日のぼくでした。
ハウシンカは、その頃のぼくの女性の好みを全て兼ね備えていた。
そんな、最悪だったけどぼくにとってはかけがえのない青春の日々を、ゴミとして燃やしてしまっていいのだろうか?と。
物語は、当時の原型をほとんど留めていません。
キャラクターの設定も、一新しました。
でも描きたかった、テーマなんて大層なものではなく、空気は間違いなくあの日のぼくが夢見たそれです。
「OVERLOAD」から「Black Swan -overload-」まで、本当に色々ありました。
でもそれらの日々が、間違いなくぼくの青春の日々であり、この作品を完成させることが作中のゼクの最後の姿と同じ様に、大人になることなんだとぼくは納得しています。
「OVERLOAD」の元ネタは、当時大流行した「Trainspotting」。
映画も勿論観てますが(「Lust For Life」、最高に盛り上がりますね。)、大好きだったのはアーヴィン・ウェルシュの原作。
本当に、本がボロボロになるまで読み込んで…。
ぼくの物語制作の基本スタイルは、全てアーヴィン・ウェルシュの丸パクリだと言うのはヒミツです。
オルタナティヴな音楽の歌詞から、アイディア
を引っ張ってくる。
既成の作家に、挑戦的な態度を取る。
悪態の吐き方。
そして何より、弱い者の立場に立つ。
だから…。
ゼクは、どこかでレンツなんです。
レンツがぼくの想像力の中で、詩的変容を遂げた姿。
彼が、幸せに成る未来を描きたくて…。
あんなにいい感じに書けたかな?という思いはありますが。
トレイン・スポッティングと言えば、ドラッグの描写…。
ぼくも若いというよりも幼い頃、ドラッグでワルでカッコいいな〜!なんて秘かに興味はありました。
しかしアーヴィン・ウェルシュの著作群を読み進め、音楽にのめり込んでいく内に段々と恐怖に変わっていったのです。
音楽を愛好する人は、ドラッグの恐怖というのは思い当たるハズ。
特にこの、"ヘロイン"…。
ヘロインというドラッグは、どれほど多くの人達の命を奪った事か!
日本にいるとほとんどの人には実感する機会は無いんでしょうが、海外ではそれこそ身近な脅威なんでしょう。
ドラッグの問題は難しい…。
ぼくがドラッグについて考えているのは、先ずドラッグは気持ちよくは無い。
言葉で表現すれば、「変なきもち…。」。
そして何故?人はドラッグに走るのかという問題について、トレイン・スポッティングを読み終わってから考えていたのですが…。
二つのパターンが考えられると思います。
一つは暴力に傷つけられて残った、その癒えない傷口の苦しみから逃れる為です。
暴力に傷つけられる事の恐ろしさは、その瞬間の痛みではありません。
その傷は心に残る…。
しかし更に恐ろしいのは、傷つけた相手の暴力を振るう異常な倒錯したリビドーの虚妄が記憶の中で何度も何度も迫って来る事でしょう。
その悪夢を終わらせる方法はある。
しかしその道のりは平坦ではなく、長く曲がりくねっている。
しかし異常倒錯リビドーの悪夢は、すぐに襲ってきます。
下手をすれば、その相手が目の前に再び現れて迫って来る事もあるでしょう…。
そんな時その相手の異常倒錯リビドーからモヤモヤと立ち昇る虚妄を越える。
つまり自分の被害者意識や出来れば戦いを避けたいという弱い気持ちを超えて自分自身という理性を取り戻し、暴漢という完璧な精神異常者を気力で圧倒し彼らの無知蒙昧で独り善がりな公衆の面前で突如オナニーを始める様な不快極まりない行為を退けるには、ドラッグの「変なきもち…。」を利用するのが一番手っ取り早い。
わかりますか?
手っ取り早く言ってあげましょう…。
暴力を振るう人間が、被害者に対し精神的に優位に立てるのは「俺はお前を傷つけるのが、気持ちいいんだ…!お前が悲鳴を上げれば上げる程、俺の快楽は高まる!!」と解釈しているからです。
だから、強気に出て来る。
暴力を振るう者は、必ず「それは相手が望んだ事だ!」と正当化するのです。
その暴漢が快楽だと解釈している"虚妄"を、ドラッグの「快楽」=「変なきもち…。」で乗り越えて戦いの主導権を握ろうとしているという事なんですよ!!
だからドラッグは、「体に悪い事なんて、止めなさい!!」と簡単に制止出来るモノではないでしょう…。
心についた傷を守らざるをえない者にとっては、アイデンティティの問題なんですから。
アイデンティティだと…?下らない!健康の方が、大事に決まってじゃねぇか!」
と答えを出してしまう男とは、ぼくは話をしたくない…。
カッコ悪リぃ…!!
女性かよ!
そーゆう人って、例えば煙草を吸ってる人がいた時にたったそれだけの理由で自分の方が上だ!!って解釈して自己納得出来る人なんでしょうねぇ。
あ〜ヤダヤダ!!
そ〜ゆう人、キライ!
 
 
 
「Chameleon」 Harbie Hancock
 
そんな訳で、ゼク・ダーントのビジュアルはやはり若き日のユアン・マクレガー
ついでに他のキャラのビジュアルは…。
ローランド・ラグレル…ブラッド・ピット
ソクロ・ワイズマン…スティーヴン・セガール
ハウシンカ・エマーソン…ニコール・キッドマン
トルカ・モニアス…クロエ・モレッツ
セト・ナラハニムル…ジョニー・デップ
ルカーシ・ダンテス…ジョージ・クルーニー
エマ・タウンゼント…能年玲奈
狗香炉・尾洲割…アンソニー・ホプキンス
フィル・グライムノート…ジャン・レノ
ドク丸・タナカ…ニコラス・ケイジ
ガウェイン・エマーソン…ゲイリー・オールドマン
ミズク・モーナク…フランシス・マクドーマンド
絶対者ラルゴ…池田秀一
ロムス・ハリストス(声)…駒塚由衣
てな具合でした。
想像するのは、タダだから。
ぼくがカッコいいと思う俳優さんは、高倉健さんです。
通院している病院の最寄駅の煙草屋さんに、古〜い健さんの広告が飾ってあって…。
煙草を咥えながら、一点を厳しく見詰めている。
あ〜いう風に何も語らずとも、佇まいが多くを語ってる男になりたいモノです!!
高倉健さんの様な本当にいい男に、カッコいいと女性達が憧れる性的なノーマルさがまだあの頃はあったんですね。
愛され方もわからないままただキャーキャー騒ぐ事しか知らない女性達の不快な劣情の対象になるだけで、「オレってカッコいいからモテてるぜ!」と勘違いしているひたすらヘラヘラする以外何の才能もない軽佻浮薄な変態であるイケメンくん達には想像する事も出来ない様な境地でしょう。
そう言われると、思っていたんだよね〜。
バカだなあ…、気にしないけど!!
オートマールスム・ブログも、完結です。
コンセプトは「宗教」「芸術」「哲学」の、ドッキング!。
テーマは、「死は悲しいけど…、不幸じゃない。」
テーマ曲の選曲の基準は、「苦しみを共有しやる気が出て、明日働く事が楽しみになる。」でした。
基本的に時代の音楽性に合わせて変化する「ブルース・フィーリング」を、テーマにしています。
それがクラシックであってもジャズであってもガレージ〜パンク〜ポスト・パンク〜ノー・ウェイヴ〜グランジ〜オルタナであってもテクノもエレクトロもソウルもファンクも、根源にあるのはブルース!
そして同時に、そこにはパンク・スピリットがある。
ぼくはベートーヴェンはパンクスだと考えていて、彼は絶対に屈服しなかったし自分のスタイルを貫いた。
ベートーヴェンの曲は、明らかに心の怒りを燃え上がらせているからね。
それと改めて好きな音楽を聴き直して行った時に、古いゲーム・ミュージックというのは「IDM」を聴いている時と非常に近い印象を受けました。
ゲーム・ミュージックは元々シンセサイザーで演奏されているサウンドだし、ジャンルとしてはエレクトロなんでしょうね!
それはもう本当に数え切れない程の曲をかけましたが、曲をかけて伝えたかった事があるなら「一緒にがんばろうぜ!!」なのです。
上手く出来たかどうか、読んだあなたが判断して下さい。
笑い話ですが…。
これを書いている時点で、
・レコード約100枚
・CD約20枚
・CDプレーヤーを持っていない
という音楽環境でした。
実は…。
主にウィキペディアで調べて、知らないバンドの曲をかけていたという。
ピッチフォークなんかは、参考にしてますケドね。
さらにはWiFiないからYoutubeも曲の全体を聴いてるのは、殆ど無く…。
まぁぶっちゃけ、知らない曲を聴きもせずに掛けているというのが本当です。
何でかけてるの?と、聞かれたら…。
そう思った、(閃いた)から。
ゲームも一部(大体)そう…。
楽器なんかもそうですよ。
ぼくはそもそも、機材に録音すらしたコトありません。
コードなんか一つも知らないし、シンセに到っては店頭に並んでるのを"ポチッ"と触っただけ…。
サウンドハウスのHPで調べたんです!!
エッヘン!
本と絵画は別。
紹介してるのは、「パルチヴァール」を除いては読んでますし観てます。
お金が無いんです、ハッキリ言って…❤️!!
あと…、ラリってねぇよ!!
ぼくがこのブログで表現したかったテーマの一つに、物質的な事実関係が証拠として裏付け無くても「思ったらやってみたら…?」があります。
まあ失礼だろ〜とは、自分で思ったんですが…。
なので全部想像です。
だってファンタジーだから…。
愛してると、感じちゃう!!!
もしホントに良かったら、教えてね!!!
読んで下さって、ありがとう。
ぼくにとってこのブログの完成は、全ての物語の始まりに過ぎませんから…。
また、会いましょう!!
 
「Cissy Strut」 The Meters
 
 

Black Swan -overload- 43

ゼクは上手くバランスの取れない足取りで、ヨタヨタとセトに近づいた。

「どう言ったらいいのか、よくわからないんだが…。」
セトは、ゼクの顔をじっと見る。
「悪気はないんだ…。ただ、行き掛かり上こういうことになっちまって。」
セトは、朗らかに笑った。
「意気地を出せよ、ゼクくん!ハウシンカのこと、愛してるんだろう?」
ゼクは、頭を下げた。
「だからすまない…、セト。」
セトは、バシンとゼクの肩を叩く。
ゼクは少しよろめいた。
「何、つまらないことを謝ってくれるな…。もう子供じゃないんだし、ぼくだって男だよ?そんなことで謝られても、困るさ。」
そこに、目を覚ましたハウシンカが歩いて来る。
「ほら、ご覧?おかんむりだよ…。」
セトは、ゼクを横目で見た。
「あいつは、メンドくせーからな…。」
ゼクもヒソヒソと返した。
セトは、ハウシンカの方に向き直る。
「ハウシンカ、すまなかった。エマのこと、君に黙っていて…。」
ハウシンカは、セトを思い切り平手で張り倒した。
「この最低男!!」
ゼクは、ニヤニヤしている。
「ほらな…、これだよ。」
セトは、歯を食いしばって耐えた。
「効くなあ…、初めてだよ。こんなの。」
ハウシンカは腕を組んで、セトに告げる。
「これで勘弁してあげるわ。二股なんて、絶対許さないんだから!」
セトは、改めて詫びる。
「本当にすまなかったと思う。ぼくがいけなかったんだ。ゼクくん、ハウシンカのこと頼んだよ。」
ゼクは、言いにくそうに切り出した。
「そういや、セト…。報酬の件なんだが。」
セトは、そっぽを向きながら言う。
「ガウェイン将軍に払ってもらえば、いいんじゃないか?」
ハウシンカは、激昂した。
「セト!!いい加減に…!」
セトは、少しおどけて見せた。
「冗談だよ…。聖コノン騎士団から、支払わせてもらうよ。安心してくれ。」
ゼクは、再び頭を下げた。
「すまねぇ…。まさかローランドとソクロを手ぶらで返す訳には、いかないからな。」
話を聞きつけたローランドは、不満そうに舌打ちする。
「チッ!アイツと来たら…。おいおい、俺達だってここまで来たらもう報酬なんて…!ソクロも言ってやれ!!」
同意の口を開きかけたソクロに、ゼクは二人の方へ向き直ると全力で怒鳴りつけた。
「…バカ野郎!!!黙って受け取れ…、それが仕事なんだ!」
セトは、心配そうに語りかける。
「…人の心配も結構だが、君はどうするんだ?失われた左腕は、もう戻っては来ない…。」
その時だ、ハウシンカはラルゴに向かって声を上げる。
「ラルゴさん…!あの…、研究者としてどうてしても聞きたくて。転送機は一体何の為に、何の意味があって造られたんですか?」
ラルゴは、ゼクやハウシンカ達にゆっくりと歩み寄った。
「ああ…、あれか。あれは、多分君達だったら、じきに答えを見つけ出したと思うんだけど…。あれは邪神レミロの妄想の結晶、"エリミタフ"を、聖三位一体のフル・パワーでカトラナズの国の外に排出する為の装置だったんだ。ぼくのアイディアだったんだけど…、まさかあそこから影の国なんてモノが出来てしまうなんてね。ぼくにしても計算外だったよ。」
ゼクもこの際だからと、気になっていた事柄を質問としてラルゴにぶつける。
「ザハイムが…、蛇だったっけ?が俺達ブラック・スワンを選んだ理由は何だったんだ?」
ラルゴは、プッと笑って微笑んだ。
「レミロのご指名だったんだよゼク君、君をね…。彼女はハウシンカさんの肉体と魂を奪った上で、君といつまでも交わり続けるつもりだったんだ。どういう根拠があるのかは、わからない。ともかく彼女は、彼女の想う最高の男である君と、淫行に耽り続けて自らの性を克服するという考えにこだわっていたみたいだよ?」
ハウシンカは、ラルゴの話を聞いて腕を組んでゼクに言い放った。
「あら、良かったじゃない?ゼク、あなたちょっとスケベだからその方がシアワセだったんじゃないの?」
ゼクは憮然としている。
「冗談じゃねー。俺にだって、選ぶ権利はあるんだぜ…。誰でもいいなんて、無理に決まってる!」
ラルゴの声が、誰しもの心に響く。
「それでゼク君。君の左腕なんだが…。」
不思議な響きの、よく通る声だ。
「ぼくに考えがある…。ぼくだって、まさかゼクくんに何も報いない訳にはいかない…。」
ラルゴは天を指した。
すると、変な声がする。
「は〜い、みなさ〜ん。DJして弾けて盛り上げちゃう!カトラナズのスーパー・ヒロイン、電気ビリビリのアシュタロトちゃんどぇ〜っす!!恥ずかしい思いをさせるコは、電気ビリビリ攻撃でおっ仕置っきですわよ〜ん!!!」
緊張の解けない彼らは、誰も事態を飲み込めなかった。
「誘惑の悪魔アシュタロトだ…。彼女から、再生の奇跡を授かってくれ。それじゃ、ぼくは失礼するよ。さようなら…。」
ラルゴはロムスを潜り、黄金の八端十字架も掻き消えた。
アシュタロトは、栗色の髪をポニーテールにまとめている。
幼い少女の姿で、細長い目に明るく朗らかな姐御肌の表情に愛嬌があった。
白いワンピース姿にコウモリの羽を生やしていて、ワンピースの裾から蛇の尾が垂れ下がっている。
アシュタロトは、ゼク達の前にゆっくりと着地するなりしゃべり始めた。
「アタシ、ラルゴの愛人なの!つまり、二号さんってワケ。囲われちゃってるの〜!」
ゼク達は、何を言っていいのかわからない。
「彼ったら、アタシにメロッメロだから…。アタシが駆け寄ると、いつも抱き上げていい子いい子してくれるのよ!これって、大人の恋愛関係よね〜?」
ハウシンカは、ゼクにボソッと言った。
「この子、何なの…?」
アシュタロトは、懐からおしゃぶりを取り出す。
「じゃ〜ん、叡智のおしゃぶり〜!!」
セトは、真面目に聞いている様だ。
「それが、君のお気に入りなのかな?」
アシュタロトは、もう一つ懐から取り出したマーカーを振り回しながら説明する。
「このおしゃぶりをしゃぶると、あら不思議!アタシの霊に刻まれた再生の奇跡が、このペンによって"真理の書"にあっ!という間に書き込まれるのですっ!」
ローランドが、近づいて来て言った。
「そりゃ、いいやな。さっさとやってやれよ。」
トルカも、ローランドの後ろからやって来る。
「そうですよ。私からもお願いします。」
アシュタロトは、頭をブルブル振った。
「ブー!いけません。だってアタシは悪魔ですよ?悪魔と取り引きするのに、タダって訳には参りませんわ!」
ゼクは、段々焦れてきた。
「どうしろって言うんだよ…?魂でも、寄越せって言うのか。」
アシュタロトは、モジモジする。
「あのぅ、アタシの頭をなでなでして下さい…。それで気持ちよかったら、書いてあげます!」
ハウシンカは、声を上げた。
「よかったじゃない!そんな簡単なことなら、早くしてあげなさいよ。」
トルカも、同意見だ。
「ほんと、よかったですね。その程度で…。」
ゼクは、嫌だった。
しかし、左腕には変えられない。
よろよろとアシュタロトに近づくと、残っている右腕で頭を撫でた。
「ピキー!あんたさん、いい男ですねぇ。あらあら、いい気持ちだわ。いいでしょ…。書いてあげます。」
アシュタロトはおしゃぶりをくわえ、マーカーを振り回す。
「ブゥ…、ブゥ…、ブゥ…、ほい完了です!"真理の書"を開くと、びっくりクリスマス!新たな叡智がそこに書き込まれているでしょう…。後は、転送機と聖遺物があれば〜。ほいじゃ!」
アシュタロトはバブー!と一声上げると、空に帰って行った。
 

Black Swan -overload- 42

赤き竜は、ラルゴの姿を見ると激しく吠えた。

そして、大きく息を吸い込む。
炎の息吹が来る…!
その場にいた人々は、戦慄した。
だが、ラルゴは落ち着いている。
まるで、場違いな人の様だ。
「赤き竜…。そういうのは、もう止めよう。人が傷つくだけじゃないか。」
ラルゴは、右腕を高く掲げた。
その指先で「何か」をつまむと、一気にそれを引き抜く。
スポッ!と気持ちの良い音が響き渡ると、赤き竜の頭は巨大なくまモンの頭に変わった。
「しばらく、そうしているといい…。ミカエルとサタンがやって来るまで。」
ザハイムは、よろめきながら立ち上がる。
「この死に損ない、…だから、くたばるがいい!」
叫んだザハイムの両の瞳から、七色の光線がラルゴに向かって放たれた。
直撃だ。
だが、ラルゴは表情一つ変えない。
「母さん、昔もぼくにそうしたよね?…人を傷つける、邪眼で。その時、ぼくの半身は石の様になってしまった。でも…。」
七色の光線は、全てラルゴのみぞおちに吸い込まれていった。
「ぼくは、克服したんだ。カバラ(口伝律法)は、ぼくの前世"天に引き上げられた"エノクにその起源を持つ…。あなたの名前を旧い記憶の中から見つけ出した、サマエル!」
ラルゴの体があの温かいぬくもりのある輝きに包まれ、その輝きは広がった。
その輝きは誰にとっても心地よく、心が安らぐ物だ。
だがザハイムには、違った作用をもたらす。
「ギャー!!」
全身が焼けただれていくザハイムは、地面に転がり苦しみ続けた。
ふと、ロムスは語った。
「ラルゴ、決心はついたの…?」
ラルゴは、静かに答える。
「もう、終わらせなきゃいけない…。聖書に書かれている時が満ちたんだ。もう、みんなを苦しませる訳には行かない。」
両手を天に掲げたラルゴは、みんなに呼び掛けた。
「これを見て欲しいんだ…。」
天が裂け、大空にビジョンが映し出される。
そのビジョンは例え目にしなくとも、カトラナズの者も影の国の民も、犬や猫、ハエや蚊、草木に至るまで、寝ている者も覚めている者も全ての者が観た。
場面は、土砂降りの雨の中…。
住宅街の中を歩き続けるラルゴ。
空は、深い緑色だ…。
傘も差さずずぶ濡れになっている、ラルゴがいた。
ラルゴは、神聖な口調で物語った。
「あの時、ぼくは罪を犯した…。花を捨ててしまった。その罪は、とても重く感じられる…。
ぼくはね、初恋を失ったんだ。」
道路の脇に立っている杭に近づくと、ラルゴは力任せに引き抜く。
杭を放り出したラルゴは、そこに「何か」を埋めた。
「そのことを、ぼくは母さんに漏らしてしまった。嘲笑ったよね、母さんは…。」
ラルゴは、その場に再び杭を穿つ。
深緑の空を見上げると、きのこ雲を思わせる邪悪な煙が立ち昇っていた。
「ぼくの心は、死んでしまった…。行き場がなかったんだ、どこにも。ぼくは自殺って、こういうことだと思う。…恥ずかしくて、誰にも言えなかった。」
ザハイムに、ゆっくりとラルゴは近づいて行く。
「でも、もう終わりだ…。いい加減にしないと、エゴになってしまう。」
ラルゴは、ザハイムの胸に輝く手のひらを当てた。
ザハイムは喘ぎ苦しみ、やがて意味のわからない叫びを発し始める。
そうしてしばらく経つと、今度は「何か」を吐き出し続けた。
「さよなら、母さん…。」
ザハイムは「何か」を吐き出し続ける内に、無くなってしまう。
…後には、七色に発光する珠が残された。
ラルゴが息をフッと吐くと、七色の光の珠は広がり始め世界を覆っても尚、無限に広がり続けてやがて消えた…。
「エリミタフ」。
それはアートマンと呼ばれた呪い…、無明なる自我の結晶のエネルギーであった。
人々が脳に始まりを求めるのは、これが原因である。
空を見上げたラルゴは、呟いた。
「後、ドラゴンだけは何とかしないとね…。天使も悪魔も、総動員だな。」
ラルゴは、人々の方に振り返って告げる。
「心配しないで欲しい…、ぼくは幸せだから。これで、ぼくの母さんは勝美だ!お待たせ、みんな!ラグナロクも、もう終わり。天国の到来だよ…。ぼくらの気持ちは、誰かの想いで出来ているんだから。」
ゼクも、ローランドも、ソクロも、トルカも、セトも、ルカーシも誰もが皆圧倒されてしまい、声一つ挙げられなかった。
それと同時にホッともした…。
ギリギリの戦いの日々の中で迎える、天国の到来。
もう本当にキツかった…。
それが天国に入る、誰しもの本音である。
カトラナズとは…。
神聖なる"ご苦労さん!!!"の意なのだから。
ヘトヘトなる「自己」に、その言葉は骨身に沁みいる…。
天国のカッコ良さは、この言葉が真剣に本気で思いっ切り言える事に尽きるだろう。