どらねこクエスト〜はらペコ勇者の大冒険!!〜 その70

…「早々に滅ぶがよい、己の分もわきまえず。"ねこねこファンタージェン"の真の支配者たるこの私に刃向かう愚か者共よ、…炎のヘクトム!!」

地獄の破壊ねこ「メギムトゥ」と一つになった女帝ゾフィネーヌは、魔法の呪文を唱えると両手を大きく開きます…。するとそこから六発もの「炎のヘクトム」が…、散弾銃のよ〜に炸裂しました。

…「スゴい魔法力だ、でもしっかりと防御すれば平気さ!」

先程持ち換えた「にくきゅう印の大楯」をしっかり構え聖戦士クリムは火の玉を受け止め、…神官マルミも「にゃんねこの法衣」のすそをしっかり抑えて飛びあがります。魔女ケレナの運動神経もなかなかのモノ、素早く飛び散る火の玉をかい潜ります…。

「甘く見てもらっては困る…、私の力はこんなモノではない。…少しずつ戦慄させてやろ〜、雷のタムカン!!」

高く掲げられた女帝ゾフィネーヌの右手から、…3筋の稲妻がほとばしりました。3筋の稲妻はまるでレーザー・ビームのように、大広間のじゅうたんを焦がしながら一直線に聖戦士クリムを狙います…。

「何てスゴいパワーなんだ…、これはとても防ぎ切れない!」

…聖戦士クリムは「にくきゅう印の大楯」で防ごうとしましたが、3筋の稲妻が直撃すると。盾を構える右手がガクガク揺れてしまい、…やがて吹き飛ばされました。

「クリム、大丈夫…!!?」

「ゾフィネーヌあなたは魔法の力はスゴいですが…、武器を取って戦えますか!」

…聖戦士クリムに魔女ケレナが声をかけるより早く、女帝ゾフィネーヌの注意が聖戦士クリム逸れてる隙に神官マルミは「ねこの手も借りたいメイス」を振りあげ走り寄ります。

「全知にして全能である私には、…一分の隙も存在しない。見よ、そして思い知れ、剣の舞い…!!」

てのひらを天に差し向け両腕を掲げたゾフィネーヌの叫びに応じて…、無数の剣が出現しました。…そしてその宙に浮かぶ無数の剣は、竜巻のよ〜に回り神官マルミに襲いかかります。

「こんなのが何ですか、…イタッイタタッ、キャア〜!」

竜巻のよ〜に回る剣のいくつかを、「ねこの手も借りたいメイス」で打ち落とした神官マルミですが…。剣の数があまりに多くその回転が早かった為…、遂に巻き込まれて尻もちをつきました。

…「どれだけパワーがあっても、その図体でしょ?ど〜やってアタシの魔法をかわすの、…雷のタムカン!!」

地獄の破壊ねこ「メギムトゥ」と一つになった女帝ゾフィネーヌの頭上に、魔女ケレナは魔法の呪文を唱えて雷雲を発生させます…。

「これだけ教えてやってもわからんとはな…、どれだけ浅はかなのか。…いや下らん、実に下らん!」

女帝ゾフィネーヌが腕を組むと、…今まで見ていた姿がまるで陽炎であるかのよ〜にかき消えました。

「えっ何それ、そんな魔法ないよ…!!」

背後に殺気を感じて魔女ケレナが振り向くと…、そこには地獄の破壊ねこ「メギムトゥ」の真っ黒な巨体と女帝ゾフィネーヌの姿があったのです。

…「そなた、魔女だな?そなたは、…仕えるべき主を見誤ったのだ。真に仕えるべきはこの私であったとゆ〜のに、だがも〜遅い炎のヘクトム!」

こんなに至近距離から火の玉の散弾銃を浴びせられては、魔女ケレナもかわしよ〜がありません…。

「うっ…、く、くっそ」

…魔女ケレナは「炎のヘクトム」を重ねがけして何発かは撃ち墜としますが、地獄の破壊ねこ「メギムトゥ」と女帝ゾフィネーヌの圧倒的なパワーの前にうつ伏せに倒れてしまいました。