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我等キリシタン 中編

そしてその日が、やって来ました。
二人は近くの街に雲で降り、そこからレンタカーで、宿まで行く事に、決めていました。
それは、パウロの発案でした。
パウロ「雲で降りてしまえば、それは便利じゃが、地上の道をゆっくりと楽しむ!それこそが、旅の醍醐味じゃい。」
マルタリアは、「マリオブラザーズ」で遊んでいました。
カメさんやらカニさんやらを、ドンドン突き上げ、蹴散らして行きました。

二人の乗ったレンタカーは、蛇行した山道をスイスイ、進んで行きました。
パウロは、上機嫌で言いました。
パウロ「どうだ、マルタリア!木々の葉が、こんなに色付いて。こんな時わしはだな、やはりキリスト様の偉業が、思い浮かぶ…。」
マルタリアは、残り1匹になって、素早く動き出したカニさんを、仕留め損ねました。
マルタリア「うん、私も…。」
パウロは、気持ちよく続けました。
パウロ「キリスト様はこの世界を、何も無いところから、造られた。勿論、お父様も聖霊も、一緒じゃ…。その御心が、人間であるわっしらには、到底想像もつかんほど、清らかであらせられるから、この世界は、こんなにも美しい…。」
マルタリアは、ぴょこぴょこ動く、ハエさんが、上手く倒せず、苦戦していました。
マルタリア「本当に、綺麗だね…。」
しかし、パウロの機嫌は、急変しました。
パウロ「それが、なんじゃ!イザナギたの、イザナミだのと。神を冒涜しとる!
この美しい風景は、ただ一人の三位一体なる神が造られたというのに、そんな事もわからんとは!」
マルタリアの見ている画面上には、カメさん、カニさん、ハエさんが、わさわさ出てきて、収集がつかなくなっていました。
マルタリア「そうだね、でも好き好きがあるから…。」
パウロは、激昂していました。
パウロ「連中は、何もわかっとらん!本当の神が何なのか、それさえわからんなんて…。キリスト様も、どういうお考えで、ああいう連中を天国に、お迎えなさるんじゃろう?主のお考えは、わっしら下々の者には、わからんわい…。」
マルタリア「パウロ、元気出して…。」
マルタリアのマリオは、カニさんとハエさんが、重なって攻めてきて、死んでしまいました。

二人が借りたレンタカーには、ナビが付いていなかったので、パウロは迷いに迷い、宿に着いた時には、夕飯の時間を、回っていました。
しかし宿の女将は、親切な人だったので、ちゃんと二人の夕飯を取っておいてくれて、部屋で食べるよう、勧めてくれました。
パウロ「異教徒じゃが、親切な人もいるんもんじゃい。ありがたく、受けるとしよう。」
マルタリア「いい人で、よかったね…。」
マルタリアは、クルクルランドで遊びながら、言いました。
部屋に入り、荷物を下ろすと、早速夕飯が運ばれて来ました。
お膳には、お刺身などの海の幸と、山菜などの山の幸が、沢山載っていました。
パウロ「おお、素晴らしいのう!ネットの情報は、確かだったようじゃな。ここは、料理が一つの名物でな!マルタリア、早速頂くとしよう。」
マルタリアは、グルッピーを上手く操り、地道に金塊を、見つけて行きました。
マルタリア「私も、嬉しい…。」
パウロはテレビをつけ、ニュース番組にチャンネルを合わせました。
そこでは、子供が親を殺した、という事が報じられていました。
パウロ「悲しい事じゃのう…。どうして、こんなに悲しい事が、起きるんじゃろう。本当に世の中には、悲しい事が満ちておる…。」
マルタリアは、金塊をどんどん見つけて行き、もう少しで、何かの図案が、完成しそうでした。
マルタリア「いろんな人が、いるものね…。」
パウロは、悲痛な表情で、続けました。
パウロ「こんな事は、決してはあっては、ならんことじゃ!人の魂は、本来善なる物。その人間が、こんな事をするなんて、ありえん、絶対にありえん事じゃ…。これはな、マルタリア。悪魔の仕業なんじゃよ!」
マルタリアは、最後の金塊が、どうしても見つけられず、焦っていました。
パウロは、激しく言いました。
パウロ「悪魔が人間を、罪なる思いへと、誘う!だから人は、罪を犯すんじゃ。この憐れな子羊も、キリスト様に、正しく導かれれば、こんな事はせんかったじゃろうに…。」
マルタリアのグルッピーは、とうとうタイムアウトで、しぼんでしまいました。

古い宿でしたが、温泉の泉質は、抜群でした。
混浴の温泉で(パウロはわざわざ、混浴の温泉を、探したのです。)、マルタリアも流石に、ゲームのスイッチを切り、二人で仲良く、お湯に浸かりました。
ただパウロは、マルタリアの背が人より大分低く、小学生くらいしかないところにきて、おっぱいもぺったんこな事が、とても不満でしたが、そんな事は、口が裂けても言いませんでした。