どらねこクエスト〜はらペコ勇者の大冒険!!〜 その67

「え〜い、…しっかりしないと!!」

…頭を振って、聖戦士クリムは気を取り直します。神官マルミも立ちあがり…、「ねこの手も借りたいメイス」を強く握りました。

「2人とも大丈夫みたいね、離れてて…。風の精霊シルフよ、…アンタの力見せてあげな雷のタムカン!」

…もくもくと黒い煙が立ちのぼったかと思うと、たちまち一筋の稲妻がバーサーカーちゃんねこに疾ります。

「ど〜…、やった?」

片膝を紫のじゅうたんについたバーサーカーちゃんねこは、おもむろにむっくり立ちあがりました…。

「にゃぎゃ〜、…この程度じゃやられんタイ。…この借りは、77倍にして返すタイ!!」

聖戦士クリムも神官マルミも…、その光景に目をまるくします。

「スゴい体力だ、そ〜だ…。マルミ、…"ステンレスの丸盾"を貸してくれない?」

…「え、ゆいですケド」

聖戦士クリムのゆ〜コトが…、神官マルミには不思議でした。聖戦士クリムは「にくきゅう印の大楯を使いこなす体力があるのに、何故わざわざ一回り小さい「ステンレスの丸盾」に持ち換えるのでしょ〜…?

「"ステンレスの丸盾"なら、…ドルイドちゃんねこの理力を防げる。…どちらにしたってあのバーサーカーちゃんねこの攻撃は、盾では防げないよ」

神官マルミも納得出来ました…、そ〜なのです。神官マルミの装備してゆる「ステンレスの丸盾」は、ねこ女神「オー・ラロル」さまの祝福が備わっていて…。邪なる言葉を、…通しません。

…「バーサーカーちゃんねこの相手をするのは、マルミには少し危ない。だからぼくが引き受ける…、マルミはケレナと協力してドルイドちゃんねこを頼むよ!」

聖戦士クリムの提案に、神官マルミも魔女ケレナもうなずきました…。

「え〜い何をゴチャゴチャと、…さっさと降参するがい〜。…諦めて命乞いせよ、雷のタムカン!!」

玉座から響く…、女帝ゾフィネーヌの叫び。聖戦士クリム達勇者のパーティ一行は、急いでバラバラに散らばります…。女帝ゾフィネーヌの喚ぶ渦を巻く黒い雲から放たれた稲妻は、…紫のじゅうたんを焦がしました。

…「よぉ〜し改めてゆくよ、稲光の咆哮!」

稲妻をまとう聖戦士クリムは…、バーサーカーちゃんねこに勢いよく激突します。

「ぎゃにゃ〜、パワーなら負けんタイ…。力で、…押し返してやるタイ!!」

…二振りの斧をクロスさせて、「稲光の咆哮」をしっかり防いだ。バーサーカーちゃんねこは…、そのまま力任せに斧を振りあげました。

「そんなの百も承知さ、それっ…!」

素早いジャンプで飛び越えた聖戦士クリムは、…そのままバーサーカーちゃんねこの背後に着地します。

…「パワーはスゴいケド、スピードなら負けないさ。これならど〜だ…、"ねこキックの嵐"!!」

聖戦士クリムは、文字通り嵐のよ〜な…。目にも鮮やかな、…連続攻撃を繰り出しました。

…「ぎゃにゃっ、う〜んこうるさいヤツタイ」

バーサーカーちゃんねこが口で何とゆお〜と…、聖戦士クリムがスピードで圧倒したのは事実です。

「コッチも負けてらんないね、さぁドルイドちゃんねこ炎のヘクトム重ねがけだよ…!」

魔女ケレナのてのひらから炎の玉が二発飛び、…ドルイドちゃんねこを正確に狙いました。

…「結果は同じです学習しませんね、う〜さ〜ぎお〜いし〜か〜の〜や〜ま〜」

同じよ〜に「ふるさと」の理力で…、ドルイドちゃんねこは緑のバリアーを発生させます。

「こらドルイドちゃんねこ、油断大敵です…。万能な理力なんて、…ありませんから」

…そこを狙いすませて、神官マルミは駆け込みました。

「な、何〜…、これは厄介な」

「悪魔ねこのひとみ」を振りあげる間もなく、神官マルミは「ねこの手も借りたいメイス」でどるどちゃんねこを打ちます…。