「え〜い、…しっかりしないと!!」
…頭を振って、聖戦士クリムは気を取り直します。神官マルミも立ちあがり…、「ねこの手も借りたいメイス」を強く握りました。
「2人とも大丈夫みたいね、離れてて…。風の精霊シルフよ、…アンタの力見せてあげな雷のタムカン!」
…もくもくと黒い煙が立ちのぼったかと思うと、たちまち一筋の稲妻がバーサーカーちゃんねこに疾ります。
「ど〜…、やった?」
片膝を紫のじゅうたんについたバーサーカーちゃんねこは、おもむろにむっくり立ちあがりました…。
「にゃぎゃ〜、…この程度じゃやられんタイ。…この借りは、77倍にして返すタイ!!」
聖戦士クリムも神官マルミも…、その光景に目をまるくします。
「スゴい体力だ、そ〜だ…。マルミ、…"ステンレスの丸盾"を貸してくれない?」
…「え、ゆいですケド」
聖戦士クリムのゆ〜コトが…、神官マルミには不思議でした。聖戦士クリムは「にくきゅう印の大楯を使いこなす体力があるのに、何故わざわざ一回り小さい「ステンレスの丸盾」に持ち換えるのでしょ〜…?
「"ステンレスの丸盾"なら、…ドルイドちゃんねこの理力を防げる。…どちらにしたってあのバーサーカーちゃんねこの攻撃は、盾では防げないよ」
神官マルミも納得出来ました…、そ〜なのです。神官マルミの装備してゆる「ステンレスの丸盾」は、ねこ女神「オー・ラロル」さまの祝福が備わっていて…。邪なる言葉を、…通しません。
…「バーサーカーちゃんねこの相手をするのは、マルミには少し危ない。だからぼくが引き受ける…、マルミはケレナと協力してドルイドちゃんねこを頼むよ!」
聖戦士クリムの提案に、神官マルミも魔女ケレナもうなずきました…。
「え〜い何をゴチャゴチャと、…さっさと降参するがい〜。…諦めて命乞いせよ、雷のタムカン!!」
玉座から響く…、女帝ゾフィネーヌの叫び。聖戦士クリム達勇者のパーティ一行は、急いでバラバラに散らばります…。女帝ゾフィネーヌの喚ぶ渦を巻く黒い雲から放たれた稲妻は、…紫のじゅうたんを焦がしました。
…「よぉ〜し改めてゆくよ、稲光の咆哮!」
稲妻をまとう聖戦士クリムは…、バーサーカーちゃんねこに勢いよく激突します。
「ぎゃにゃ〜、パワーなら負けんタイ…。力で、…押し返してやるタイ!!」
…二振りの斧をクロスさせて、「稲光の咆哮」をしっかり防いだ。バーサーカーちゃんねこは…、そのまま力任せに斧を振りあげました。
「そんなの百も承知さ、それっ…!」
素早いジャンプで飛び越えた聖戦士クリムは、…そのままバーサーカーちゃんねこの背後に着地します。
…「パワーはスゴいケド、スピードなら負けないさ。これならど〜だ…、"ねこキックの嵐"!!」
聖戦士クリムは、文字通り嵐のよ〜な…。目にも鮮やかな、…連続攻撃を繰り出しました。
…「ぎゃにゃっ、う〜んこうるさいヤツタイ」
バーサーカーちゃんねこが口で何とゆお〜と…、聖戦士クリムがスピードで圧倒したのは事実です。
「コッチも負けてらんないね、さぁドルイドちゃんねこ炎のヘクトム重ねがけだよ…!」
魔女ケレナのてのひらから炎の玉が二発飛び、…ドルイドちゃんねこを正確に狙いました。
…「結果は同じです学習しませんね、う〜さ〜ぎお〜いし〜か〜の〜や〜ま〜」
同じよ〜に「ふるさと」の理力で…、ドルイドちゃんねこは緑のバリアーを発生させます。
「こらドルイドちゃんねこ、油断大敵です…。万能な理力なんて、…ありませんから」
…そこを狙いすませて、神官マルミは駆け込みました。
「な、何〜…、これは厄介な」
「悪魔ねこのひとみ」を振りあげる間もなく、神官マルミは「ねこの手も借りたいメイス」でどるどちゃんねこを打ちます…。