どらねこクエスト〜はらペコ勇者の大冒険!!〜 その66

「にゃぎゃ〜…、やったるタイ!!」

二本の斧を振りあげてバーサーカーちゃんねこは、勇者のパーティにまっすぐ突撃して来ました…。

「よぉ〜し、…ぼくが受けて立つ!」

…聖戦士クリムは体の正面に「おおトロの剣」を構えて、バーサーカーちゃんねこを迎え撃ちます。

「愚か者め…、闇の精霊アーリマンよ。我に力を貸すがよい、ホルト・ルドランゴ…」

玉座に腰かけたまま女帝ゾフィネーヌが魔法の呪文を唱えると、…聖戦士クリムの周りに闇のロープが現れグルグル巻きに縛られてしまいました。

…「何だ、こんなモノ!!」

力任せに振り解こうと聖戦士クリムは全身に力を入れますが…、闇のロープはネバネバしてまとわりつきます。

「チッ、メンド〜なコトしてくれるジャン…。炎の精霊サラマンダーよろしく、…炎のヘクトム!」

…魔女ケレナは聖戦士クリムを援護しよ〜と、バーサーカーちゃんねこ目がけて火の玉を放ちました。

「ちっちっ…、甘いですねぇ。地震の悪魔ねこ"ナヤワ"さま、我ら魔物をお守り下さい…。う〜さ〜ぎお〜いし、…か〜の〜や〜ま〜」

…悪魔ねこの力で呪いの言葉を発する、ドルイドちゃんねこ。するとバーサーカーちゃんねこの周りに…、緑色のバリアーが生じます。魔女ケレナの放った火の玉は、ドルイドちゃんねこの「ふるさと」に不快な音を立て弾き飛ばされました…。

「ぎゃにゃにゃ〜、…いくタイ、ソニック・ストレングス!!」

…必殺の一撃を炸裂させる、バーサーカーちゃんねこ。

「足は自由なんだ…、それで充分!」

聖戦士クリムは、「ホルト・ルドランゴ」に体を縛られたままうしろにジャンプします…。しかしバーサーカーちゃんねこのソニック・ストレングスは、…ただ斧を振り下ろすだけではありません。…大理石の床を砕くその一撃は、衝撃波をも発生させるのでした。

「うわぁ…」、「ソニック・ストレングス」の衝撃波に煽られ聖戦士クリムはうまく着地出来ず倒れます。

「大丈夫ですか、クリムさん…。間に合って、…ぶんぶんぶんはちが飛ぶ〜」

…神官マルミは急いで、理力の誓言を歌いました。理力「ぶんぶんぶん」は…、異常な状態にある仲間をスッキリシャッキリさせる誓言です。闇のロープから解き放たれた聖戦士クリムは、すぐに立ちあがりました…。

「なかなかスゴい威力だね、…でも何でもないさ。…じゃあ、こっちからゆくよ!!」

聖戦士クリムは「おおトロの剣」を振りあげて…、バーサーカーちゃんねこに打ちかかります。

「単純なるバカ者は、操縦しやすいですね…。雷の悪魔ねこ"カミマル"さま、…あなたのお力をお借りします。…ぞ〜さんぞ〜さん、お〜はながながいのね」

指先から血のように真っ赤な光を輝かせるドルイドちゃんねこ…、すると聖戦士クリムは目がくらんでしまいよく前が見えません。

「う、う〜ん、頭がクラクラする…」

「にゃぎゃ〜ん、…こいつを喰らうタイ!」

…そこへすかさず、バーサーカーちゃんねこの二振りの斧が襲いかかりました。

「私が相手です…、どれだけ力に差があっても。決して逃げたりしませんから…」

神官マルミは出来るだけ勢いをつけて、…バーサーカーちゃんねこに体当たりします。…そしてそのまま、「ねこの手も借りたいメイス」でバーサーカーちゃんねこを打ちました。

「こ〜んなひよわな一撃…、蚊にでも刺された方がよほどかゆいタイ!!」

両腕をグルグル動かして、バーサーカーちゃんねこは神官マルミを攻め立てます…。

「何のこれしき、…キャア!」

…神官マルミは必死に防御しますが、とても耐え切れず思わずしりもちをついてしまいました。