戦士クリム達は、…地下通路を進んでゆきます。…も〜何度目になるでしょ〜、わかれ道を折れ曲がりズンズン進む戦士クリムに神官マルミは驚きました。
「スゴいですねクリムさん…、ちっとも迷わずに"何か"勘が働くんですか?」
魔女ケレナも、戦士クリムをホめそやします…。
「そ〜そ〜曲がる時も躊躇しないし、…もしかしてここに来たコトがあるの?」
…ゆっくりと振り返り、戦士クリムは驚くべき秘密を明かしました。
「あのねぼく方向音痴なの…、現在どこにいるのかさ〜っぱりわからないんだ」
神官マルミと魔女ケレナは、お互いの顔を見合わせます…。あまりにも驚くべき秘密で、…2人共飲み込むのに時間がかかりました。
…「クリム(さん)!!」
頭をかきかき謝る…、戦士クリム。
「もっと早くゆ〜べきだったね、黙っててごめんなさい…」
神官マルミと魔女ケレナは、…すぐに作戦会議を開きます。
…「ど〜やら魔物達はいないみたいですから、私が先頭に立ちます。こ〜見えても私道を憶えるのは得意なんです…、だいたい一度歩けば憶えてますから」
狭い通路をすり抜け、神官マルミは先頭に立ちました…。
「まだゆってなかったケド、…アタシ目を閉じてイメージすれば。…これまでに光の精霊ウィル・オー・ウィスプを喚び出した場所は、思い浮かべられるんだ」
そ〜いって…、魔女ケレナは瞳を閉ざします。
「現在地点は、入り口からだいぶ北東に進んでる…。ちょっと待って、…"サイクロプスのぼうし"が"何か"伝えたいみたい。…何々、もっと西が怪しいって」
魔女ケレナは…、神官マルミのうしろに着きました。
「じゃ〜ぼくは、みんなのあとから着いてゆこ〜かな…?」
ビミョ〜な表情で戦士クリムが遠慮がちにゆ〜と、…神官マルミと魔女ケレナは一斉に振り返ります。
…「当然です(でしょ)!」
「ハハハ〜…、そ〜だよねぇ」
勇者のパーティ一行は、神官マルミを先頭に再び地下通路を進みました…。わかれ道に差しかかると、…神官マルミと魔女ケレナは色々話し合いながら進むべき道を決定します。
…「この辺が、"サイクロプスのぼうし"が怪しいって地点なんだケド」
魔女ケレナがそ〜口にすると…、神官マルミの首から下げている「よびケロリン」がチリンチリン鳴りました。
「みなさん気をつけて下さい、魔物達がちかいですよ…」
それぞれの武器を構えて、…3人は魔物達に備えます。
…「あれ現れないねぇ、ど〜したんだろ〜?」
「おかしいんですよ…、"よびケロリン"は魔物が近づくと速く高くなるんですが近づいて来てないみたいなんです」
「ビホルダーの杖」を、高く振りあげる魔女ケレナ…」
「それなら、…こっちから見つけてやっつけよ〜よ!!…アタシ、も〜こんなくっさいダンジョングルグル回るの飽き々々。魔物でもブッ飛ばして…、スッキリした〜い」
戦士クリムも、魔女ケレナに賛成でした…。
「ぼくもその方がゆいと想う、…ここで戦いを避けてうしろから襲われでもしたら危ないよ」
…うなずく、神官マルミ
「そ〜ですね…、どちらにせよ近くにはいるんですから。見つけ出して退治してから、先に進みましょ〜…」
こ〜して3人は、…「よびケロリン」の音を頼りに魔物達を見つけ始めます。