アーシャ南の大陸に舞う その12

アーシャは…、墜落したメカ・ブラックドラゴンのコックピットから。気を失った、ボヘムを救出します…。

「プイプイ」、…ぺぺが倉庫で見つけてくれた長めのロープで。…も〜これ以上悪さをさせないよ〜、ボヘムをぐるぐるに縛りました。

「ぺぺ…、ど〜したらゆいんだろう?ボヘムは身動きが取れなくても、呪文を唱えてモンスターを喚び出すかもわからないし…」

「口をふさげば(殺してしまえそんな意味ではありませんよ)」とも、…アーシャの頭をかすめましたが。…そこまで、手荒な真似をするつもりはアーシャにはありません。

「プイプイ」…、ぺぺは気楽に答えます。

「そ〜よね、一度タマラン村に戻りましょう…。村長さんや誰か村の人が、…"何か"ゆい知恵をお持ちかもしれないし。…ぺぺ、ボヘムを運んでくれる?」

ぺぺはぐるぐるに巻かれたボヘムを担ぐと…、アーシャと共に「竜の角」を降ってゆきます。

「あ村長さん、いらっしゃってたんですか…?」

ぺぺが破壊した、…「竜の角」の入り口に村長さんが頭を丸めた男と共に二人を待っていました。

…「村の者がね、アーシャさまがきっと魔法の呪文でお困りになるだろうと。それで…、私は準備をして少し前に到着したんだよ。では、先生よろしくお願いします…」

村長の前に、…頭を丸めた男が一歩前に出ます。

…「そんな、村長さん私は先生と呼ばれる程の者ではありません。伝説の勇者アーシャさま…、お初にお目にかかります。私の名はマヘロ、タマラン村のすぐ近くのお寺で修行してゆる僧です…」

あいさつを受け、…アーシャは(ぺぺも)頭を下げました。

…「この度は、タイヘンなご迷惑をおかけしました。ボヘムのよ〜な堕落僧は…、本来私達僧自身が取り締まるハズを」

少し話が長くなりそ〜だな、とアーシャは思ったので要点を切り出します…。

「あの〜、…魔法の呪文はど〜すれば?」

…マヘロは、懐をゴソゴソやってお札を一枚取り出しました。

「実は…、魔法の呪文を唱えるのは。口ではなく心なのですよ、だからもし…。さるぐつわを噛ませたにしろ、…それは意味がないのです」

…ボヘムの額に、マヘロはお札を貼りつけます。

「これは"禁呪のお札"…、これでも〜ボヘムはモンスターを喚び出せません。ありがとうございましたアーシャさま、ボヘムの身柄は…。私達が責任を持ってお預かりします、…ダオカーナ寺院で厳しく罰していただくとしましょう」

…こ〜してアーシャとぺぺは、村長さんに連れられてタマラン村に帰って来ました。ソーナを助けてもらったタネシとフレルは…、是非自宅でアーシャ達をもてなしたいと願い出ます。

「タネシ、お前さんの気持ちはよくわかる…。だが、…お前さんのおウチにはお客さんをもてなす程大きさはないだろう。…ウチも大して変わらんが、お前さんのトコよりはな。今夜は私のおウチで…、アーシャさまご一行を歓待させていただくとするよ。よかったら、お前さんも来るとゆい…」

アーシャとぺぺは、…ホレロと共に村長さんのおウチでもてなされるコトになりました。

…「そりゃあご苦労だったね、ボヘムはなかなか手強かったワケだ」

ホレロがパイプの火を灰皿に落とすと…、村長の奥さんの声がします。

「みなさん、お食事のご用意が出来ましたよ…!!」

村長さんのおウチのお座敷にアーシャ達が座ると、…も〜お膳は据えられていました。

…「これが、ごはんですか?」

ごはんを初めて見るアーシャはど〜したらゆいかわかりません…、村長さんやタネシ達は2本の棒を器用に操って食べています。

「アーシャはおはしを使ったコトはないだろうから、自分のスプーンとフォークを持っておいで…。それで、…食べたらゆい」

…ホレロさんは、村長さんやタネシと一緒に。

村長の奥さんからお酌してもらって…、「何か」のお魚を突きながら。

お酒、「コマドリの鳴き声」を一杯飲ってゆました…。

縁側に座り、…お庭に積まれた。

…山のよ〜な、サツマイモをモリモリいただくぺぺ。

「アーシャさん…、このお魚は"アジ"ってゆ〜んですよ。味がゆいから"アジ"って呼ばれるぐらいですから、さぁごはんのお供に…!」

村長の奥さんにすすめられて、…アーシャは骨取りしてある「アジ」をフォークでほじり。

…ごはんにのせて、スプーンでパクリ。

「あぁ〜…、美味しい!!」

村長の奥さんも、思わずにっこりのアーシャの反応です…。

「そ〜でしょう、…このごはんは今年とれたばかりの新米ですからね。…こんなに美味しい想いが出来るのは、今だけですよ」

アーシャは…、すぐにごはんをたいらげると。村長の奥さんに、「おかわりください-!」

と、…元気よく告げたのでした。