果たして…、ダンツの予想通りでした。意識の無いアーシャと工作隊を狙って、モンスター達は次々と襲って来ます…。
「プイプイ」
現在戦っているモンスターは、…ガーゴイル2体。…みなさんは既にご存知の通り、ガーゴイルは遠くから火の玉を投げて来ました。ですから…、ぺぺは大きな体で文字通り盾になってゆます。
「わしはお経を唱え、"魔法の壁"を創る…。そ〜したら、…ぺぺ殿はガーゴイルに突撃してくだされ!!」
…とりだしたお経の、文言を唱えるダンツ。すると…、横にされてゆるアーシャと工作隊の周りが。丸く赤色に、覆われました…。
「プイプイ!」、…それを確認するとぺぺは。
…全力疾走で(決して速くはありません)、ガーゴイル達に突っ込み大きな爪二かきでやっつけます。
「あれ…、私ど〜したの?そ〜だ、ダンツさんが危ないと想ってそれから…?」
空が白み始めた頃、…遂にアーシャは意識を取り戻しました。
…「プイプイ、プイプイ♪」
大喜びのぺぺ…、ぺぺろぐぅは涙を流しませんが。もし人間だったら、泣き崩れてゆたでしょう…。
「ど〜したの、…ぺぺったらそんなに喜んで」
…工作隊の職人さん三人も、ホッと一安心したよ〜です。
「お主はな…、わしをかばったんじゃアーシャ殿。堕落僧に、毒矢で狙われておったわしをの…」
ダンツは、…下を向いたままアーシャにちかづきました。
…「あぁ、あれはその〜。ところで…、ダンツさんはご無事ですか?」
「何か」に、気づくダンツ…。
「わしの身は、…何でもないわい。…そんなコトより、アーシャ殿はも〜少しやすまれた方がゆいじゃろ〜。あまり時間は取れんが…、少なく共今日のお昼頃まではな」
丁寧に、頭を下げるアーシャ…。
「ご迷惑をおかけして、…申し訳ありませんが。…お言葉に甘えて、今しばらくはやすませていただこうと存じます」
とはゆっても…、アーシャは念の為「カリフの剣」と「魔法の盾」は近くに引き寄せます。
それからも、何度となくモンスター達との戦いがありましたが…。ぺぺとダンツは、…何とかアーシャを戦いに参加させずに済ませます。…夜も明けて朝になり、ダンツはぺぺに見張り番を任せて朝ごはんを摂りました。
「わしはな…、アーシャ殿。この南の大陸の、辺境の村ブロンテスに育ったんじゃ…」
お椀にほしいいを盛り、…一口二口すこしだけ水筒からお水をかけるダンツ。
…「ブロンテスの者達はみな貧しい、食べるモノに事欠くコトもある。わしのお家も…、例外では無かった」
アーシャは、うつむきます…。
「しかし子供は大勢ゆる、…わしは小さな頃からずっと働き通しじゃ」
…こんな話を聞くと、アーシャは申し訳なくなりました。アーシャのお家は…、エスタハーン村でもどちらかといえば裕福だったからです。
「わしは、ダオカーナ寺院にお勤め申してから…。精進を苦しいと想ったコトなど一度もないよ、…幼い頃の暮らしの方がずっと苦しかった」
…ダンツもまた、塩こんぶをうまそ〜に噛みました。
「わしは…、だから必ず立派な僧になって。生まれ故郷に錦を飾る、そ〜心に決めておったんじゃ…」
ゆいずらそ〜に、…しばらく黙るダンツ。
…「それが、あんな無茶な誓言になってしもうた。アーシャ殿…、すまなかった」
ダンツは、それだけ語るとアーシャに片手を差し出します…。
ダンツの謝罪のテーマ…
「Georgia on my mind」 Ray Charles
にっこり笑って、…その手を握り返すアーシャでした。