再臨物語again〜春馬町より愛を込めて〜 その58

「ど〜も〜、…おはようございます」

…時刻は朝8:10、勤務は8:30からだが。良太は既に着替えを済ませ…、グループ・ホーム「幸楽苑」の職員用喫煙所で。出勤してくる他の職員にあいさつしながら、「セブン・スター」を吹かしてゆる…。煙草が燃え尽きたら、…さぁお仕事だ。

…「村田さんおはよ〜ございます、川村さんもおはよ〜ございます。今日の朝ごはんは…、いかがですか?」

夜勤の介護士に介助されながら、川村さんは「うん、おいしいよ」と返事をする…。さすがに全員とはいかないが、…大抵の入居者さんに良太はあいさつし。…すでに食事の終わってるトレーを、下膳し始めた。

「おはよ〜良太くん…、先ず下膳からあっも〜やってるか」

食堂に姿を現す、近藤副主任…。

「近藤副主任、…飯島さんとおトイレゆきます」

…良太は、飯島さんの車イスを押しておトイレへ向かう。

「すぐいくから…、ちょっと待って」

配膳カートへ、空のトレーを近藤副主任は運んでゆた…。

「ごめんなさい、…あたしおしっこ出ちゃいそ〜」

…おトイレへ入ると、飯島さんは良太へ訴える。「しようがない」と覚悟を決めると…、体を密着させ飯島さんを立ちあがらせる良太。

「これからズボンを下ろすので、ちょっと待って下さい…」

飯島さんに便座の脇に取りつけてある、…介助バーに掴まってもらい。…その間に、飯島さんのズボンとリハビリ・パンツを下ろした。

「ごめん遅くなった…、やっぱりも〜一人で出来るね」

トイレのドアが開いて、近藤副主任が顔を覗かせる…。

「さぁいきますよ、…それっ」

…良太は飯島さんの腰に手を添えると、体を回転してもらいゆっくり便座に座っていただいた。

「おトイレ済んだら…、そこのボタンを押して下さい」

特別養護老人ホームのよ〜に、大きくておトイレがいくつもある施設だと…。一人の入居者さんが排泄を済ませてる間に、…別な入居者さんを。…他のおトイレに誘導したりするのだが、「幸楽苑」はおトイレ二つしかないのでそこまで目まぐるしくはない。

「申し訳ないです近藤副主任…、飯島さんが我慢出来ないと仰るので」

うんうんうなずく、近藤副主任…。

「いや逆によかったんじゃないかな、…ぼくもも〜そろそろ。…良太くん一人立ちだと考えてたんだ、さっきのおトイレへの。移乗も安定してたし…、よし一人でやってみよ〜か?」

そ〜ゆうと、近藤副主任は良太を離れ下膳を始めた…。素直に嬉しい、…良太である。…すると近藤副主任のP.H.S.に、飯島さんの入ってるおトイレからコールが入った。良太は近藤副主任に声をかけ…、おトイレへ入る。

「お待たせしました、も〜お済みになりましたか…?」

うなずく飯島さんに、…また腰と肩を支え立ちあがってもらった。…今度は車イスのひじかけに掴まり立ちしてる間に、尿取りパッドがズレないよ〜。リハビリ・パンツをあげズボンもあげる。

「今度は車イスに移りますから…、せ〜の」

腰を支える良太に体重を預けながら、飯島さんは体を回転させうまく車イスに座った…。良太が車イスを押して、…飯島さんとおトイレから出ると。…他の介護士が、別な入居者さんを連れて待っている。