アリとキリギリス

更新に間が空いてしまったので、小話を挟みたいと、思います。

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昔々あるところに、キリギリスがいました。
名前を、キリギ・リス安と言います。
季節は、夏でした。
リス安は、昼も夜も、寝る間を惜しんで、ヴァイオリンの練習に取り組んでいました。
それというのも、あの名曲、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第九番、クロイツェル・ソナタを、伝説の名人フリッツ・クライスラーの様に、演奏したかったからです。
リス安「こんな演奏じゃ、まるでダメだ!こんな安っぽい演奏じゃ、ベートーヴェンの偉大な精神なんて、これっぽっちも表現できてない。私に足りないのは、なんだ!神への信仰か?それとも、芸術家への尊敬か?」
そんな様子を心配して、友人のトノサ・マバッタ盛は言いました。
マバッタ盛「リス安、そんなに根を詰めるモンじゃ、ないぜ。お前の演奏は、充分立派だよ。少し体も、大事にするといい…。」
しかしリス安は、食べる物もろくに取らずに、練習を続けました。
一方その時、アリ達は来るべき冬に備えて、食べ物を蓄えていました。
アリ達は、酒もタバコも、やりません。
食べる物も、粗末な物ばかりで、水も少ししか飲みませんでした。
アリ達は、お互いに口にしたものです。
アリ達「今はいいんだ。夏の間は、食べる物も豊富にあるし、その辺に寝ていたって、構やしない。でも、恐ろしいのは冬だ。冬になったら、食べるものはどこを探したって、見つかりはしないし、ちゃんとした寝床も必要だ。もし、ぼく達が独り身だったら、野たれ死んだって、後悔はない。でも、ぼく達には仲間がいる。仲間に、そんな大変な思いをさせるなんて、出来っこない…。」
ある時、ヴァイオリンの練習をしているキリギリスの脇を、一匹のアリが通りかかりました。
そして、リス安に向かって、こう言ったのです。
アリ吉「キリギリスさん、ぼくだって芸術が、神に捧げられた崇高な物だって、わかってる。でもさ、そんな事をしていて、冬になったらどうするんだい?君にだって、奥さんや子供がいるだろう…。今のうちにしっかり働いて、蓄えておかなくちゃ!」
リス安は、話す時間すら、惜しいようでした。
リス安「アリさん、ご忠告痛み入る。でも、心配いらない。私は、一人なんだ。それにね、何より私の内側から湧いてくる情熱が、この曲に向かえ、と急き立てている…。今は、他のことは何も、手につかないんだよ。」
アリ吉もリス安も、お互いにもっと言いたい事はありましたが、所詮生き方が違う、と何も言わずに挨拶だけはして、別れました。
そして、冬になりました。
アリ達は、蓄えていた食事を食べ、暖かい寝床で冬を過ごしていました。
アリ達は、何の不自由もありませんでした。
アリ達は、毎日美味しい物を食べました。
ソファに座って、TVを見たり、DVDの海外ドラマを、全部鑑賞したりしていました。
しかし、段々退屈になっていったのです。
アリ田「何かさあ、つまらないよね…。」
アリ次「あ、やっぱり?ぼくもさあ、刺激が足りないっていうか…。君さあ、なんか面白い話でもしてよ。」
アリ密「出来るわけないだろう!ぼくだって君と同じように、仕事しかしてなかったんだから、愚痴ぐらいしかないよ…。」
アリ達は、日々にウンザリしていました。
しかし、冬はまだまだ続きます。
アリ達は、自分達は地獄にいるようだ、と感じていました。
その時、一匹のアリが叫びました。
アリ吉「そうだ、キリギリスを呼ぼう!」
アリ達は、不思議がりました。
アリ平「キリギリスなんて、何の役に立つんだい?」
アリ吉は、興奮して言いました。
アリ吉「何の役にも、立たないさ!だから、いいんだよ。ぼく達は、あいつに食事と寝床を提供する。あいつは冬の間、ぼく達に、ヴァイオリンの腕前を披露する。どうだい?最高の取引じゃないか!」
アリ達は、喝采しました。
アリ宗呂「そうだ、それはいい!すぐ呼ぼう。でもあいつは、どこにいるんだろう?」
すぐに、アリ吉が答えました。
アリ吉「きっとあいつは、今でもヴァイオリンを弾いてるだろうから、その音を辿っていけば、すぐに見つかるさ…。」
こうしてアリ達は、降りしきる雪の中、リス安を探しに出かけました。
リス安は、すぐに見つかりました。
雪の中、たった一人でヴァイオリンを、弾き続けていたからです。
アリ達は、早速交渉を開始しました。
リス安は、快諾しました。
リス安「今、まさにぼくは、このクロイツェル・ソナタを物にしたところだ。その演奏を聴いてくれるというなら、これ以上の事はない…。」
アリ達とリス安は、アリ達の巣に向かいました。
リス安は、アリ達の巣穴の中に作られた、コンサート・ホールに立ちました。
コンサート・ホールは、満員でした。
入りきれなかったアリ達は、ホールの外にたむろして、漏れてくる音を聞き取ろうと、必死でした。
リス安は一礼すると、すぐに演奏を開始しました。
リス安の演奏は、厳粛でした。
一切の過剰な表現は避け、無駄のない、必要な音だけが必要なだけ鳴っている、そんな演奏だったのです。
それが、アリ達の心を打ちました。
アリ達は、TVやDVDから流れてくる、虚飾に飽き飽きしていたからです。
演奏が終わると、割れんばかりの拍手が、ホールに響き渡りました。
リス安は、再び一礼し、こう言いました。
リス安「私はこの曲を、自分の物にしました。そしてわかった事は、私はクライスラーの足元にも、及ばないという事です。拙い演奏を、我慢して聴いて下さった皆さんに感謝します。私は、これから冬の野原に戻ります。もはや、死んでも何の悔いも、残っていません…。」
コンサート・ホールは、アリ達の怒号に包まれました。
こんな素晴らしい演奏を、素晴らしいヴァイオリニストを、むざむざ死なせるなんて、誰も許さなかったからです。
代表して女王アリが、ステージに上がり、リス安に訴えました。
女王アリ(アリ豊)「キリギリスさん…。あなたのへりくだった慎ましい心は、私達全てのアリを悲しませます。どうか、そんなことは言わずに、私達の元へ、留まって下さい。そして、あなたの気が向く時だけで、いいのです。あなたのヴァイオリンの演奏で、私達の労働に疲れた心を、慰めて下さい…。お願い致します。」
リス安は感激して、涙を流しました。
リス安「女王ともあろうお方から、何と勿体無い…。わかりました、このキリギ・リス安。何の才能もありませんが、力の限り、皆さんのお耳を、楽しませたい、と思います。」
こうして、リス安は夏の間は、ひたすらヴァイオリンの練習に励み、冬になると、アリ達にその成果を披露したのです。
そして、アリ達は夏の間、必死に重い荷物を運びながら、冬になればリス安のヴァイオリンをたっぷり堪能できる、とそれだけを楽しみに、労働に従事したのでした。
勿論リス安を陰で見守り続けていた友人、マバッタ盛もそうした事を喜びましたよ。
 
テーマ曲 「ハングアウトだ!」 つしまみれ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
おまけ
どうも、こんにちは。
オートマールスム(白)です。
好きなイラストレーターは、大空真紀さん。
可愛いイラストを、描かれていますよね。
ぼくは、萌えという言葉は嫌いですし、そういう表現にも興味はありません。
この方のイラストは、萌えとは違うと思います。
嫌らしくへつらい、ご機嫌を伺っていない。
女性として折れていないんです、自分の生き方を。
安易に肌を露出させる短絡的なセクシュアリティではなく、ほのかに香るエロティシズム…。
昔の古い銀幕を華やかに彩った、美しい佇まいの往年の名女優さん方を連想しさせます。
劣等感に同情し合ううす気味悪いモテないオタク同士の"同病相憐れむ"的な、女性の愛し方も知らない稚拙で自分本位なオナニーとしか表現しようのないスケベさを作品とうそぶく軽率な業界と、優れた良い出来の作品には嫉妬し自らの情欲を金を払って満たそうとする事しか頭に無い低脳な脳たりんばかりが「お客様」と呼ばれて並ぶ誤解されやすい環境で、自分のイメージする女性らしい可愛らしさを、堂々と主張される。
不思議な事ですが、彼女のイラストは決して絶対にロリコン趣味ではない…。
表像として描かれている視覚的なデザインに於いては「幼い女の子」の様ですが、そこに内在する精神性は明らかに大人の女性。
この子供の表像を持つ大人の精神性というデザイン・ワークは、初期のドラゴン・クエストのキャラクター・デザインを担当されている鳥山明氏に通じるモノがあるというのがぼくの私見です。
わかりやすく言えば「大人にしか見えない子供」なのですが、芸術表現とは本当に不思議ですね。
人間として、尊敬しています。
素晴らしいことですよね。
女性が少しずつ社会進出を果たしていく現代という時代に、女性自身という立場から魅力的な「女性らしさ」についての表明が為されるという事は、男性本位ではない女性の自立というテーマに於いて非常に有意義であるでしょう!
決して抜群の知名度を誇る方ではありませんが、知名度と作品の完成度との間には一切の相関関係が存在しないという、フツーの知性を使い熟してさえいれば誰にとってもごく当たり前の事実を証明していますよね?
作品とは、先ず常に何よりも「美」でなければならない…。
そして作品がそうである為には、日頃の行いが美しく人の胸を清々しくする生き方でなければならないでしょう。
それはその美しさを、人々から愛されているシアワセからやって来るのではないでしょうか?
女性の美しさは、「食の趣味の良さ」から来ると思ってます…。
余談ですが、食の趣味として最低なのはまず「激辛好き」でしょうねぇ。
逆にいいのは、「旨味好き」な方でしょう。
クラシックな「梅干し」とか、シンプルな「納豆」とか、スウィートな「お味噌汁」とかね。
食は道楽ですから、遊ばないとね。
色遊びくらいは経験しないと、女性の味なんてわかる様にはなりませんわ。
当たり前ですけどね。
何故名だたる文豪や芸人さんが、色遊びに励むのか?少しは考えてご覧なさい…。
愛をお金で買うのではありません。
お金を払って、華を愛でる権利を獲得するのです。
愛するとは何なのかをね!
まあ、恋愛自体が命をかけて本気でやるゲームであり遊びだから…。
この作品は、大空真紀さんに捧げようと思います。
 
「Imagine」 John Lennon
 
余談だけど…。
この方、スゴい美人なんですよ!!
大空真紀さんを見て初めて、美人て何なのか?わかりました。
よく男の顔は、「生き様」だと言うでしょう?
ぼくね、女性は「関係」だと思うんです。
周りにいる人達とのね。
それが美しければ、美しくなるんだと考えています。
では、美しい関係とは何でしょう?
それは「心を込めて」…。
笑顔でありがとう!
悲しい顔でごめんなさい!!
が一生懸命言える事じゃないでしょうか?
それは、同時に知性なのでしょう。
自分がどうして、現在ここにいられるのか?
自分がした事柄が、他人にどう波及したのか?
それを感受性豊かに、「空気を読む」…。
そんな女性から好意を胸に抱いて迎えられるのは、男にとって本望であり大変な名誉です。
何故ならそれは「真実」であり、確かな「現実」なのですから!
そういう女性は、一緒にいてとても気持ちがいいですよね?
そういう気配りの出来る女性が、本当の「美人」ではないでしょうか?
そういう心遣いが、容姿を美しくするのでしょう…。
それがゲームの、基本ルールなのです。
だから…。
ゲーム製作の本質は、おもちゃ造りにあると見た!!!
おもちゃを造って子供達とかに喜んでもらう様な発想と才覚がからっきしだから、今のゲーム市場になんて全然全く何の興味も関心もまるっきりナッシング!!
有能な製作者さんなんて、幾らでもいるのに…。
もったいねぇなぁ。
もったいないお化けがでるよね?
この作品の元ネタは、レッシングの「賢人ナータン」。
キリギリス達の名前は…。
キリギ・リス安(きりぎ・りすやす)。
トノサ・マバッタ盛(とのさ・まばったもり)。
アリ達の名前は…。
アリ吉(ありよし)。
アリ田(ありた)。
アリ次(ありつぎ)。
アリ密(ありみつ)。
アリ平(ありたいら)。
アリ宗呂(ありむろ)。
アリ豊(ありゆた)です。
意味は、特にありません。
この話を、もし面白いと思ってくれた方がいたら、本当に申し訳ないです。
この話は、ほぼ酔った勢いで、何の構想もなく、書き散らした話だからです。
しかも酔っていたので、タバコが上手く巻けず、ずっとイライラしていました。
それでも、話が書きたかったんです。
でも、ぼくなりに矜持の様な物があるとすれば、内PやJAZZが大好きな人間として、アドリブが効かない、という事は、あり得ない、という事でしょうか。
最近色々忙しくて、書けなかったので…。
作品を製作する人間として、一人のファンとして、こういう作品を書いてみました。
でもこれで、改めて帰って来た男達に、向き合えます。
酔っ払いの愚痴に、付き合ってくれて、ありがとうございました。
今、フッと思いついたんですが、信仰とは、自らの精神がそうある様に、言葉で明らかに出来る事、なんじゃないでしょうか?
そして愛とは、それに実感を込めて、耳を傾けられる事で。
すいません、妄想です…。
ちょっと、書き足します。
アニメやゲーム、マンガといった、サブカル畑の人達も、自分はこういう人から影響を受けているとか、このマンガ家さんを尊敬して、作品を作ってるとか、そういう話が活発になれば、いいのにな〜って、いつも思ってます。
いわゆる、リスペクトってヤツです。
ぼくが最初に、作家性というものに興味を持ったのは、飯野賢治氏がキッカケでした。
氏に対する評価は、色々だと思うんですが、氏の媒体での発言や、製作したゲームは高校生だったぼくには衝撃で、思わず「クリエイター」というものを、志してしまいましたね。
なので、元ネタや好きな〜を、いっぱい発言してるんですよ。
かっこよかったなあ、懐かしい。
飯野賢治氏の、ご冥福をお祈りします。
それでは、さようなら?。