私は神さまの声を聞いた

小久保啓一(こくぼ けいいち)は…、都心から少し離れた郊外の二階のある一戸建てに。

お父さんお母さんそれに二つ下の弟・陽二と住む、小学3年生今日は日曜日だから学校はおやすみだ…。

朝8:00外はも〜明るくなりカーテンの隙間から陽が差し込んで…、小鳥もチチチと鳴いてゆたが。

…啓一は高いびき(実際にはまだ子供だからいびきはかかない)だ、そこに一階のリビングからお父さんの大きな声が響く。

「おい起きろ、…朝ごはんだぞぅ!!」

啓一はパッチリ目を覚まし、弟を起こすと一階に二人で降りてゆった…。

小久保家の日曜日の朝ごはんはパンである…、お母さんはベーコン・エッグの乗ったお皿を両手にリビングへ入って来た。

…「昨日はよく眠れた、夜更かししてたんじゃないでしょうね?」

トースターがチンと鳴りトーストが焼けたよ〜だ、…お父さんは新聞を読んでゆる。

こ〜して小久保家の日曜日の朝は始まるのだ、家族でのんびり話しながら1時間程かけて朝ごはんをいただく…。

 

朝9:00になると…、毎週の習慣としての掃除だ。

…お母さんはキッチンで洗いモノを始め、お父さんはリビングのちゃぶ台を片づける。

「ど〜するの、…啓一やる?」

陽二はさっさと子供部屋に戻ってしまう、残った啓一は瞳をランランと輝かせてゆった…。

「うんやるやる…、い〜でしょお父さん?」

…お父さんもお母さんも何故そんなに乗り気なのか不思議である、啓一はおトイレ掃除が大好きなのだ!

啓一の手にはSサイズのディスポでもブカブカである、…しかしおトイレには色々な菌がいるから。

健康と衛生の為には必要なのだ、啓一は早く自分の体が大きくなればともどかしく想う…。

おトイレ用のお掃除シートを一枚取り出して…、ミシン目に沿って半分に裂き。

…先ずは水を貯めるタンクからである、啓一はまるで恋人の体を愛撫するよ〜に。

丹念に丹念にこすり始める、…実際啓一はおトイレに限らないが。

掃除をするコトにある種の宗教的陶酔を感じてゆた、自分が心を込めておトイレをキレイにする…。

するとど〜だろう…、お父さんでもお母さんでも陽二でも。

…小久保家のおトイレに入る人は誰でも、気持ちよく用が足せるのだ。

そこに啓一は興奮した、…自分は誰かの役に立ってゆるとゆ〜実感に。

 

タンクをキレイにしたら、次は床だ…。

隅々まで丁寧に床をお掃除シートでこすり…、汚れを落とす。

…そしたら、次はいよいよ啓一にとってのメイン・ディッシュ。

便座である、…啓一はどれだけ汚れてゆるか楽しみだった。

汚れてゆれば汚れてゆる程、キレイにするのが気持ちい〜…。

おトイレ用お掃除シートを残り半分に変え…、便座の上側を軽く拭う。

…そして遂に便座を持ち上げた、「やった!!」と心が踊り出すのが抑えられない。

先週は陽二がおなかを下していたコトがあったから、…大きい用を足す際にゆるくなったウ◯チが。

便槽の水面に当たってはね、便座の裏側にくっついてしまってゆるのだ…。

「よしよしいいぞ…、なかなか落ちない!」

…ゆるくなったウ◯チはその場で、トイレット・ペーパーででも拭けばすぐ落ちるのだが。

時間が経ってしまうと、…乾いてなかなかしつこい汚れとなる。

だが汚れがしつこければしつこい程、啓一のファイトに火が点くのだ…!!!

「啓一ど〜したの…、大丈夫?」

…20分しても出て来ない、啓一を心配してお母さんがおトイレを覗く。

「も〜少しで終わるよ、…よしッキレイになった!!」

啓一は便座の裏側の汚れを残らず落としてしまうと、ご満悦ださっあとはブラシで…。

便槽の中をこするだけ…、ラクなモノだ。

 

…「よくがんばったわね、ご苦労さま」

お母さんは、…ごほうびにその為に買ってあるコーヒー牛乳をマグ・カップに注いでくれる。

「啓一、陽二を呼んで来て…」

啓一は2階の子供部屋でマンガを読んでいる陽二に声をかけ…、二人揃ってキッチンで。

…コーヒー牛乳のたっぷり注がれた、啓一は大きな陽二は小さなマグ・カップを受け取った。

「二人共、…リビングはまだ掃除中だから。子供部屋で飲んでいいぞ、啓一お疲れさまだったな…」

こ〜して二人はコーヒー牛乳を飲みながら…、遊びに出かけてもゆい10:00を待つのである。

…その時間が、啓一にとっての至福であった。

啓一の脳裏には、…こんな妄想も膨らんでゆる。

秘かに想いを寄せる、絵留(える)ちゃんがいつか小久保家に遊びに来ておトイレを借りる…。

そしてそのキレイさに驚く絵留ちゃんに…、啓一はこ〜ゆうのだから。

…「このおトイレ、ぼくがお掃除してるんだゼ?」とね♪

 

テーマ…

もじぴったんより〜じゅもんをあげるよ〜」 神前暁

https://youtu.be/OlMdsVXljt0