どらねこクエスト〜はらぺこ勇者の大冒険!!〜 その4

怒りに燃えて、…戦士クリムは神殿に向かって駆け出します。…途中で邪魔する魔物をバッタバッタとなぎ倒し、ねこ女神「オー・ラロル」の神殿の門まで来るとメイジちゃんねこが立ちはだかりました。ダブダブのえんじ色のローブを…、メイジちゃんねこは頭からすっぽり被ってゆます。

「ここは通さぬ、あきらめて立ち去るがい〜…」

戦士クリムは「どう?の剣」を引き抜き、…その切っ先でメイジちゃんねこを示しました。

…「何だって、邪魔すると許さない!!」

それを聞くと…、魔法の呪文を唱え始めるメイジちゃんねこ。すると、地面が盛りあがり中からゾンビちゃんねこ達が現れます…。

「お〜ま〜え〜も〜、…な〜か〜ま〜にな〜れ〜」

…戦士クリムを、ゾンビちゃんねこ達は取り囲みました。

「何をゆ〜…、ぼくはお前達なんかに負けないぞ!」

戦士クリムは「どう?の剣」を振り回し、アッとゆ〜まにゾンビちゃんねこの群れをやっつけます…。

「きゃ〜ん、…敵わないぃ」

…残ったメイジちゃんねこに、突撃する戦士クリム。

「魔物め…、覚悟するんだ!!」

悔しそ〜に身を震わし、メイジちゃんねこは手にした杖を高々掲げました…。

「おのれくらうがい〜、…炎のヘクトム!」

…戦士クリムに向けて、小さな火の玉が放たれます。メイジちゃんねこは魔力が大したコトないので…、火の玉も小さいのでした。

「怖くないさ、そんなモノ…!!」

「にくきゅう印の大楯」を正面に構えて、…戦士クリムは突っ込みます。…炎のヘクトムは、ぼわんと音を立て「にくきゅう印の大楯」に当たって弾け飛びました。

「これで…、どうだ〜!」

戦士クリムの鋭い一撃が、メイジちゃんねこを捉えます…。

「痛〜い、…"メギムトゥ"さまに言いつけてやる」

…泣きながら逃げてゆく、メイジちゃんねこ。

「よしここはこれでゆい…、待っててくれサヘラ」

戦士クリムは、神殿の中に入っていきました…。どんどん奥へ進むと、…聖堂の真ん中で巫女サヘラが気を失って倒れています。

…「サヘラ、大丈夫かい?」

巫女サヘラに…、戦士クリムは近寄ろ〜としました。

「余計なコト、すんじゃないよ…!」

その足許に、…轟音と共にいなづまが落ちます。

…「一体何者だ!!?」

「どう?の剣」を引き抜き「にくきゅう印の大楯」を構えながら…、戦士クリムは叫びました。

「あたいの名はカミマル、誰もが怖れる雷の悪魔ねこさ…」

戦士クリムの上空から、…ゆっくりと雷の悪魔ねこカミマルが降りて来ます。…雷の悪魔ねこカミマルは、赤いロング・ヘアーに黄色い瞳。身にまとってゆるのはボンテージで…、手にはやはり革のむちをしならせていました。

「雷の悪魔ねこだって、サヘラを一体ど〜するつもりだ…!」

革のむちで地面を打ち、…音を立てる雷の悪魔ねこカミマル。

…「ふん、この娘はマルトム・クルメ城の女帝ゾフィネーヌさまの元へ連れていき。そこで毎日…、"神さまの焼きさんま"を"メギムトゥさまの為に焼くんだよ」

怒った戦士クリムは「どう?の剣」を振りかざし、雷の悪魔ねこカミマルに打ってかかります…。

「そんな勝手なコト、…させるモンか!!」

…雷の悪魔ねこカミマルは、怪しいステップを踏みました。

「ハッ…、バカの一つ憶えってヤツだね」

その途端、いく筋もの雷が聖堂の中に降り注ぎます…。

「うわぁ〜、…何てパワーだ」

…「にくきゅう印の大楯」で戦士クリムは、必死に防ご〜としますが。雷の悪魔ねこカミマルが発生させた雷の威力に…、思わず気絶して倒れてしまいました。

「アンタなんかに何が出来るってゆ〜んだい、この娘はもらっていくよ…」

雷の悪魔ねこカミマルは巫女サヘラを抱えると、…どこかへ消え去ります。…それから、しばらく経ち。

「クリム…、しっかりして!」

仲間の戦士ネコミミ達に囲まれて、戦士クリムはよ〜やく目を覚ましました…。

「ハッみんな、…サヘラはサヘラはど〜したんだ!!?」

…仲間の戦士ネコミミ達は、お互いの顔を見合わせるとゆい出しづらそ〜に戦士クリムに告げます。

「それが…、どこにもいないの」

悔しくて、自分に腹を立てる戦士クリム…。

「ぼくに力が足りなかったから、…サヘラはさらわれてしまったんだ」

…そんな戦士クリムを、仲間の戦士ネコミミ達は落ち着かせよ〜としました。

「クリム自分を責めないで…、あなたのせいじゃないわ」

「どう?の剣」を鞘にしまうと、戦士クリムは立ちあがります…。

「いや、…やっぱりぼくのせいだ。…ぼくはこれから旅に出る、サヘラを取り戻すまで決して戻らない」

こ〜して戦士クリムの長い冒険の旅は…、始まりを告げました。