どらねこクエスト〜はらペコ勇者の大冒険!!〜 その53

「何だって、…きみはぼくの心の影だってゆ〜のかい!!?」

…手にした「おおトロの剣」の剣先を、シャドウ・クリムは戦士クリムに向けます。

「くくく…、そ〜だよ。お前が生まれてからずっと心の奥底では感じながら、形にしなかった邪な思い…。それがアタシ、…シャドウ・クリムさ!」

…シャドウ・クリムは、「おおトロの剣」を振りあげて戦士クリムに迫りました。「はにゃ〜ぶさの剣」を抜いて…、戦士クリムは迎え撃ちます。火花が散って、シャドウ・クリムの一撃を戦士クリムは見事受けとめました。

「何てすごい力だ、こんなに力のある戦士はそ〜そ〜いないぞ…」

戦士クリムは力を込めて、…シャドウ・クリムの「おおトロの剣」を押し返します。

…「でも力ならぼくだって負けない、これでど〜だ!!」

間合いの離れたシャドウ・クリムに…、戦士クリムは鋭く斬り込みました。

「バカめ、お前の戦い方は全てお見通しだ…!」

シャドウ・クリムは「にくきゅう印の大楯」で戦士クリムの攻撃を受けると、…足を引っかけて来ます。

…「うわっ、何をするんだ!!」

思わず体勢を崩す…、戦士クリム。そこに、シャドウ・クリムは襲いかかりました…。

「すきがあれば容赦しない、…ど〜だ稲光の咆哮!」

…「何っ、稲光の咆哮だって」

稲妻をまとったシャドウ・クリムの突進を…、戦士クリムは「にくきゅう印の大楯」を構えて防ぎます。

「うわ〜、なんて強い力なんだ…!!」

戦士クリムは凄まじい威力の稲光の咆哮に、…弾き飛ばされてしまいました。

…「覚悟しろクリム、これからはアタシがクリムになるんだ!」

地面に倒れた戦士クリム目がけて…、シャドウ・クリムは飛びあがります。ハッと気がついた戦士クリムは、その場で横にゴロゴロッと転がり素早く立ちあがりました…。

「卑怯じゃないか、…倒れてる戦士を狙うなんて」

…「チッ、仕とめ損なったか」

戦士クリムとシャドウ・クリムは…、再び剣を構えて相対します。

「防御してるだけじゃダメだ、こちらから仕かけないと…!!」

はにゃ〜ぶさの剣」で、…戦士クリムはうえから斬りつけました。

…「そんなモノが、一体なんだ」

シャドウ・クリムは…、ゆうゆうその一撃を受けます。しかし、それは戦士クリムのフェイントでした…。

「ど〜だ連続攻撃"ねこキックの嵐"、…そりゃ〜!」

…得意技の連続攻撃を仕かける、戦士クリム。

「フン…、お前の攻撃は全部お見通しだとゆったろ〜!!」

シャドウ・クリムは、戦士クリムの「ねこキックの嵐」にしっかりついて来ます…。そして連続攻撃の合間をぬって、…突きを繰り出して来ます。…しかしそれは、何となく戦士クリムにも予想がついたのでした。

「シャドウ・クリム…、まさかきみはぼくと同じ戦い方をするのか!?」

戦士クリムはシャドウ・クリムの突きを叩き落とすよ〜に、うえから「おおトロの剣」を抑えます…。

「よ〜やく気がついたか、…そ〜さアタシとお前の力は互角。…しかし!!」

どこかに隠し持っていた一握りの砂を…、シャドウ・クリムは戦士クリムの目に向けて投げました。

「うっ、これでは前が見えない…」

思わずうしろに退がる戦士クリムを、…シャドウ・クリムは追い詰めにかかります。

…「戦いは勝ったモノが正義なのさ、思い知るがい〜稲光の咆哮!」

戦士クリムは目が開けられないまま…、必死で「にくきゅう印の大楯」を構えました。大爆発が起きて、戦士クリムはシャドウ・クリムの…。稲光の咆哮が防ぎ切れず、…「にくきゅう印の大楯」を吹き飛ばされてしまいます。

…「稲光の咆哮は、こんなに強力だったのか」

戦士クリム自身も…、そのまま仰向けに倒れました。

「ど〜したクリム、お前とアタシは同じ力を持ってゆる…。いや力だけじゃない、…技もガッツもだ。…だけどアタシは、勝つ為ならどんな手段でも使う。それが…、アタシとお前の違いだ。アタシはお前になる、お前の心の光は闇に屈するのさ…!!」

倒れてる戦士クリムを見下ろして、…シャドウ・クリムは勝ち誇ります。