地震の悪魔ねこ「ナヤワ」の動きは、…戦士クリム達の目では捉えられませんでした。
…圧倒的なスピードで悪魔神殿を駆けめぐり、ありとあらゆる方向から岩石を投げ地を切り裂きます。
「何て速さなんだ…、全く見えない!!」
「かわすったって限界があるよ、全く…!」
時折動きを止める地震のあくまねこ「ナヤワ」は、…その場で足踏みして地震を起こしました。
…「ど〜したど〜した、早く私を倒さないと。悪魔神殿が崩れて…、みんなペシャンコになってしまうぞ」
その時チ〜ンとエレベーターの音が鳴り、神官マルミが駆けつけます…。
「クリムさんケレナさんお待たせしました、…こ、これは」
…地震のあくまねこ「ナヤワ」の動きに目を見張る神官マルミに、魔女ケレナは駆け寄りました。
「マルミ…、アンタ"森のくまさん"の理力の祈祷は使える?」
…「え、ええ出来ますよ、でもそれが」
「森のくまさん」は、…既にあるモノを一時的に3倍に増やす理力の祈祷です。
「細かい説明はしてらんない、アタシは"ホルト・ルドランゴ"を唱えるから…。マルミはそれを…、"森のくまさん"でドンドン増やして」
…魔女ケレナの作戦は、神官マルミにもピンと来ました。
「わかりました、…やってみます!!」
神官マルミは祈りを、魔女ケレナは呪文を唱え始めます…。
「ねこ女神"オー・ラロル"さま…、私はあなたののんびりなお導きに感謝します」
…「現れよ、闇の精霊アーリマン。そして、…私の言葉と踊りを受け取れ」
その間戦士クリムは、地震の悪魔ねこ「ナヤワ」の注意を自分に引きつけてゆました…。
「も〜諦めよ…、安心しろ一息でとどめを刺してやる。…苦しむコトはない、私の手をわずらわせるな」
全力で走り続ける、…戦士クリム。
「ぼくは、何があっても諦めない…。諦めなければ…、必ずチャンスは生まれるんだ!」
…その時魔女ケレナが、魔法の呪文の詠唱を終えます。
「形象を縛れ闇の精霊アーリマン、…ホルト・ルドランゴ!!」
闇の力で生み出されたロープが、地震の悪魔ねこ「ナヤワ」を取り囲みました…。
「ツまらんな…、こんなモノなんだとゆ〜のだ」
…地震の悪魔ねこ「ナヤワ」は、カンタンに闇のロープをくぐり抜けかわします。
「そのぐらいお見通しです、…ある〜日森の〜中」
神官マルミが「森のくまさん」を歌い続けると、「ホルト・ルドランゴ」により生み出された…。闇のロープが…、一つから三つに三つから九つに増えていきます。…「ホルト・ルドランゴ」が「森のくまさん」で増える度、地震の悪魔ねこ「ナヤワ」の走るスペースは少なくなってゆきました。懸命にすり抜ける地震の悪魔ねこ「ナヤワ」ですが、…遂に闇のロープに捕らえられます。
「よ〜しいっくぞ〜、灼熱の…」
しかし地震の悪魔ねこ「ナヤワ」は…、最後の力をふり絞って大地震を起こしました。
…「こ〜なったら、お前達も道連れにしてやる。ハ〜ハッハ、…全てお終いだ。
ゴゴゴ〜ッと地響きが起こり、悪魔神殿は激しく縦に揺れます…。
「キャ〜…」、「こんなの立ってられないよ」
…神官マルミと魔女ケレナは、その場に座り込みました。その瞬間、…戦士クリムは地を蹴って飛びあがります。
「灼熱の旋風改め、不死鳥の飛翔…!!」
ジャンプした戦士クリムは…、グルグル縦に回転する。…炎の車輪となって、地震の悪魔ねこ「ナヤワ」に激突しました。
「ぎゃにゃ〜ん、…ご〜めんなさ〜い"メギムトゥ"さま」
地震の悪魔ねこ「ナヤワ」は、地獄までカッ飛んでゆき地震は治ります…。
「はにゃ〜ぶさの剣」を高々と掲げる…、戦士クリムの周りに。…神官マルミと魔女ケレナが、走り寄りました。
「みんなの力を合わせれば、…怖いモノなんて何もないさ!」
そ〜力強く宣言する戦士クリムに、2人は拍手を送ります…。