どらねこクエスト〜はらペコ勇者の大冒険!!〜 その26

ダークエルフちゃんねこと対峙する神官マルミは、体をフリフリさせてステップを踏みます…。

「咲いた〜咲いた〜…、チューリップの花が」

…光の輪がダークエルフちゃんねこを取り囲みますが、ダークエルフちゃんねこは不敵に笑いました。

「フフフ、…ど〜かな?」

するとパキンと音を立てて光の輪は割れてしまい、地面に散らばります…。

「まさか…、それは"まほうのかっちゅう"!!?」

…そ〜です、このダークエルフちゃんねこは「まほうのかっちゅう」を装備してゆました。「まほうのかっちゅう」には、…理力の祈祷は通用しません。

「ハハハ、思い知ったか…。今度はこちらからいくぞ…、それそれっ」

…「あやしいサーベル」を閃かせて、ダークエルフちゃんねこは攻撃を加えて来ます。神官マルミも「ねこの手も借りたいメイス」と「ステンレスの丸盾」で応戦しますが、…ど〜やら武道の腕はダークエルフちゃんねこに軍配があがりました。

「速くて、それに巧い…!」

徐々に押される神官マルミ…、致命傷こそもらいませんが。…防御するのが手いっぱいで、全く反撃の糸口がつかめません。魔女ケレナは魔女ケレナで、…散々です。ばーばりんちゃんねこ2体に追い回されて、ひっかかれたりかみつかれたり…。

「待つにゃ〜…、全く逃げ足の達者なヤツ」

…何とか捕まらないよ〜魔女ケレナは走り続けますが、い〜加減足にキてゆます。

「ひー、…も〜限界あっ!!」

魔女ケレナは、遂にばーばりんちゃんねこにはさみ撃ちにあってしまいました…。

「さぁ…、覚悟するにゃ」

…おなかをくくって、魔女ケレナは「ビホルダーの杖」を振りあげます。

「あまいにゃ、…お見通しにゃん」

何と何と、魔女ケレナはうしろのばーなりんちゃんねこにはがいじめにされてしまいました…。

「ちくしょ〜…、も〜ダメか!」

…観念して目をつぶる、魔女ケレナ。

その時です、…「とりゃ〜!!」

突如魔女ケレナをはがいじめにしていた、ばーばりんちゃんねこの力が抜けます…。

「や、やられたにゃ…、悔しいにゃ」

…自由になった魔女ケレナは、すぐに身をひるがえして魔法の呪文を唱えました。

「これでもくらいなっ、…炎のヘクトム!」

魔女ケレナのてのひらから火の玉がほとばしり、ばーばりんちゃんねこを吹き飛ばします…。

「アッチチ…、ひ〜んやられたにゃぁ」

…神官マルミに、笑顔が戻りました。

「クリムさん」、…「えっクリム?」

そ〜です2人の窮地を救ったのは、誰であろ〜戦士クリムです…。

「も〜…、2人共。…こんなコトだろ〜と、想ったよ」

戦士クリムの姿を見てとると、…ダークエルフちゃんねこはニヤリと笑いました。

「お前が勇者と名高い、戦士クリムか…。面白い…、相手にとって不足はないな」

ダークエルフちゃんねこのかざす「あやしいサーベル」は、陽の光を照り返してあやしく輝きます。ダークエルフちゃんねこに向かって、…戦士クリムは軽やかに走り出しました。そして体を回転させて、新たな必殺の一撃を繰り出します…。

「いくぞ…、灼熱の旋風!」

…「はにゃ〜ぶさの剣」が火を吹き、戦士クリムの体は炎の渦と化しました。ばち〜んとダークエルフちゃんねこを、…空の彼方まで弾き飛ばします。この「灼熱の旋風」は「はにゃ〜ぶさの剣」の、軽さと斬れ味を活かして…。戦士クリムが編み出した…、新たな必殺の一撃なのです。…「はにゃ〜ぶさの剣」を鞘に収めると、戦士クリムはフゥッと一息吐きました。そして、…神官マルミと魔女ケレナを振り返ります。

「で、2人共ど〜したの…?そんなに手強い魔物じゃないし…、協力すればすぐ退治できるよね?」

…「それは」

「だって」、…2人はしょんぼりして事情を話しました。