ダークエルフちゃんねこと対峙する神官マルミは、体をフリフリさせてステップを踏みます…。
「咲いた〜咲いた〜…、チューリップの花が」
…光の輪がダークエルフちゃんねこを取り囲みますが、ダークエルフちゃんねこは不敵に笑いました。
「フフフ、…ど〜かな?」
するとパキンと音を立てて光の輪は割れてしまい、地面に散らばります…。
「まさか…、それは"まほうのかっちゅう"!!?」
…そ〜です、このダークエルフちゃんねこは「まほうのかっちゅう」を装備してゆました。「まほうのかっちゅう」には、…理力の祈祷は通用しません。
「ハハハ、思い知ったか…。今度はこちらからいくぞ…、それそれっ」
…「あやしいサーベル」を閃かせて、ダークエルフちゃんねこは攻撃を加えて来ます。神官マルミも「ねこの手も借りたいメイス」と「ステンレスの丸盾」で応戦しますが、…ど〜やら武道の腕はダークエルフちゃんねこに軍配があがりました。
「速くて、それに巧い…!」
徐々に押される神官マルミ…、致命傷こそもらいませんが。…防御するのが手いっぱいで、全く反撃の糸口がつかめません。魔女ケレナは魔女ケレナで、…散々です。ばーばりんちゃんねこ2体に追い回されて、ひっかかれたりかみつかれたり…。
「待つにゃ〜…、全く逃げ足の達者なヤツ」
…何とか捕まらないよ〜魔女ケレナは走り続けますが、い〜加減足にキてゆます。
「ひー、…も〜限界あっ!!」
魔女ケレナは、遂にばーばりんちゃんねこにはさみ撃ちにあってしまいました…。
「さぁ…、覚悟するにゃ」
…おなかをくくって、魔女ケレナは「ビホルダーの杖」を振りあげます。
「あまいにゃ、…お見通しにゃん」
何と何と、魔女ケレナはうしろのばーなりんちゃんねこにはがいじめにされてしまいました…。
「ちくしょ〜…、も〜ダメか!」
…観念して目をつぶる、魔女ケレナ。
その時です、…「とりゃ〜!!」
突如魔女ケレナをはがいじめにしていた、ばーばりんちゃんねこの力が抜けます…。
「や、やられたにゃ…、悔しいにゃ」
…自由になった魔女ケレナは、すぐに身をひるがえして魔法の呪文を唱えました。
「これでもくらいなっ、…炎のヘクトム!」
魔女ケレナのてのひらから火の玉がほとばしり、ばーばりんちゃんねこを吹き飛ばします…。
「アッチチ…、ひ〜んやられたにゃぁ」
…神官マルミに、笑顔が戻りました。
「クリムさん」、…「えっクリム?」
そ〜です2人の窮地を救ったのは、誰であろ〜戦士クリムです…。
「も〜…、2人共。…こんなコトだろ〜と、想ったよ」
戦士クリムの姿を見てとると、…ダークエルフちゃんねこはニヤリと笑いました。
「お前が勇者と名高い、戦士クリムか…。面白い…、相手にとって不足はないな」
…ダークエルフちゃんねこのかざす「あやしいサーベル」は、陽の光を照り返してあやしく輝きます。ダークエルフちゃんねこに向かって、…戦士クリムは軽やかに走り出しました。そして体を回転させて、新たな必殺の一撃を繰り出します…。
「いくぞ…、灼熱の旋風!」
…「はにゃ〜ぶさの剣」が火を吹き、戦士クリムの体は炎の渦と化しました。ばち〜んとダークエルフちゃんねこを、…空の彼方まで弾き飛ばします。この「灼熱の旋風」は「はにゃ〜ぶさの剣」の、軽さと斬れ味を活かして…。戦士クリムが編み出した…、新たな必殺の一撃なのです。…「はにゃ〜ぶさの剣」を鞘に収めると、戦士クリムはフゥッと一息吐きました。そして、…神官マルミと魔女ケレナを振り返ります。
「で、2人共ど〜したの…?そんなに手強い魔物じゃないし…、協力すればすぐ退治できるよね?」
…「それは」
「だって」、…2人はしょんぼりして事情を話しました。