どらねこクエスト〜はらペコ勇者の大冒険!!〜 その30

戦士クリム、神官マルミ、魔女ケレナの3人は…、港街メンムの外れにある墓地を訪れました。港街メンムの方達から3人が情報を収集したトコロ、市長の娘さんはこの墓地でさらわれたとのコト…。それで「何か」手がかりになるモノがないか、…調べに来たのです。…帽子のツバをつまんで、魔女ケレナはゆいます。

「みんな気をつけて…、この墓地には地獄の破壊ねこ"メギムトゥ"の魔力がムンムンしてる。アタシの帽子"サイクロプスの帽子"は、魔力をかぎわけるんだ…」

魔女ケレナの言葉に、…戦士クリムはうなずきました。

…「うん何だか怪しいモンね、気をつけるよ」

神官マルミも…、辺りの様子をうかがっています。

「ここでさらわれたんですから、必ず何かしらの手がかりはあるハズです…。じっくり慎重に見つけましょ〜、…陽が暮れるまでまだ時間はありますから」

…陽が暮れて夜になると、魔物達はとてもパワー・アップするのでした。それが…、これだけ魔力のただよう土地ともなるとなおさらです。先ず魔女ケレナが、すぐに気がつきました…。

「クリム、マルミ、…ちょっと来て」

…2人は、すぐ魔女ケレナに近寄ります。

「何、"何か"…、怪しいモノが見つかった?」

墓地のすみに生えてゆる木を、魔女ケレナは指で示しました…。

「見て々々、…この木についてる傷あと。…これってきっと、魔物達がつけたんじゃないかな?」

戦士クリムは…、腕を組んで考えます。

「う〜ん、そ〜かもわからない…。でもこれがけだと、…何ともいえないね」

…あごに手を当てる、魔女ケレナ。それからも3人はあちこち調べましたが…、特に怪しいトコロは見つからずヒントになりそ〜なモノもありません。そ〜こうしてるウチに、だんだん魔女ケレナは飽きてしまいました…。

「あ〜イライラする、…マジメンドくさっ!!…魔物達なんてみんなまとめて攻めて来りゃい〜のよ、そしたらアタシが魔法で片づけてあげるから」

両手で髪の毛をくしゃくしゃにした魔女ケレナは…、そのまま墓地の外の原っぱにふてくされてねてしまいます。

「も〜ケレナったら、しょ〜がないなぁ…」

腰に手を当ててつぶやく戦士クリムですが、…戦士クリムにもど〜してい〜のかわかりません。

…「そ〜ゆえば、マルミはど〜したろ〜?」

神官マルミは…、墓石の一つの前に座り込んでゆました。

「クリムさん、このお墓"何か"ヘンだと想いませんか…?何だか、…不自然に新しいとゆ〜か」

…神官マルミに近づく、戦士クリム。

「なになに…、ど〜ゆうコト?」

神官マルミは、墓標を指差しました…。

「ほら見て下さい、…このお墓に眠られる方は亡くなった日が今から30年も前なんです。…それにしては、この墓石は新し過ぎる」

神官マルミのゆってる内容は…、戦士クリムにはよくわかりません。

「う〜ん、そうだねぇ…」

神官マルミは、…それからもそのお墓にかじりついて調べます。

…「あっありました、クリムさんスイッチです!」

「ホントだ…、やっと見つけたね」

何と墓標の根元の裏側に、まんまるい赤いスイッチが隠されてゆたのでした…。

「押してみましょ〜クリムさん、…ただ魔物達に気をつけて下さいワナかも知れません」

…戦士クリムが「はにゃ〜ぶさの剣」を抜いて構えると、神官マルミはスイッチをポチッと押し込みます。するとゴ・ゴ・ゴ・ゴと鈍い音がして墓石が動き…、何と隠し通路が現れたのです。その音を聞きつけて、魔女ケレナは飛んで来ました…。

「ど〜したの魔物が現れた、…そしたらアタシに任せてみんなやっつけてやる」

…感心してうなる、戦士クリム。

「すごいや…、マルミはど〜やってこんなに難しい謎を解いたんだろ〜?」

あんまり戦士クリムが感心するので、神官マルミは少し恥ずかしくなってしまいます…。

「そんな大したコトありません、…単にお墓を一つずつ調べただけですから」

…神官マルミは何でもないコトのよ〜にゆいますが、魔女ケレナはそ〜想いませんでした。悔しいケド…、マルミのよ〜な丁寧な真面目さはアタシにはない。マルミのよ〜に真面目に勉強すれば、アタシの魔法ももっと強くなるんだろ〜けれど…。

「さすがだね」、…魔女ケレナの口から出た。

…素直な言葉に、神官マルミもニッコリです。