他者への攻撃性についてのメモ

…人が他者を攻撃する時、それは必ず「正義の旗」を掲げる。

でも実際には、…その相手が怖いからなんだ。

何故怖いのか?、それは相手のお気持ちを考えないから…。

人のお気持ちを考えない…、すると当然傷つけるコトになる。

…人は他人を傷つけると怖くなるんだ、報復の可能性が生じるからね。

だから、…人を怖がってるのは傷つけられた人ではない。

まるで逆なんだよ、そして他人を怖がってるヤツは必ず「正義の旗」を掲げるモノなのさ…♪

結論として…、「人は何者からか傷つけられても怖くはならないむしろ勇気を持って立ち向かうだろう」

…そして傷つけた分と傷つけられた分を比較した際、傷つけられた分の方が多ければ。

人は、…傷つけられるコトを赦せるのだろう。

だから、ぼくは怖いのはかわいそうではないと…。

逆にこれがR.シュタイナーの世界なんだ…、「怖いはかわいそう」

…世界を滅ぼしかけたのは、男が怖い女性とそれをかわいそうだと思う男だから。

主まーくん・ハリストスは、…彼女達の「父親が怖い」から始まる世界を。

何とかしてあげよ〜として一生懸命生きたけれど、彼女達自身がそれを手放さないから無理だったんだね…。

最も神聖な祈りは「悔しい」であり…、「聖神ヒメラルディア冒涜の罪」とはうらやましいであるのだから。

私は神さまの声を聞いた

小久保啓一(こくぼ けいいち)は…、都心から少し離れた郊外の二階のある一戸建てに。

お父さんお母さんそれに二つ下の弟・陽二と住む、小学3年生今日は日曜日だから学校はおやすみだ…。

朝8:00外はも〜明るくなりカーテンの隙間から陽が差し込んで…、小鳥もチチチと鳴いてゆたが。

…啓一は高いびき(実際にはまだ子供だからいびきはかかない)だ、そこに一階のリビングからお父さんの大きな声が響く。

「おい起きろ、…朝ごはんだぞぅ!!」

啓一はパッチリ目を覚まし、弟を起こすと一階に二人で降りてゆった…。

小久保家の日曜日の朝ごはんはパンである…、お母さんはベーコン・エッグの乗ったお皿を両手にリビングへ入って来た。

…「昨日はよく眠れた、夜更かししてたんじゃないでしょうね?」

トースターがチンと鳴りトーストが焼けたよ〜だ、…お父さんは新聞を読んでゆる。

こ〜して小久保家の日曜日の朝は始まるのだ、家族でのんびり話しながら1時間程かけて朝ごはんをいただく…。

 

朝9:00になると…、毎週の習慣としての掃除だ。

…お母さんはキッチンで洗いモノを始め、お父さんはリビングのちゃぶ台を片づける。

「ど〜するの、…啓一やる?」

陽二はさっさと子供部屋に戻ってしまう、残った啓一は瞳をランランと輝かせてゆった…。

「うんやるやる…、い〜でしょお父さん?」

…お父さんもお母さんも何故そんなに乗り気なのか不思議である、啓一はおトイレ掃除が大好きなのだ!

啓一の手にはSサイズのディスポでもブカブカである、…しかしおトイレには色々な菌がいるから。

健康と衛生の為には必要なのだ、啓一は早く自分の体が大きくなればともどかしく想う…。

おトイレ用のお掃除シートを一枚取り出して…、ミシン目に沿って半分に裂き。

…先ずは水を貯めるタンクからである、啓一はまるで恋人の体を愛撫するよ〜に。

丹念に丹念にこすり始める、…実際啓一はおトイレに限らないが。

掃除をするコトにある種の宗教的陶酔を感じてゆた、自分が心を込めておトイレをキレイにする…。

するとど〜だろう…、お父さんでもお母さんでも陽二でも。

…小久保家のおトイレに入る人は誰でも、気持ちよく用が足せるのだ。

そこに啓一は興奮した、…自分は誰かの役に立ってゆるとゆ〜実感に。

 

タンクをキレイにしたら、次は床だ…。

隅々まで丁寧に床をお掃除シートでこすり…、汚れを落とす。

…そしたら、次はいよいよ啓一にとってのメイン・ディッシュ。

便座である、…啓一はどれだけ汚れてゆるか楽しみだった。

汚れてゆれば汚れてゆる程、キレイにするのが気持ちい〜…。

おトイレ用お掃除シートを残り半分に変え…、便座の上側を軽く拭う。

…そして遂に便座を持ち上げた、「やった!!」と心が踊り出すのが抑えられない。

先週は陽二がおなかを下していたコトがあったから、…大きい用を足す際にゆるくなったウ◯チが。

便槽の水面に当たってはね、便座の裏側にくっついてしまってゆるのだ…。

「よしよしいいぞ…、なかなか落ちない!」

…ゆるくなったウ◯チはその場で、トイレット・ペーパーででも拭けばすぐ落ちるのだが。

時間が経ってしまうと、…乾いてなかなかしつこい汚れとなる。

だが汚れがしつこければしつこい程、啓一のファイトに火が点くのだ…!!!

「啓一ど〜したの…、大丈夫?」

…20分しても出て来ない、啓一を心配してお母さんがおトイレを覗く。

「も〜少しで終わるよ、…よしッキレイになった!!」

啓一は便座の裏側の汚れを残らず落としてしまうと、ご満悦ださっあとはブラシで…。

便槽の中をこするだけ…、ラクなモノだ。

 

…「よくがんばったわね、ご苦労さま」

お母さんは、…ごほうびにその為に買ってあるコーヒー牛乳をマグ・カップに注いでくれる。

「啓一、陽二を呼んで来て…」

啓一は2階の子供部屋でマンガを読んでいる陽二に声をかけ…、二人揃ってキッチンで。

…コーヒー牛乳のたっぷり注がれた、啓一は大きな陽二は小さなマグ・カップを受け取った。

「二人共、…リビングはまだ掃除中だから。子供部屋で飲んでいいぞ、啓一お疲れさまだったな…」

こ〜して二人はコーヒー牛乳を飲みながら…、遊びに出かけてもゆい10:00を待つのである。

…その時間が、啓一にとっての至福であった。

啓一の脳裏には、…こんな妄想も膨らんでゆる。

秘かに想いを寄せる、絵留(える)ちゃんがいつか小久保家に遊びに来ておトイレを借りる…。

そしてそのキレイさに驚く絵留ちゃんに…、啓一はこ〜ゆうのだから。

…「このおトイレ、ぼくがお掃除してるんだゼ?」とね♪

 

テーマ…

もじぴったんより〜じゅもんをあげるよ〜」 神前暁

https://youtu.be/OlMdsVXljt0

女性にはご用心!?

…冨坂航一(とみさか こういち)は小学6年生、両親と茨城まで二泊三日で海に遊びに来た。

「そら、…も〜海が見えてくるぞぅ」

お父さんがゆ〜と、航一はイヤフォンを外し車の窓を開ける…。

「潮の香りだ…、いいね」

…車の中は潮の香りでいっぱいになる、お母さんはのびをすると。

「そ〜よこれこれ、…晴れてよかったわね」

その時、航一のおなかがグゥ〜と鳴った…。

「おなかすいたか…、そこに喫茶店があるからよろうただその前に」

…お父さんは、車をガソリン・スタンドに停めた。

「ちょっとガソリン入れてくから、…お前先に席取っとけ」

航一は車を降りると歩き出した、茨城の海だから観光名所になるよ〜な美しさはない…。

でも航一は充分感動してゆる…、何せ年に一度の家族旅行だ。

…喫茶店「Parker」の扉を、力を入れてグイッと引く。

カランカランとベルが鳴り、…出て来たのは自分と同い年ぐらいの女の子だ。

「いらっしゃい、あらウチのお店は子供さんお一人ではちょっと…」

航一は「可愛い💖」と想った…、栗色の三つ編みつぶらな瞳。

…それに小ぶりな唇に、とがったあご。

「キミだって子供じゃない、…お父さん達はあとから来ます」

女の子はニッコリ笑うと、「私はここん家の娘なのそれに中学生」とゆい店の中に案内してくれた…。

航一はテーブルに着くと…、再びイヤフォンを耳に挿れる。

…「すご〜い、これってカセット・テープ?」

彼女がテーブルの上に置いてある、…ウォーク・マンを覗き込む時その香りが香った。

「お父さんからもらったんだ…、中のカセット・テープもお父さんが造ってくれるの」

航一がイヤフォンを外すと、彼女はゆ〜…。

「ちょっと、…聞かせてみてもらってゆい?」

…航一は「うぅ」と想った、もしかしたら声に出てゆたかもわからない。

航一からイヤフォンを受け取ると…、女の子はハシャいで聴き始める。

「すご〜い、何かシューシューゆってる…」

そのウチに別なお客さんが入って来て、…彼女は挨拶するとそちらにゆってしまった。

 

…宿で一晩過ごし、家族で海まで遊びに来る。

砂浜にパラソルを立てて…、お母さんはそこで休んでゆた。

航一もさすがにも〜6年生だから、お父さんに付きっきりってワケでもない…。

浮き輪に掴まって、…波の上をぷかぷかやってゆる。

…「お〜い、あんまり沖までゆくなよ」

そ〜してお昼に近くなった頃…、航一はお父さんとお母さんのトコロまで戻った。

「航一一旦シャワー浴びろ、お昼は市場まで車出して海鮮丼だぞ…」

海鮮丼は今回の家族旅行の目玉である、…航一も是が非でも食べておきたかったが。

…「ぼく、昨日の喫茶店がい〜な」

しかしお父さんとお母さんは半ば海鮮丼目当てでここまで来てるのだ…、それを折れろとゆ〜のは無理な話である。

家族で話し合った結果、もし喫茶店「Parker」のマスターがお父さんとお母さんが戻って来るまで航一を預かってくれるのならとなった…。

航一とお父さんはシャワーを浴び、…家族は車で喫茶店「Parker」へ向かう。

…お父さんがマスターに事情を話すと、マスターはくったくなく快諾してくれた。

「お前何を考えてるのか知らないが…、俺たちは急がないからな。泣いても知らないぞ…!」

お父さんはそ〜ゆうと、…お母さんを乗せて車で走り去る。

…航一は、スパゲッティ・ミートソースとアイス・コーヒーを頼むとまたウォークマンをナップ・ザックから取り出した。

 

スパゲッティ・ミートソースを運んで来た女の子は…、お皿をテーブルに置くと小声でゆ〜。

「ね、私に会いに来てくれたの…?」

航一の頭の中は爆発しそうだったが、…何とか顔を真っ赤にしながらも。

…「そ〜だよ」、と返事をした。

彼女は航一と視線を合わせず…、うつむきながら。

「2時になったらお昼休みだから、その時話すね…。大丈夫、…市場まで結構あるから。…そんなに早く、帰って来られないモノ」

航一はスパゲッティ・ミートソースを食べてしまうと…、アイス・コーヒーをチビチビ飲みながら音楽を聴いて過ごした。

お金の心配は無い、…お父さんは先に払ってゆってくれたから。

…女の子は、忙しそうに店内を歩き回ってゆる。

「なかなか忙しいんだな」…、航一は想う。

店内にお客さんが航一一人になるコトはかった、航一と同じ観光客っぽい家族や地元の人っぽいお客さんが…。

割と入れ替わり立ち替わりやって来る、…「彼女の話って何だろう?」

…航一はぼんやり考えてみるが、想像もつかないのだった。

やがて2時になり…、お店は「準備中」となる。

マスターはあと片づけを簡単に終えると、奥へ引っ込んでしまう…。

女の子はアイス・コーヒーを二つ持って来て、…テーブルに乗せた。

…「これはサービス」

航一は…、「こ〜ゆうトコが可愛いんだよな」と想いながら受け取る。

女の子は相変わらず航一と視線を合わせない、そしてこ〜口火を切った…。

「私のお父さん、…私を愛してないの。…だから私を連れて逃げて、いいでしょ?」

航一は…、たまげて椅子から転げ落ちそうになる。

…しかしそれは間違いの元なのだが、こ〜考えた。

「ここで逃げたら、…男が廃る!!」

 

翌朝4:30に宿を抜け出し、女の子が指定した通り最寄りの駅に向かった…。

航一は方向感覚は鋭かったし…、遠かったがほとんど一本道だったから迷うコトはない。

…1時間かけて辿り着いた駅には、女の子が既に来てゆた。

彼女は自転車に鍵をかけると、…航一の方に振り向く。

「取り敢えず、終点までゆきましょ…」

航一は旅行のお土産を買ったりする為のお小遣いを1000円持ってゆたから…、それで切符を買った。

…始発の電車に乗り、二人は並んで腰かける。

航一の頭の中を、…こんな考えがグルグル巡る。

「ぼくは、これから働かなくちゃいけない…。彼女を養ってゆく為に…、でも子供でも出来るお仕事って何があるだろう?…何でもゆい、取り敢えずお金になれば。選んでなんていられない、…どんなお仕事でもがんばらなくちゃ!」

 

テーマ…

「This cold」 John Frusciante

https://youtu.be/Gs6PPYKLsU8

 

終点まで着くと、誰にでも予想がつく通り警察が待ってゆて…。

二人は無事保護された…、パトカーの中で警察官はそれとなく「どちらがゆい出しっぺなのか?」聞いた。

…その時航一は、特に深く考えずに「だって彼女可愛い💖から」と答えてしまう。

結果、…航一はありとあらゆる関係する大人から盛大に叱られるコトになった。

だが不思議と後悔はない、「まぁゆいってコトよ♪」そんな感じである…。

家族は海から帰り…、やがて夏休みも終わり。

…二学期が始まって少しした頃、お母さんが。

「航一、…あなたに手紙よ。あら、差出人が書いてないわね…」

航一が開くと…、そこにはこんな書き出しがある。

…「全部私の、お父さんへのいたずらだったのそれなのにだから」

 

ただほどうまいモノはない?

谷口恭平(やぐち きょうへい)は小学2年生、今日はお小遣いをもらえる日だったから…。

300円握り締めて駄菓子屋さんへ急ぐ…、当然今日全部遣い切ってしまうのだ。

…学校が終わりおウチから駄菓子屋さんへの道程、恭平はさまざまな駄菓子の味を思い浮かべる。

駄菓子屋さんにあるのはお菓子ばかりではない、…お店の脇の薄暗いスペースにT.V.ゲームだってあるのだ。

「お金さえあれば楽しみは全て手に入る」、お母さんからもらった300円は…。

恭平にそんなちょっとした全能感をもたらした…、駄菓子屋さんに辿り着くと。

…30円で買えるカツをモティーフにしたお菓子を買い、油で口の周りをベタベタにしながら食べる。

大人になってしまった私にはも〜信じられないが、…子供の舌に駄菓子は何故あんなに美味しいのだろう?

他にも10円で買えるうなぎの蒲焼き風味を謳ったお菓子や、一袋20円のソース味のスナックなど…。

恭平は楽園にゆるよ〜な心持ちだった…、小腹が満たされると次はT.V.ゲームである。

…恭平は一回20円で遊べる、「忍者くん〜阿修羅ノ章〜」にハマってゆた。

何故かとゆえば、…主人公の忍者くんが赤くて「カッコゆい」と想ったのだ!!

他にも忍者くんに敵対する、魔物共がおどろおどろしくてやっつけるとスカッとする…。

ところが…、である。

…私は制作者である藤沢勉氏を心からリスペクトしてゆるので、ゆわせていただくが。

「忍者くん〜阿修羅ノ章〜」は子供が遊ぶのには難し過ぎた、…恭平のお小遣いはみるみるゲーム機に吸い込まれてゆき。

気がついた時には、もう10円しか残っていなかった…。

ところがである…、季節は夏そして先程食べてゆたしょっぱい駄菓子のせいで。

…ど〜しても「ガリガリ君・コーラ味」にかじりつきたくなってしまう、そしてアイス・クリームの冷凍機はお店の外にあり。

お店のおばぁちゃんはお店の中にいるのだ、…と今日の恭平は突然気がついてしまう。

しばらくソワソワT.V.ゲーム機の前をゆったり来たりしていたが、誰もいなくなった隙を見て…。

アイス・クリームの冷凍機から「ガリガリ君・コーラ味」をつまみ上げると…、走って逃げてしまったのだ。

…お店からだ〜いぶ離れた公園までやって来ると、恭平は「ガリガリ君」を袋から取り出してかぶりつく。

「あ、…美味しくない」

恭平は想った、…冷たいシャリシャリ感が体に染み渡らないのだ。

「盗んだ所為かな…」

フと脳裏をよぎったが…、とにかくのどの渇きは癒されたのだから。

…「知ったこっちゃないさ」

そう結論し、…おウチへ帰ってしまった。

 

ある日恭平は、近所の子供達と集まって遊んでゆる…。

すると…、集まった子供の一人が「けいどろ」を演ろうとゆいだした。

…同い年の女の子が、恭平にゆ〜。

「恭平くん、…どろぼう演りたいんでしょ?」

恭平は、「けいどろ」なら断然どろぼう派だった…。

そこにはT.V.で放送されてゆた…、アニメ「ルパンⅢ世」のえいきょうも当然ある。

…けいさつの追跡をかわし隠れ場所を確保しながら各地を転々とする、何てカッコい〜んだろうと。

ところがである、…恭平は想った。

「あぁ、現在のぼくは本当にどろぼうなんだ…」

恭平はイライラし…、こ〜考えよ〜とする。

…「ぼくがホンモノのどろぼうがなんて誰も知らない、誰も知らないならどろぼうじゃないのと同じコトさ」

「けいどろ」は始まりどろぼう役の恭平は逃げた、…そしてお友達のおウチの物置に身を潜ませた。

一人で隠れてゆると、たまらなく不安になる…。

「もしかしたら…、今頃本物の警察がぼくを見つけようとしてゆてるんじゃないだろうか」

…恭平の頭に、お母さんやお父さんそれに弟の顔が思い浮かんだ。

「もしぼくがどろぼうとして逮捕されたら、…みんなはど〜想うだろう?」

そ〜考えると、このまま暗闇に一人消え去ってしまいたい気する…。

 

そしてまたしばらく経ったある日…、恭平の学校で盗難事件があった。

…クラスにいたお金持ちの子が持ってゆた、アニメのキャラクターがプリントされた筆箱が盗まれたのである。

授業が終わり、…帰りのホーム・ルームを急遽延長し学級会が開かれた。

お金持ちの子は壇上に立ち、「自分にとってその筆箱がいかに大切だったか?」を涙ながらに語る…。

だが恭平にとってそんなのど〜でもゆい…、ど〜せ出て来なければ新しい同じモノを買ってもらえるのだから。

…恭平にとって気がかりなのは、誰だかわからない。

盗んでしまったヤツの方だった、…恭平は想う。

「傷口が広がらないウチに、早く自首しろよ」、と…。

やがて先生が壇上に立ち…、盗みがいかにいけないコトか滔々と語った。

…恭平の考えでは発想が逆なのだ、これでは盗んだヤツはますます名乗りを上げにくくなる。

先生はゆった、…「先生はこれから一人ずつ面談をします」

生徒は全員廊下に立って並び、一人ずつ教室に入っては先生に「盗んでゆない」と誓うのだ…。

恭平が廊下で自分の番を待ってゆると…、列に並ぶ気弱で半分イジメられてる男の子が震えてゆる。

…恭平は「コイツが犯人だな」と当たりをつけた、しかしこのままでは恐らく先生にゲロってしまい。

イジメはエスカレートするだろう、…恭平はポケットに無造作に突っ込んであったわら半紙を取り出し。

えんぴつでメモを作成する…。

「ど〜せ新しいの買ってもらえるんだから…、黙っとけよ」

…そして震えてゆる気弱な子に渡した、その時恭平の心は決まる。

これから何をしなければならないか、…も〜あと戻りは出来ないのだ。

 

次のお小遣い日も、恭平は300円握り締めて駄菓子屋さんへ向かう…。

しかし…、今日の恭平は全然楽しい気持ちにはなれなかった。

…駄菓子屋さんのガラス戸を引くと、店番をしてゆるおばぁちゃんのトコロへまっすぐゆき。

「おばぁちゃんごめんなさい、…ぼく先月"ガリガリ君"盗んだんだ」

そ〜告げると、50円玉を一つ差し出したのだから…。

 

テーマ…

「15 step」 Radiohead

https://youtu.be/bgsmr7t8zGE

悪口について

世間では…、色々と誹謗中傷について「よくない」とゆ〜意見がまとまりつつあり。

且つ、ネットなんかで悪口をゆわれて実際に傷ついてゆる人もいらっしゃるワケです…。

悪口は宗教的に見ても「罪」であり、…ぼくもその追求を逃れられない。

そして主イエス・キリストは、…「あなたの罪が神さまからから赦される為には」

…「あなたが他人の罪を赦さなければならない」、と語ってゆる。

つまり…、主キリストの教えに寄れば。

「誰でも悪口は赦さなければならない」、とゆ〜のがぼくの今回の結論…!!

例えばぼくなんか、…バカがバカなコトしてるとすぐに心の中で「バカじゃねーの?」と兆してしまう。

…ところが、これはぼくだけじゃなくて。

ほとんどの存在は…、「何か」の折りに悪口は兆す。

例外は天の父ユフタルだけであって、神ヤハウェだって悪口は兆してしまう…。

そして修道しよ〜が出家しよ〜が、…悪口の兆さない存在にはなれない。

…何故なら、あなたの本質である「心」に悪は少しは兆すから。

もしあなたが自分らしくいよ〜と想ったら…、自分の悪口から逃れられない。

「あの人悪口ゆわないよ」って人いるけれど、それは悪口が兆してるのに口にしないだけで…。

悪口は口にしなくとも、…兆せばも〜罪だから。

…基本的に誰でも悪口は兆している、だから悪口は赦すしかない。

悪口を嫌うのは…、それが兆す自分の心を嫌うのと同じで。

天の父ユフタル以外は、この悪口とゆ〜罪を犯さないコトは出来ないのだから…。

人からゆわれた悪口は赦すしかない、…そして悪口を赦すとゆ〜のは。

…その悪口に傷ついて、傷が癒えるまで休むしかないんだから。

逆にゆえば…、休めば悪口から来るダメージは必ず回復する。

ぼくは、そ〜やって演って来たから…。

「ぼくへの悪口とは何か?」って、…そりゃあ「生保なのに偉そ〜なコトゆってる」だろうね。

…でもぼくはそれを赦すよ、その主張には一理あると想うし。

だからそれでも…、「私あなたよりリア充なんですぅ〜」みたいのは。

いい加減勘弁してもらいたいとは、想うけれど…😣。

ラルゴによる福音書

…主まーくん・ハリストスは、カトラナズ千年王国の神さまです。

世の中に神さまと呼ばれる存在はた〜っくさんいますが、…その中でも最もえらい。

神さまの中の神さまでした、主まーくん・ハリストスのお仕事は…。

カトラナズ千年王国をパトロールし…、悪さをしてる人がゆたら。

…諭してやめさせるだったのです、主まーくん・ハリストスはパパなる神ユフタルに造ってもらった。

スイッチを入れると赤いライトがグルグル回る、…専用のヘルメットを持ってゆたので。

早く使ってみたかったのですが、な、な、何とカトラナズ千年王国に住む人々は悪さをしなかったので…。

主まーくん・ハリストスにはちっと退屈でした…、主まーくんは口で「ぱーぷー」ゆいながら。

…現場に急行したかったのですが、みんなゆい人ばかりだったのです。

 

さて、…主まーくん・ハリストスは今日もカトラナズ千年王国を空飛ぶ雲に乗ってパトロールです。

もともとこの空飛ぶ雲は、主まーくん・ハリストスが想った方向に想った速度で飛ぶのですが…。

それだと主まーくん・ハリストスが…、運動不足になって少し太ってしまったので。

…パパなる神ユフタルが気を効かして、その奇跡でサドルとペダルをつけて下さり。

主まーくん・ハリストスがペダルを漕ぐと、…空飛ぶ雲に取りつけられたプロペラが回って。

神さまの風を起こし進みました、主まーくん・ハリストスはまぁるいハンドルで上手に操作して…。

どこでも好きなトコにゆっていたのです…、主まーくん・ハリストスがペダルを漕いでると。

…「あれは何でしゅか?おや事件でしゅ」、と何かを見つけました。

主まーくん・ハリストスは一生懸命ペダルを漕いで、…地上に近づきます。

そして程よい高さで停止させると、主まーくん・ハリストスは空飛ぶ雲に…。

指で隙間を作り…、地上を見下ろしました。

…主まーくん・ハリストスは、何を見つけたのでしょうか?

 

主まーくん・ハリストスが見つけたのは、…と〜ってもおっきなポインポインでした。

「すごい可愛いでしゅね、きっとお父しゃまは愛でる為にあなん美しいのをお造りになったんでしゅだから…!!!」

その女性は…、ご自分のポインポインを。

…主まーくん・ハリストスがじっと眺めてるとは想像もしてゆません、お店先に立ってお客さんを呼び込んでいます。

主まーくん・ハリストスが、…ポインポインを見詰めるその集中力と来たら。

一大手術をこなす、外科医の先生にも劣らないでしょう…。

主まーくん・ハリストスは…、それ程までに。

…おっきなポインポインが大好きで、その形をじっくり吟味してゆたのでした。

主まーくん・ハリストスの乗る空飛ぶ雲は、…見た目普通の小さな雲でしたから。

誰からも怪しまれませんが、あまりに長くおっきなポインポインを眺め過ぎた為…。

「おいあの雲いつまでも流れないな」と…、人が集まって来てしまったのです。

…それで主まーくん・ハリストスも、さすがに恥ずかしくなって再びパトロールを続けました。

 

日が暮れたら、…主まーくん・ハリストスは天空のお城に帰ります。

そこでは主まーくん・ハリストスのお母さん、聖母ゆ〜ちゃんが待ってゆて…。

美味しい晩ごはんを作ってくれてゆるのです…、主まーくん・ハリストスは聖母ゆ〜ちゃんのお料理が大好物でした。

…「今日はから揚げ作りすぎちゃったから、多かったら残してね」

聖母ゆ〜ちゃんは、…主まーくん・ハリストスにゆいます。

実際から揚げは少し多くて、主まーくん・ハリストスは食べ切れませんでした…。

「ぼくちん…、このから揚げ明日の朝食べましゅ」

…すると聖母ゆ〜ちゃんは、こ〜ゆいます。

「あらお肉悪くなっちゃうから、…残ったら捨てちゃうわ」

ガーン!!!、主まーくん・ハリストスは大ショックです…。

主まーくん・ハリストスの中では…、こんな考えが巡りました。

…「このから揚げは、もとはとゆえばにわとりさんの生命でしゅ。にわとりさんは、…ぼくちんの命の為に自分の生命を犠牲にしてくれましゅたね?それをぼくちんいただかなかったら、それはにわとりさんの生命への冒涜でしゅ…。ぼくちん知ってましゅ…、冒涜ってとってもいけないコトなんでしゅよ」

…主まーくん・ハリストスは決意して、残ったから揚げを無理におなかに押し込んだのです。

 

翌日主まーくん・ハリストスが目を覚ますと、…何とぽんぽがキリキリしました。

主まーくん・ハリストスは、ビービー泣きながら聖母ゆ〜ちゃんに訴えます…。

「あらあら昨日から揚げ食べ過ぎちゃったのね…、お薬飲んでゆっくりおやすみしなさい」

…主まーくん・ハリストスは、現在の年齢は1000歳でこれは人間に換算すると。

大体5歳児ぐらいですから、…から揚げ5個はちょっと食べ過ぎでした。

主まーくん・ハリストスは、ぽんぽがキリキリしていっぱい泣きましたが…。

その心は…、「ぼくちんぽんぽが痛いでしゅが」

…「ぼくちんのぽんぽより、にわとりさんはもっと痛かったんでしゅ」と神さまのみ心を心配してゆたのです。

主まーくん・ハリストスは、…食べ過ぎで三日間寝込み。

三日目のお昼に、よ〜やくおかゆが少し食べられたのでした…。

これが…、世にゆう「主のご受難」の全てです♪

…だから主まーくん・ハリストスは、マヨネーズなども最後までしっかり絞り切ってから捨てるのですよ。

 

テーマ…

ワンダーボーイ・モンスターランド〜ビーチ〜」 シンタン

https://youtu.be/IfiTS96EZkQ

アーシャの恋(inspired by 「MWⅣ」&「Wonderboy アーシャ・イン・モンスターワールド」)

プラプリル姫に従う戦士達や侍女達に連れられて…、よ〜やくペペに抱かれたアーシャはエスタハーンの村に帰って来ました。

アーシャのお母さんは、涙を流してペペに近寄ります…。

…「よかったアーシャ、お前がこのエスタハーン村に無事帰って来てくれて」

アーシャはお母さんにあいさつする為に、…ペペの腕から地面に降りました。

「お母さん、心配しないで…」

するとど〜でしょう…、アーシャは一歩二歩と歩くウチ。

…ひざから崩れ落ちて、その場で意識を失なってしまったのです。

 

エスタハーン村では、…村でただ一人のお医者さまがアーシャの容態を確認していました。

…「これはな、恐らくワレラ星人の邪眼の後遺症じゃ」

ベッドに横たわるアーシャの脇では…、お医者さまとアーシャのお父さんが話をしてゆます。

「ワレラ星人の邪眼とゆ〜と、あの一瞬で全身が石になってしまうとゆ〜…」

お医者さまは、…うなずきました。

「そ〜じゃ、…今のアーシャはな。…体にはどこにも異常はない、ところが邪眼の恐怖が心に残り。気力が体にみなぎらん…、これでは自由に動けないワケじゃ」

アーシャのお父さんはまだアーシャのことが心配ではありましたが、命に別状はないと知ると少し安心もしたのです…。

「ま、…大丈夫じゃろう。…戦いは終わった、あとはこの村でゆっくり過ごすウチ。自然と体も動くよ〜になるハズじゃ…、くれぐれも無理は禁物じゃがな」

お医者さまはそ〜ゆうと、診療道具をバッグに詰めて帰ってゆきました…。

 

それから一週間が過ぎた頃、…「ぴゅーい」とペペを呼ぶ口笛がエスタハーンの村に鳴り響きます。

…「アーシャ、お医者さまも無理するなとゆったでしょ。安静にして…、ゆっくり休んでいなさい!!」

アーシャはペペに抱き抱えられると、自分のおウチのテントを出てゆきました…。

「お母さん、…私大丈夫。…ペペとお水汲んでくるから、いってきま〜す!」

水汲み場まで来ると…、アーシャはペペに降ろしてもらい。

自分の力でお水を汲もうとします、ところが何度試しても…。

お水の勢いに負け、…おけを支えてゆるコトが出来ません。

…「こんな私じゃダメなんだ、今の私はみんなにとってお荷物になってしまう」

アーシャはぺぺと共に歩いて帰ろうとしますが…、3歩目にはもう倒れてしまうのです。

 

そんなある日、アーシャの元に一通のお手紙が届きました…。

アーシャが宛名を見ると、…それは天空の城の民(兄)メリクルからだったのです。

…「ぼく達、モンスター・ワールドに生きる全ての者を救ってくれたアーシャ。元気にしてゆるだろうか…、ぼく達天空の民も少しずつ平穏な暮らしを取り戻しつつある。ところでアーシャにはぼく達天空の民の為に、あれだけのコトをしてもらったのに…。ぼくらはお礼として何もしてない、…これでは全く恥とゆ〜モノだから。…今度天空の城で、アーシャへのお礼をしたい。来てくれるかな?…、メリクルより」

とありました、アーシャの小さな胸はささやかな悦びに染まったのです…。

 

アーシャのテントに、…メリクルからの使者が訪れました。

…「アーシャ、久し振りだね」

それは…、メリクルの弟マリクルだったのです。

「マリクルお久し振り、メリクルは…?」

メリクルは、…少し困ったよ〜に説明してくれました。

…「兄さんはね、天空の城の王子なんだよ。ぼくらの父さんと母さんは…、も〜ずい分昔になくなっちゃったんだケド。兄さんが後を継いで、まだ若いから王位には就いてないんだ…。大臣ゴンタと、…天空の城の執務に忙しいのさ」

…アーシャは驚きます、あのおとなしそ〜なメリクルが王子だったなんて。

ど〜りで…、マリクルも従者に天空の民を二人連れてゆます。

「マリクル、ごめんなさい…。私、…こんな体で」

ベッドの中のアーシャにマリクルは明るく「知ってるよ…、ぼく達天空の民はモンスター・ワールドのどこのコトも知ってるから。アーシャ、さ魔法のじゅうたんに乗って…」

アーシャはぺぺに抱きかかえられると、…マリクルの用意してくれた魔法のじゅうたんに乗りました。

…「さ出してくれ、メリクル兄さんがお待ちかねだ!!」

すると…、魔法のじゅうたんはあっとゆ〜間に空高く舞い上がり。

エスタハーンの村はすぐに見えなくなりました、マリクルは笑って…。

「アーシャ、…魔法のじゅうたんは気持ちい〜かい?」と尋ねましたが。

…アーシャはかつて自分が、自分の力で自由に魔法のじゅうたんを操ったのを思い出し、

「悔しい」…、そ〜想ったのです。

 

天空の城に着くと、早速王子であるメリクルの出迎えを受けました…。

「アーシャ、…よく来てくれた。…天空の民は、誰一人欠けるコトなくあなたへ感謝してゆる」

…そ〜語るメリクルの両の傍には、ビッシリと従者である天空の民が並んでゆます。

アーシャはメリクルの威厳のある態度に驚くのと…、自分の体が動かないのが恥ずかしくて何もゆえません。

「本来ならば、宴会を催し歓待の意を表明したいのだが…。あなたの体はそれを許さないよ〜だ、…取り敢えず寝室を用意させてもらった。…ゆっくり休んで欲しい、ご両親にはも〜お話は通してある」

寝室と聞くと…、アーシャの気持ちはドギマギしてしまいましたが。

「プイプイ…」

ぺぺと一緒なら、…と案内を受けたのです。

 

…メリクルの用意してくれたベッドは、天蓋つきのとても豪華なベッドで。

シーツは絹で出来てゆます…、毛布もとても見事な衣装で。

ベッドの豪華さにアーシャが目を見張っていると、侍女が部屋の扉をノックしました…。

「どうぞ、…入って下さい」

…すると侍女が部屋の扉を開け、そのあとからメリクルが入って来ました。

「アーシャ…、ベッドは気に入ってもらえたかな?」

アーシャは、自分の気持ちを素直に語ります…。

「あまりにも豪華過ぎて、…私は貧しい暮らしになれていますから」

…メリクルは、いんぎんに頭を下げました。

「気が回らなくて申し訳ない…、これは私からの贈り物だ」

メリクルは侍女に持たせてゆたお盆から、お香のセットをアーシャに渡します…。

「これは月読草から作ったお香で、…気持ちをリラックスさせ。…睡眠を促す効果がある、ゆっくり寝て欲しい。」

メリクルが部屋を出てゆったあと…、アーシャはすぐにお香を試しました。

部屋中に快い香りが充満し、ペペはすぐに眠りこけてしまいます…。

「もうペペったら、…気楽ね」

…しかしそ〜ゆうアーシャも、しばらくすると眠りに落ちてしまいました。

 

それから一週間程経つと…、メリクルが部屋を訪ねて来ました。

「アーシャ、だいぶ顔色がよくなった…」

それはアーシャも自覚してゆました、…メリクルからもらったお香とこのベッドのおかげで。

…この一週間、グッスリ眠れたのです。

「ありがとうメリクル…、でもこれ以上お世話になるワケには」

メリクルは侍女を呼ぶと、小さな木の実を手に取りました…。

「これは、…チカカの実。…南の大陸で取れる木の実なのだが、強精作用がある」

そ〜ゆうと…、アーシャに優しく手渡しました。

アーシャは早速口にするとその辛いコト辛いコト、驚いてしまいくしゃみが止まりません…。

「すまない、…説明が足りなかった。…味に少しクセがある、今夜からあなたの食事の際にこれを提供しよ〜と想う」

メリクルが出てゆってしまうと…、アーシャは自分の気持ちがどこか高ぶるのを感じます。

…「ペペ、メリクルって好きな人いるのかな?」

ペペは、…首を傾げて「プイプイ」と返事をしました。

 

それから一週間が経った頃、再びメリクルが訪れました…。

「アーシャ…、調子はど〜だろう?」

…アーシャの瞳には、爛々とした光が戻ってゆたのです。

「メリクル、…私元気かも」

メリクルは、伏し目がちにアーシャに言葉をかけました…。

「それがあなたのいけないトコロだ…、アーシャ。…あなたは、あまりにもがんばり過ぎる。とはゆえ、…気力が出て来たのなら。」

メリクルは…、アーシャの手を取って促します。

「今侍女達に準備をさせる、この部屋にこの鉄製の手すりを置いて…」

メリクルは、…自分でその手すりで体を支え実演して見せました。

…「リハビリをしよう、アーシャ。体は何でもないのだから…、気持ちがノった今こそ。体を動かしてみるべきだろう、がんばって欲しい…」

アーシャはペペに抱かれて、…手すりのそばまでやって来ました。

…「出来るかな、ペペ?」

手すりに寄りかかりながら…、アーシャは10歩まで歩けたのです。

「プイプイ」と、ペペも喜びました…。

 

それからまた一週間が過ぎて、…メリクルはアーシャの部屋を訪れました。

…「さすが、アーシャ。も〜部屋の中を自由に歩き回れるとは…、さすが鍛えられ方が違う」

アーシャは窓辺から、エスタハーンの村を眺めています…。

「アーシャ、…あなたへのお礼もこれで最後だ。」

…メリクルは侍女を呼ぶと、ギターを持たせました。

「これは私に出来る…、精一杯のあなたへのお礼だ。拙いが、聴いてもらいたい…」

その歌は、…こんな感じです。

 

テーマ…

「Don't think twice it's alright」 Bob Dylan

https://youtu.be/1iHhWh9FtsQ

 

…それから、毎晩寝る前にはメリクルがやって来て。

この歌を聴かせてくれました…、そしてアーシャの恐怖は少しずつ溶けていきました。

 

アーシャは、遂にエスタハーンの村に帰るコトに決めたのです…。

それをメリクルに告げると、…メリクルは止めませんでした。

…天空の城の大広間で、アーシャを送り出すべく。

多くの民が集まってゆます…、メリクルは王座から。

「本来ならば、勇者であるアーシャを送り出す為の…。祝典を開くのが礼節ではあるが、…アーシャの体はまだそれを許さないだろう。…これが、私からの天空の民として。最低限のマナーである…、ごあいさつとする」

メリクルは王座から降り、アーシャの前でひざまずくと…。

その手の甲を取り、…接吻を贈りました。

…アーシャの体は、その時恐怖から自由になったのです。