高天治(たかまがおさむ)は大学の2年生だ、…現在同じ大学・サークルの先輩で4年生の福原寧々(ふくはらねね)と付き合ってゆる。
…一人暮らしのアパートで朝目を覚ました、ユニット・バスの洗面台の鏡を覗き込むと。
「あれっ自分ってこんな顔だったかな?」と想った…、実は治は昨日の晩。
初めて寧々とエッピ💝しちゃったのだから!!、それも駅から離れたラブ・ホテルで…。
モチロン治が誘ったのだ、…それは当然としても。
…ホテルでのチェック・インの手続きは全て寧々任せだった、ど〜やら彼女は初めてではないらしく。
ちょっとリードされてしまった…、それを思い出すと恥ずかしいし情けなくもある。
しかし一方で「仕方ない」と考えざるを得ない、何せ初めてでまるで夢の中の出来事のようなのだ…。
治は大学で講義を受けた、…教授の声がまともに耳に入って来ない。
…その心は昨日の晩に起こったコトへ自然と向かう、いつものように街をブラブラと散歩し。
寧々が好きなモス・バーガーで夕食を食べて…、そこで切り出した。
「もうそろそろ付き合って3ヶ月になるだろ、このあとどうする…?」
寧々は最初何をいわんとしてるのかわからないようだったが、…そのまま五分経過し悟ったのだ。
「…まさか、そんなのが誘ってるつもりなの?」
「えっぇ?…、そうだよだからさ」
そしてタクシーを拾いラブ・ホテルに向かったのだ、場所は悪友である栗橋剛(くりはしごう)に教えてもらってある…。
治は大学の学食でお昼に定食を食べる、…寧々との関係はみんなには秘密にしてあるからここでは会わない。
…そこに例の剛がカップ・ラーメンを片手に現れた、剛も同じサークルで軽音である。
二人は音楽の話に興じ…、今度出る好きなバンドの新譜の話などをした。
話が一段落したトコロで、治は「昨日エッピ💝をした」と切り出す…。
剛は「でどうだった?」と問い返したが、…治は何も答えられなかった。
…だって無我夢中であんまりよく憶えていなんだから!、そんな治に剛はゆってはいけないコトを告げる。
「それはお前の夢なんじゃねーの?」
治のガラスの自尊心は木っ端微塵に粉砕されてしまい…、ホントに夢だったような気がしてきた。
治は剛の一言から立ち直れず、遂に彼女に確かめてみようと決心する…。
そして寧々にメールした、…「昨日のエッピ💝どうだった?」と。
…当然だが彼女には彼女の日常がある、そんなに早く返信があるハズない。
今日の講義も全て終わった治はサークルに顔を出した…、そこには当然寧々もいる。
治は寧々の表情から何かを読み取ろうとしたが、彼女は視線を合わさない…。
治はど〜しても落ち着かず早めに引き上げると、…帰りに立ち飲みの焼き鳥屋さんに立ち寄った。
…他のお客さんは誰もが楽しく談笑してゆる、ように治の目には映る。
生ビールのジョッキをすぐ飲み干してしまった治は…、日本酒を頼みチビチビとやる。
憶えたての煙草に火を点けると、その苦味が口の中を伝わった…。
この立ち飲み焼き鳥屋さんは老夫婦が経営してる、…夫婦ってコトはつまりそうだろ?
…当たり前だが口には出さない、治には酔えば酔う程自分の確信がぐらつくように想えた。
悶々とした気持ちがピークに達し徳利から直に日本酒を空けた頃…、スマート・フォンにメールの着信がある。
寧々からだ、そこには…。
「秘密💖。ねぇこれから治くんのお家ゆってもいい?そしたまたなでなでしてねだからお願い」
と、…あった。
テーマ…
「お陽さまみえたらふとん干して」 明和電機