ドルアーガの塔に挑む黄金の騎士良太

小学生だった良太を魅了したのは、…何よりもファミコンである。

…まだ幼い良太に女性への興味はそれ程無い、それよりもファミコンこそどんな夢でも叶えてくれる「魔法の箱」だった。

良太の入学祝いに…、叔父さんはファミコンを買ってくれたのだが。

母である仁美は、「教育に悪い」とファミコンをお家のTVには接がなかった…。

だから良太は、…学校が終わると中古ファミコン屋さんに通う。

…そこで色とりどりのパッケージに囲まれ、一人興奮するのだ。

ある日一つのファミコン・カセットが棚に陳列されてゆるのを見つける…、タイトルは「ドルアーガの塔

すぐに手に取って眺める、「ドルアーガの塔」のパッケージは良太の心を捕らえて離さなかった…。

ドルアーガ」とは何なのか幼い良太にはわからなかったが、…ロゴに炎を吹き出すドラゴンが描かれている。

…「きっとコイツが悪いドルアーガなんだ」、そして黄金の鎧に身を固めた騎士とかよわそうなお姫さま。

パッケージ裏の画面写真には…、魔物で溢れる塔の中で。

たった一人立ち向かう、勇敢な黄金の騎士の写真が映ってゆた…。

良太の心はもう「ドルアーガの塔」から離れない、…だけど当然買うお金なんて持ってるハズがない。

…ど〜してもこの「ドルアーガの塔」で遊んでみたい良太には、考えがあった。

 

翌日登校した良太は…、広い人脈を利用し誰か「ドルアーガの塔」を持ってるコがいないか見つけるコトにしたのだ。

するとお昼休みに、隣の隣のクラスのカーくんと呼ばれる男の子が持っていると判明…。

良太はそのまま昼休みの間にコンタクトを取り、…半ば強引に今日の放課後お家に遊びにゆかせてもらうコトとなった。

…カーくんのお家は遠くて歩いて子供の足で1時間かかる、しかし「ドルアーガの塔」への情熱に燃える良太にとって決して長い道のりではない。

良太が尋ねるとカーくんは…、自分のファミコンで「ファミリー・スタジアム」で遊んでいた。

「自分のファミコン」、良太の目にそれがどれだけ魅力的に映ったろう…。

子供同士であっても先ずは付き合いから、…良太は「ファミ・スタ」でカーくんと対戦する。

…2ゲームほど遊んだトコロで、良太は遂に「"ドルアーガの塔"やらせて」とカセットを入れ換えてしまった。

表示されるロゴ…、良太はドキドキしながらスタート・ボタンを押す。

すると軽快な音楽が流れ(そこにも良太は魅了される)、本編が始まった…。

横長の塔の1階に、…トコロドコロに点在する緑のスライム。

…ボタンを押すと、騎士は剣を突き出した。

「あぁタイミングよく剣でやっつければいいんだ」…、ところがそれは大きな間違いである。

ドルアーガの塔」では魔物を攻撃する時、少し離れたトコから剣を抜き…。

ボタンを押しっ放しにして、…斬りかからなければならない。

…良太と来たら説明書を読まないモノだから、何度やっても最初のスライムに敗北した。

4、5回ほどやられると…、カーくんはもう飽きてしまいまた「ファミ・スタ」のカセットを差し込んで遊び始める。

 

その夜良太は横になってお布団に入ると、昼間の「ドルアーガの塔」が思い出された…。

「絶対にあんなハズはない"ドルアーガの塔"はきっと面白いんだ」、…ウトウトする良太の頭の中ではいつの間にか自身が黄金の騎士となっている。

…鬱蒼と茂る森の中にそびえ立つ巨大な塔、旅立ちを前に森に住む隠者から助言を受ける良太。

「黄金の騎士良太よ…、遂に憎き竜ドルアーガの潜む塔へ旅立つ時を迎えたな。あの塔には、可愛らしいプリンセスが捕らえられておる…。プリンセスを救えるのは、…勇者の血を引くそなただけなのじゃ。…いいか決して諦めるでないぞ。勇気を持ってドルアーガを退治するのじゃ」

ギィと軋みながら開く…、ドルアーガの塔の扉。

薄暗い塔の中でうごめく緑のスライム達、黄金の鎧に身を固めた良太は迷わずスライム達を斬り伏せてゆく…。

勇敢な良太の前にはスライムなどモノの数ではないのだ、…塔を登ってゆく良太の前に漆黒の鎧を纏った騎士が立ち塞がった。

…コイツは悪竜ドルアーガの親衛隊長で、この塔の中で最も手強い敵の一人。

良太と親衛隊長は…、数歩の距離を開けて対峙した。

二人は構えながら、お互い隙をうかがってゆる…。

良太の額から流れる汗が頬を伝い、…あごから床へと滴り落ちた時親衛隊長は踏み込んで来た。

…その稲妻のような一撃を何とか盾で受け止めると、お留守になった腹目がけて良太は力いっぱい剣を突き立てる。

親衛隊長は叫び声を上げると傷痕を押さえ撤退した…、良太はあえて追わなかった。

敵であっても情けをかけるのが騎士の道なのだ、とそんなコトを思い浮かべているウチに…。

良太はやがて、…安らかな寝息をたててゆた。

…幼い良太にとって憧れのファミコン・ゲームとゆえば、「ドルアーガの塔」「ドラゴン・クエストⅡ」それから「モンスター・ランド(これは近所の駄菓子屋さんにあって20円て遊べた。良太は牛乳クレートに乗っかってやり込みにやり込み「伝説の剣」の隠し場所がわからなかっただから「エクスカリバー」でメカ・ドラゴンを叩き潰していた。近所には良太より「モンスター・ランド」のうまい人はいなかったから)だったのだから。

テーマ…

「Super Xevious」 ナムコ/細野晴臣

https://youtu.be/sMhUfASCW4g

 

 

 

…こんにちは、森沢修蔵です。

ぼくのブログを読んでくれてありがとう、…このブログはこの2、3ヶ月アクセス数がとても好調で。

特に先日「正花楼の赤いチャーシュー」を発表してからは、1日のアクセス数が20を超えてゆます…。

これはひとえにみなさんのおかげで…、それ以前はアクセス数1日3ぐらいしかいかなくて。

…諦めかけてゆたぐらいなので、正直とても嬉しいです。

この作品は、…これまでぼくのブログを読んでくれたみなさんへのいわばファン・サービスとして用意しました。

これまで何作か書いて来て、「ぼくが作家として求められてゆる作風ってこうかな?」と想像し…。

敢えてそれに合わせて書いてみたんです…、楽しんでいただければ素直に嬉しいですよ!!

…ぼくは現在、プロになるべく持ち込み作として「聖石伝説神のいなづまパルツィバル」とゆ〜長編の準備に入ってます。

基本的にそちらに時間を割きプロとして活動出来ればと考えてゆますが、…ブログでの活動をやめるつもりはありません。

例えば商品にならないような小さなアイディアや、とてもお金をいただけない実験作みたいなのは…。

無料で公開させてもらって読んでいただき…、ぼくの創作とゆ〜「芸」の肥やしにさせてもらうと。

…ですのでまたお立ち寄りいただければ何よりですね、やっぱり作品はお客さんに読んでもらってナンボだなと。

ブログに閑古鳥が鳴いてた時期を経て改めてそのシアワセを噛み締めていますよ、…だから本当にみなさんに心からのありがとうを!

ぼくの魂の叫び、「一都's六県・Roll」…!!!

だから…、まぁいいってコトよ〜♪